(本記事は、星渉氏の著書『神メンタル 「心が強い人」の人生は思い通り』、KADOKAWA、2018年7月6日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
【『神メンタル 「心が強い人」の人生は思い通り』シリーズ】
(1)「がんばっても報われない」と感じてしまうのにはこんなワケがあった
(2)東日本大震災が変えた「自分がやる」理由
(3)物ごとを3日坊主にしないためのカンタンなコツ
(4)引き寄せはスピリチュアルではなく「脳のしくみ」だった
(5)シンプルなメカニズムでもう負の感情に流されない
※以下、書籍より抜粋
「没頭する」を利用して、意識を「今」に集中させる
私たち人間の行動の源、それは「感情」だといわれています。
「誰かに喜んでもらいたいから、頑張ろう」
「すごいと思われたいから、努力して目標を達成しよう」
その人を行動に突き動かすための強い力を持っているのが感情です。
しかし一方で、強力であるがゆえに、感情は私たちの行動を“止めてしまう”場合もあります。
たとえば、イライラするような出来事が起きて、今するべきことに集中できず物事が進まなかったり、何か悲しいことがあり、その悲しさで何もやる気が出なかったり……。
こういった「負の感情」は、自分に足りなかった何かや、大切な何かを気づかせてくれるためには、必要な感情でもあります。
しかし、いつまでも感情に支配されて行動できなかったり、新しい幸せを手にすることができなくては、意味がありません。
こうした感情とは、上手く付き合っていく 必要があります。
では、負の感情に陥ってしまった場合の対処法は?
実は、それはとてもシンプルなものです。
重要なのは「なぜこれが効果的なのか」というメカニズムを理解しているかということです。メカニズムがわかっていなければ、再現性に欠けてしまうのです。
負の感情に陥ってしまった場合の対処法は、「何かに没頭する」ということです。
たとえば、あなたに何か「頭にくる出来事」があったとしましょう。
そんな時、あなたはどうしますか?
私なら、美味しい料理を食べに行きます。なぜなら、「美味しい料理を食べている時」は、「その料理のことしか考えない」からです。
「美味しい料理」に「没頭」している。そして、「美味しい料理に没頭している時」には「頭にくる出来事」を忘れています。
ここに感情のメカニズムがあります。
あなたが頭にくること、怒っていること、悲しんでいること、不安に思っていること……それはいったい「いつ」の出来事でしょうか?
すべて「過去」もしくは「未来=これから」の出来事であるわけです。
「負の感情」が生まれている時は、 「今」を生きていない証拠です。
私の「美味しい料理を食べに行く」という話でいえば、頭にくる出来事が起きたのは「過去」であり、それを忘れて美味しい料理を食べているのは「今」です。
自分自身の感情がグラついている時は、必ず意識が「今」にない時です。
このように意識が過去やまだ起きていない未来に行ってしまうことを、「マインドワンダリング」といいます。
私たちが日常で「今」のことを考えているのではなく、過去に起こった出来事や、まだ起きてもいない未来に思いを巡らす時間は、1日のうちどれくらいあると思いますか?
ある調査では、私たちが目の前の出来事、つまり「今」を生きていない時間は、1日の43%もあるという結果が出ています。
1日の4割以上の時間を使って、もう過ぎ去った過去の出来事や、まだ起きてもいない未来の出来事のことを考えているのです。これでは感情が安定するわけがありません。
過去の出来事、まだ起きていない未来にとらわれる……すなわち「今」に意識がないと、感情がグラつきます。
感情がグラつくと自分自身の行動も止まります。
どんなにあなた自身が変化を起こそうと努力をしたとしても、土台となる感情が安定していないようでは、前に進むことはできません。
「今」自分がなすべきことに集中することで、負の感情はコントロールすることができる。
このメカニズムを理解した上で、「今」に集中してみてください。
思いを巡らすのは過去でもなく、未来でもなく、「今」です。
星渉(ほし・わたる)
株式会社Rising Star代表取締役。1983年仙台市生まれ。2011年に独立起業し、心理療法やNLP、認知心理学、脳科学を学び始める。それが原点となり、個人の起業家を対象に「心を科学的に鍛える」を中心に置いた独自のビジネス手法を構築。わずか5年間で講演会、勉強会には7200人以上が参加し、これまでに手がけたビジネスプロデュース事例、育成した起業家は623人にものぼる。
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