(本記事は、鈴木秀子氏の著書『世界でたったひとりの自分を大切にする 聖心会シスターが贈る大きな愛のことば』(文響社)2018年10月19日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

【『世界でたったひとりの自分を大切にする』シリーズ】
(1)なぜ「私なんてダメ」と思うことが「傲慢」なのか
(2)人はなぜ「悪いことばかり考えてしまう」のか?

※以下、書籍より抜粋

自分との絆を育てる

人は「悪いものをまず見る」ようにできている

なぜ人は悪いことばかり考えてしまうのか。不思議に思いますよね。

じつはこれには理由があります。

原始社会において、人は洞窟に住みながら、いつ猛獣に襲われるともわからない、危険と隣り合わせの中で生きていました。

そんな環境を生き延びるには、危険を敏感に感じ取る感覚を養う必要があります。

命を守るため、危険に対する感度を高めておかなければなりません。

その結果、人はいいものより悪いもののほうに焦点をあてる習性を、おのずと身につけるようになりました。

この習性が、現代社会になった今も受け継がれているのです。

このことは、私たちの生活のちょっとしたところにも見られます。

たとえば、パンに小さなカビを見つけたら、もう食べられないと捨ててしまいますね。

ちょっとしたカビひとつでも、敏感に見つけ出して排除しようとするのは、DNAに刻み込まれた、命を守る感度の高さゆえです。

だから、悪いものに目がいってしまうのも、悪いことばかり考えてしまうのも、ある意味自然なこと。決していけないことではありません。

ただ、DNAに刻まれた本能のまま、悪いところばかり見ていては、人間関係はうまくいきません。

自分との絆も育ちません。

現代社会では、危険を敏感に感じ取る力より、むしろいいところに焦点を合わせる力が求められます。

危険が感じられた場合や災害時は別ですが、ふだんの生活では「悪いものをまず見る」はもはや不要なのです。

日本人は一般的に、他人に対して「へりくだる」ことをよしとします。
「私なんて」と自分を下げながら、相手から「そんなことありません」と持ち上げてもらってバランスをとる。

それが日本の伝統的な文化です。

でも、国際社会になった今、こういう文化はもう通用しません。

自分を下げて相手から高めてもらうようなやり方はやめにして、自分で自分のよさを認めるよう変えていくべきです。

自分との絆を育てるために、悪いものを見る習性とも、自分を下げる文化とも、お別れしたほうがいいのです。

【大きな愛のことば】
誰もが自分を下げる必要はない。

自分のいいところは、まず自分が認める。

(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

鈴木秀子(すずき・ひでこ)
聖心会シスター。東京大学大学院人文科学研究所博士課程修了。文学博士。スタンフォード大学で教鞭をとる。聖心女子大学教授(日本近代文学)を経て、国際コミュニオン学会名誉会長。聖心女子大学キリスト教文科研究所研究員・聖心会会員。著書に44万部突破の『9つの性格 エニアグラムで見つかる「本当の自分」と最良の人間関係』(PHP研究所)のほか、『死にゆく者からの言葉』、『愛と愛しのコミュニオン』、『心の対話者』(文藝春秋)、『死は人生で最も大切なことを教えてくれる』(SBクリエイティブ)など。

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