「お金が沢山あれば何でもできるから、怖いものなし」と庶民は勘違いしがちだ。しかし、お金持ちにも怖いものはある。

USNewsのファイナンスライター、トム・サイティング氏や投資ファンド企業の調査などからわかった「お金持ちが恐れている9つのこと」を紹介しよう。庶民と共通するものから縁遠いものまで様々だ。

老後の経済的な心配

周囲の目には「一生使い切れないほどのお金を持っている」ように見えても、当の本人は老後にお金が尽きてしまう心配をしている。米投資ファンドPersonal Capital とビジネス・インテリジェンスORC International が共同で実施した調査では、資産50万ドル以上を所有しているお金持ち1000人のうち、51%が「退職後の経済的な安定が心配」と答えた。

Lincoln Financial Groupによる2014年の調査でも、資産100万ドル以上のお金持ちの48%が同様の回答をしている。どれほど沢山のお金を持っていても、老後は心配ということだ。

ポートフォリオを上手に構成しているか

Personal Capitalの調査では、46%が「税金対策を考慮してポートフォリオを構成していないのではないか」、42%が「私のポートフォリオ構成では、市場が低迷した際に持ちこたえられないのではないか」と回答。お金持ちがいかに資産運用に熱心かが伝わってくる。

お金持ちは家賃や住宅ローン、教育費などの心配をしなくて良い代わりに、お金をしっかりと管理することに時間と労力を費やす。資産が多ければ多いほど、資産運用に対する意識が高まる。資産を最も効率的に増やすために専門家に資産運用を委ねる、あるいはアドバイスを求めるお金持ちも多い。

しかし専門家を雇えば雇ったで、「本当に最大限の利益を生むために努力してくれているのか?」 という猜疑心が芽生えるようだ。

現在の富を失う

何らかの事情でこれまでの裕福な生活を失うことは、お金持ちにとって耐えがたい恐怖である。Personal Capitalの調査では38%が「お金がなくなることが怖い」と答えた。

健康への懸念 

お金に糸目をつけず、一流の治療を受ける経済的余裕があるお金持ちでも、自分の健康状態を心配している。Lincoln Financial Groupの調査では、ミリオネアの54%が「退職後の健康状態」への懸念を示している。

特に医療費が高額な国では、「経済的な余裕があるかないか」が寿命に影響するという調査報告がある。