住宅を購入するときに、中古不動産を検討する人も多いのではないでしょうか。中古不動産は、新築よりも安い価格で購入できる可能性があり、立地条件や築年数、設備の充実度などの条件が合うなら、お得に感じることもあるでしょう。

しかし、中古不動産だからこそ、耐震性や設備に関する目利きは、しっかりと行わなければなりません。といっても、何をどのように見て判断すればよいか、見当がつかないことも多いでしょう。

そこで今回は、中古不動産のメリットや購入の際に注意すべきポイント、最近よく耳にするホームインスペクション(住宅診断)についてお伝えします。

中古不動産のメリット

(写真=fizkes/Shutterstock.com)

予算を考えると「中古不動産も検討してみようかな?」と考えることもあるでしょう。まずは、中古不動産を購入するとどのようなメリットがあるのかを見ていきます。

価格が安い

間取りや立地条件が同じ新築物件と比較した場合、中古不動産のほうが安くなることが多いでしょう。これが、中古不動産の大きなメリットと言えます。例えば、新築では希望の条件を満たすと予算をオーバーするという場合でも、中古不動産ではほぼ同条件の物件を予算内で購入できる可能性があります。

実物で検討できる

現状の実物を見て判断できることは、中古不動産を購入する際のメリットの一つです。新築の場合は、設計図面からイメージする部分が多く、モデルハウスで確認したとしても、完成後にギャップを感じることもあるかもしれません。中古不動産では、自分の目で細部まで確認できるので、こうしたリスクは回避できるでしょう。

暮らし方のシミュレーションがしやすい

中古不動産は建物がすでにあるため、実際に暮らすうえでのシミュレーションをしやすいこともメリットでしょう。例えば、どのような景観か、車の出入りに不自由がないかなどを実際に確認できます。

マンションであれば、ほかにどのような人が入居しているか、日当たりや交通量は時間によってどう変わるかなど、自分が実際に住んだときのイメージもしやすくなります。

自分好みにリフォームできる

リフォームに費用をあてることを前提に中古物件を購入し、自分好みのデザインや設備にできる点もメリットです。新築では思い切り変えられないこともありますが、古くなった内装や設備を交換する必要があるなら、ガラリと雰囲気や間取りを変えてみるものよいでしょう。

中古不動産の購入時に注意したいポイント

(写真=zimmytws/Shutterstock.com)

中古不動産を購入する際には、どのようなことに気を付ければよいでしょうか。確認していきましょう。

資産価値を考える

中古不動産においても将来的に売りに出す可能性がゼロではないと考えると、購入時の価格のお得感だけでなく、未来の資産価値も視野に入れて選ぶほうが賢明でしょう。間取りや築年数のほか、駅が近い、人気の学区内にあるなどの立地条件は資産価値に影響します。加えて、地盤がしっかりしているエリアであることもポイントの一つとなります。

設備の耐用年数

中古不動産の住宅設備は、ある程度使われていることが前提となりますが、同じ築年数でも前の持ち主の使い方などによって内装や設備の状態が違います。どのくらいの年数で交換が必要になりそうかは、事前に見極めておく必要があります。

耐震性があるか

1981年6月以前の建物は旧耐震基準が適用されているので、中古不動産では建築された時期にも注意が必要です。1981年6月以降の新耐震基準で建築されている建物は、大規模な地震にも対応できる耐震性を持つといわれます。

大きな地震を体験している人が多くなっている近年、耐震に対しての重要度が増しています。特に高層の建物は、耐震性や災害対策に納得できるか、事前に確認しておきましょう。

見えない部分に不具合がないか

中古不動産では、目には見えない部分に劣化や欠陥の可能性もあるため注意が必要です。例えば、「入居してすぐに雨漏りした」「住んでから水漏れに気づいた」「壁からシロアリが出てきた」など、内見だけでは発見できない不具合が見つかることもあります。入居後に不具合が発覚した場合、買い主・売り主のどちらが費用を負担するのかは、契約前に確認しておきたい部分です。

後述で詳しく紹介しますが、ホームインスペクション(住宅診断)を利用する方法で、現状を詳しく把握することが可能です。

事故物件に該当していないか

中古不動産の場合、事故物件といって、物件内で事件性のある死亡があったり、火災事故があったりなどの可能性もあります。好条件なのに近隣の相場よりも著しく価格が安い場合は、その理由について確認したほうが安心です。