中国人の印象では、日本とは資源に乏しい国である。ところが近年、中国木材市場の旺盛な需要を受け、日本産木材の輸出が急拡大を続けている。

「今日頭条」「鳳凰財経」などのネットメディアの報道によると、日本はすでに中国の木材市場に一定のポジションを確保したようだ。日本は、知らないところで資源輸出国となっていた。日中それぞれの事情を探ってみよう。

中国国有林の伐採禁止

中国の森林覆蓋面積は、世界有数の151億立方メートルである。しかし覆蓋率は20.36%(2012年)と低く、一人当たり森林面積は小さい。木材の品質に特段優れた点もなく、中国は森林国家というには遠い。しかし木材消費では世界二位である。

人民日報の報道によれば、国内の天然林に“大径級”木材資源はほとんど残っていない。一方備蓄や植林はすでに一定の規模に達している。しかし日本とは違い、資源化するにはまだ時間を必要とする。

2015年4月、政府は東北(遼寧省、吉林省、黒竜江省)と内蒙古自治区における重点国有林の商業伐採を禁止した。その後、2017年には、天然林の伐採は全面禁止となった。さらに環境保護の立場から、“粗放”な経営をしていた大量の木材業者に、営業停止や業務改善命令を課した。これらはダブルパンチとなり、木材原料の不足と、値上がりをもたらした。

こうした理由により、2017年、中国の木材輸入は合計一億立方メートルを超え、前年比15.6%も伸びた。需要はますます増加していて、必然的に輸入に頼る他はない。ここに日本商品“爆買い”の新しい局面が現れた。

森林国家・日本

一方の日本は、森林覆蓋率67%という森林国家だ。森林蓄積量は49億立方メートル。計画的な植林により、全体の61%は人工林だが、その半分は樹齢10年以上である。

農水省の統計によれば、2017年日本全国の木材輸出額は326億円、前年比37%の大幅増だった。38年ぶりの高水準である。九州はとくに好調だ。門司税関の統計では、九州経済圏の木材輸出は116億円、前年比70%に達し、史上最高を記録した。九州地区の木材輸出は、2012~2017年の5年間に7倍となった。

さらに2018年の第二四半期、日本企業の木材と木材製品の輸出は465億円となり、21世紀以降の四半期では、最高を記録している。