世界には富裕層のためだけに作られた、1本370万ドルもするアルコール飲料がある。世界一高いウォッカやテキーラ、ワインなど、比較サイト「Worldstopmost.com」に掲載されたランキングから、「世界で最も高いアルコールトップ10」をご紹介しよう。

しかし、高級=世界で最も美味しいというわけではなさそうだ。ワイン専門家兼作家のマーク・オールドマン氏が教える「ビリオネアのようにお酒を飲む3つの法則」とともに、どうすれば世界最高のアルコールを手頃な価格で楽しめるかを探ってみよう。

世界で最も高級なアルコール・トップ10

10位 1811 Chateau d’Yquem(フランス)
13万ドル
9位 Penfolds Ampoule(オーストラリア)
17万ドル
8位 Bombay Sapphire Revelation(英国)
20万ドル
7位 Royal Salute Tribute to Honor(英国)
20万ドル
6位 Dalmore 62(スコットランド)
21.5万ドル
5位 Armand de Brignac Midas(フランス)
27.5万ドル
4位 Macallan 64 Year Old in Lalique(スコットランド)
46万ドル
3位 Diva Vodka(スコットランド)
100万ドル
2位 Tequila Ley .925(メキシコ)
350万ドル
1位 Billionaire Vodka(英国)
370万ドル

トップ3がとてつもなく高価な理由

伝説のラグジュアリー・デザイナー、レオン・ヴェレス氏率いるレオン・ヴェレス・ラグジュアリー・グループが、2011年、世界各地の高級バー向けに発売した「Billionaire Vodka(ビリオネア・ウォッカ)」。その名にふさわしく、ボトルに3000個のダイヤモンドを贅沢に使用している。毛皮も使われているように見えるが、実はフェイクファー。ヴェレス氏が動物愛護家のためだ(LuxuryInsider2011年8月2日付記事)。 

気になるお味は「驚くほどユニーク」だそうで、好き嫌いが分かれるのかもしれない。

メキシコが誇るテキーラの中で、最も高級な「Tequila Ley .925(テキーラ・レイ925)」。こちらもダイヤモンドを散りばめた精巧なデザインのボトルが魅力だ。

スコットランドの「Diva Vodka(ディーヴァ・ウォッカ)」は、スワロフスキー・クリスタルをボトルに使用しているものの、ビリオネア—・ウォッカやテキーラ・レイ925ほど派手なデザインではない。どちらかというと女性受けする、シンプルな中に可愛らしさを感じさせるボトルだ。中身は天然水から丁寧に作られた高級ウォッカ。

ランキングの中で飛びぬけて高価なトップ3だが、入れ物のボトルも高級なのは疑う余地がない。 

価格と味は比例しない?

トップ10は、いずれも相当なお金持ちでないと手が届かないものばかり。しかし「お金持ちにならないと美味しいお酒が飲めない」というのは間違いだ。

ワイン専門家兼作家のマーク・オールドマン氏は、著作“How to Drink Like a Billionaire”で、「価格は必ずしも美味しさと比例しない」と述べている。そのため、ビリオネアの定義を「最も高価なお酒を買える経済的な余裕がある人ではなく、最も美味しいお酒を最も最適な価格で手に入れられる人」としている。

オールドマン氏いわく、「お酒はある一定の価格帯を超えると、本質的な価値以外のものに余分なお金を払っている」。要するに高過ぎるお酒は、原料や製法そのものよりも、希少価値やその背後にあるストーリーに沢山のお金を払っているというのだ。あるいは、高価格=高品質と頭から思いこむ消費者の心理を突いた戦略なのかもしれない。

確かに本当のお金持ちほど、無駄なものにお金を使わないことはよく知られている。ウォーレン・バフェット氏やビル・ゲイツ氏といったビリオネアも、節約生活を日課にしている。

ビリオネアのようにお酒を飲む3つのルール

どうすれば限られた資金でビリオネアのようにお酒を選び、味わうことができるのか?

オールドマン氏の1つ目のアドバイスは、「産地として有名ではない、地方で作られたお酒を買う」。産地という付加価値が、値段を釣り上げる懸念がないためだ。お酒の美味しさは産地ではなく、誰がどのようにどんな原料を使って作ったかによって決まる。

オールドマン氏のお気に入りは、ニューメキシコ州でフランス人一家が製造しているシャンパーニュであるGruet(グルエ)。1本13~20ドルのお手頃品だ。

2つ目のアドバイスは、「発音しにくいお酒を選ぶ」。外国語の発音が相手に伝わらない時、冷や汗をかく人は多い。特にデートの席などでは、何度も聞き返されるといった失態は避けたいものだ。そのため、発音しやすい銘柄ほどよく売れる=価格が高め、発音が難しい銘柄ほど売れにくい=価格が低めで販売されている傾向があるそうだ。

最後のアドバイスは、「昔ながらのお酒を選ぶ」。「ワインの父」との異名をとるロバート・モンダヴィ氏が創業したMondavi(モンダヴィ)や、ドイツ系移民兄弟が買いカリフォルニアで創業したナパ・ヴァレー最古のワイン、Beringer(ベリンジャー)など、古くて素晴らしいお酒は世界中に多数ある。

メディアは目新しいものばかりを取り上げるため、これらのお酒が紹介される機会は極端に少ない。しかしこれらの老舗酒造は現在も素晴らしいお酒を作り続けており、長年にわたり人々に愛されてきたという実績は、「美味しいお酒」の証拠である(フォーブス2016年11月10日付記事)。

文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)/ZUU online

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