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2018/09/12

「先進医療特約」は必要? 迷っている人が押さえるべきポイント

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
医療保険やがん保険で、必ずといってよいほど耳にする“先進医療”。先進医療保障は商品によっては主契約に含まれているものもあるが、特約として付加する商品が圧倒的に多い。そのため先進医療保障を特約として付加すべきなのか迷ってしまう人もいるだろう。

先進医療とは、まだ保険診療の対象に至らない先進的な医療技術など

先進医療は、厚生労働省の『先進医療の概要』によって、「厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養」と定められている。つまり、厚生労働省が認める先進的医療であり、保険診療の対象として適正かを評価中の医療技術を指している。

先進医療は自己負担が医療費の1割から3割で済む保険診療とは違って、費用は全額自己負担となる。

一般的には、保険診療の場合、医療費が高額になっても『高額療養費制度』を利用すれば、収入に応じて定められた1か月の上限額を超えて医療費を支払うことはない。しかし、先進医療は保険外診療であるため、高額療養費制度を利用することもできない。こうした先進医療における患者の経済的負担の大きさが、昨今、保険で先進医療保障をうたう特約を目にする機会が多い理由だ。

実際には先進医療を受ける可能性は決して高くない

厚生労働省発表の『先進医療の各技術の概要』によれば、厚生労働省に認定されている先進医療技術は2018年5月1日現在で91種類だ。

内訳は、先進医療A(未承認・適応外の医薬品や医療機器を使わない、それらを使っても人体への影響が極めて少ない。国が実施可能な医療機関の施設基準を設定)が28種類、先進医療B(未承認・適応外の医薬品を使用している、それらを使用していなくても医療技術の安全性・有効性等に鑑み、重点的な観察・評価が必要なもの。医療機関ごとに実施の可否を決定)は63種類ある。

これらの先進医療技術は、安全性・有効性・技術的成熟度が確認されれば保険診療として認められたり、実施件数が伸びなければ先進医療技術としての認定が取り下げられたり、あるいは先進医療Aから先進医療Bに移行するなどの見直しが適宜行われている。

限られた種類の先進医療技術しか実施が認められていない上に、先進医療技術ごとに細かな施設基準が定められており、その基準を満たしている医療機関に対してのみ国が当該先進医療技術の実施を認めている、または医療機関ごとに国が実施の可否を決定しているため、国内で先進医療を受けられる医療機関も限定されている。

対象となる適応症も厳密に定められている。患者が一般の保険診療を受ける中で、疾病・症状など細かな条件が合致しており、患者の希望を受けて医師がその必要性と合理性を認めた場合だけ先進医療を受けられるのだ。つまり、先進医療を受けられる人は非常に限られていると言わざるを得ない。

厚生労働省の『平成28年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について』では、1年間における各先進医療技術の実施件数が報告されており、実施件数の多い上位10技術を併せると合計2万3102件であった。実施件数が1万1478件であり、全体の半数近くを占めるのが白内障治療のための「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」であることを考えると、それ以外の先進医療を受ける機会は多くないといえよう。
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