(本記事は、鈴木秀子氏の著書『世界でたったひとりの自分を大切にする 聖心会シスターが贈る大きな愛のことば』(文響社)2018年10月19日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
【『世界でたったひとりの自分を大切にする』シリーズ】
(1)なぜ「私なんてダメ」と思うことが「傲慢」なのか
(2)人はなぜ「悪いことばかり考えてしまう」のか?
(3)「良いことしか言わない賢者」に「無残ないたずら」をしたらどうなる?
(4)聖心会のシスターが「人の話を聞かなかったときに起こった」一生残る苦い出来事とは
(5)嫌なことをされて傷ついたとき上手く相手に伝える3つのポイント
※以下、書籍より抜粋
他人との絆を育てる
本音を伝える訓練をする
自分の本音や相手と異なる意見を伝えるとき、そのまま伝えてもおそらくうまくいきません。
伝えたい内容より、反論されたことに腹を立てられたり、一生懸命に伝えようとするあまり、感情のほうが先走ってしまったり。
こうなってしまうと、いくら言葉を尽くしても、なかなか気持ちは伝わりません。
そこで、本音をうまく伝える方法をアドバイスしましょう。
「事実」→「自分の気持ち」→「相手に対する自分の希望」
この順番で話をしてみるのです。
たとえば、他人に絶対にしゃべらないだろうと安心して話したことを、相手が話してしまったとします。
そのことに傷つき、がっかりしてしまった。そういう気持ちを伝えるときは、次のように伝えます。
「私はあなたを信頼して安心して話しました。
けれどあなたが他人に話してしまったということを聞いて、私はとてもイヤな気持ちになりました。がっかりしてしまいました。
私はあなたを信頼しているので、私が大事だと思っていることを、あなたにも大事に思ってもらいたいのです」
この伝え方のひとつ目のコツは、何よりもまず「自分の気持ち」をしっかりつかむこと。
相手がどうのと責めるのではなく、自分がどう感じたのか、どうしてほしいのかを整理します。
ここでは「イヤな気持ちになった」「がっかりした」「自分にとって大事なことを大事にしてほしい」の3つになります。
2つ目のコツは、「あなたがしゃべった」という事実をしっかり言うこと。
ここを遠慮して曖昧にしてしまうと、伝えたいことそのものがあやふやになります。
あやふやになれば、相手はあなたの気持ちを受けとめられなくなります。
事実を伝えるということは、相手にとって「イヤなこと」を言わなければならないときもあります。
躊躇してしまう気持ちもわからなくはありません。
でも、だからといっていい顔ばかりしていても関係は深まりません。
相手との絆を大切にしたいのなら、事実を真剣に伝える覚悟も必要です。
3つ目のコツは、「私」を主語にして話すこと。
「あなたがこんなことをしたせいで」と話してしまうと、相手を責めていることになります。
責められているとわかれば、相手は聞く耳を持ちません。
責めたいのではなく理解してほしいことを伝えるには、「私はこう感じた」「私はこうしてほしい」と自分を主語にして話すことが大事なのです。
最初はうまくいかないかもしれません。しどろもどろになってしまうかもしれません。
でも何度か努力を重ねれば必ず話せるようになります。
本音がうまく伝わるようになり、よけいな諍いをせずに済むようになります。
本音を伝える訓練を、日々心がけるようにしましょう。
【大きな愛の言葉】
上手な本音の伝え方も、練習できる。
相手を責めずに、事実と自分の気持ちを伝える。
鈴木秀子(すずき・ひでこ)
聖心会シスター。東京大学大学院人文科学研究所博士課程修了。文学博士。スタンフォード大学で教鞭をとる。聖心女子大学教授(日本近代文学)を経て、国際コミュニオン学会名誉会長。聖心女子大学キリスト教文科研究所研究員・聖心会会員。著書に44万部突破の『9つの性格 エニアグラムで見つかる「本当の自分」と最良の人間関係』(PHP研究所)のほか、『死にゆく者からの言葉』、『愛と愛しのコミュニオン』、『心の対話者』(文藝春秋)、『死は人生で最も大切なことを教えてくれる』(SBクリエイティブ)など。
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