最近では生涯独身を貫くシングル女性も珍しくなく、生涯未婚率も上昇の一途をたどっています。

もしかしたら、あなたも同様に生涯独身を貫くかもしれません。夫も子供もいないとき、あなたの財産・遺産がどうなるのか、気になる方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、シングル女性の遺産の行方を優先順位の高い順にご紹介します。

1位:親

まずは「親」です。ご両親のどちらかが健在であれば、あなたの財産は親が受け取ります。

不慮の事故などで親より先に他界するケースは、まれにある話です。一昔前なら、そんな事態を想定した300万円程度の終身保険に(自分の葬儀代のために)加入する時代もありましたね。

2位:祖父母

次に「祖父母」です。ご両親がすでに他界し、祖父母のどちらかが健在であれば、あなたの財産は祖父母が受け取ります。

最近では、全国各地で大規模な自然災害が多発しています。例えば、災害で両親もあなたも亡くなったようなときに、こういうこともあるでしょう。

3位:兄弟姉妹

そして「兄弟姉妹」です。シングル女性にとって、一番可能性が高い遺贈先かもしれません。

ご両親も祖父母もすでに他界し、兄弟姉妹がいるなら、あなたの財産は兄弟姉妹が受け取ります。ただし、現実では「仲の良し悪し」が問題になることも多いです。

4位:甥・姪

最後に「甥・姪」です。あなたが末っ子のシングル女性なら、十分に可能性の高い遺贈先といえます。

両親や祖父母だけでなく兄弟姉妹も他界している場合、甥・姪がいるのなら、あなたの財産は甥・姪が遺贈先になります。ただし、人間関係が希薄なケースも多いかもしれません……。

誰もいないなら国庫へ!

遺産を受け取る方が誰もいない場合は、あなたの財産は「国庫」に入ります。このため、何らかの対策を立てるのが面倒な方でも、最終的には「国が何とかしてくれる」ともいえますから安心です。

ただし税金同様に、国に取られたくないという方は、何か別の方法を考えましょう。

遺言書があれば自由!?

今回お伝えした順番は、あくまで「遺言書がない場合」の法定相続人(甥・姪の場合は兄弟姉妹が亡くなっているときの代襲相続人)です。つまり、事前に遺言書を作っておけば、誰に自分の遺産をプレゼントするかは自由に選べます。

過去の恋人や恩人、仲の良い友人、いずれ介護してくれるであろう人など……好きな人を選びましょう。中には、どこかの団体や学校、アイドルを遺贈先に選ぶ方もいらっしゃいます。

ただし、子供がいないシングル女性の財産を「ご両親以外」の方が受け取る場合は、相続税が2割加算される点に注意が必要です。それでも相続財産以上にはかかりませんから、そこまで気にする必要はないかもしれませんが……。

財産が残るかどうかを考えよう

近年のシングル女性の未来を考えると、そもそも「財産が残るかどうか」を考えることも大切です。昔と違って老後に受け取る年金も減額傾向ですし、その割に平均寿命はドンドン延びていますから、老後生活の途中で財産が尽きてしまう老後破産もよく聞きます。

今は正社員として普通に働いているあなたも、いずれは定年を迎えて年収が下がるわけですが、その先への備えは大丈夫でしょうか。

定年を迎えても十分稼げるスキルを身につけておく、あるいは投資で十分な資産を築いておく……遺贈先とともに考えておきましょう。

シングル女性だって一人じゃない!

結婚の有無に関わらず、ずっと独りぼっちで生涯を送ることはまれで、誰か一人くらい「大切な人」はいるものです。

あなたのその気持ちを、人生の最後に「相続・遺贈」という形にして、その方に財産とともに「あなたが生きた証」を受け継いでもらいましょう。

文・婚活FP山本(山本FPオフィス代表)

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