経済大国No.1の米国だが、所得格差は年々深刻化している。連邦準備制度理事会(FRB)が2016年、6600人を超える米成人を対象に実施した調査では、44%の人が「突然400ドルを払え、と言われたら払えない、あるいは誰かから借りるか所有物を売ってお金を作る」と答えた。

このような状況では、ほぼ半分の人にとって「ミリオネアは夢のまた夢」のように思えるが、高所得でなくても毎月500ドル投資するだけで、100万ドルを貯めることは可能だという。

普通の人が確定拠出年金(401k)や起業でお金を増やした場合、ミリオネアになるのに何年ぐらいかかるのだろう?

高所得は60歳までに「確定拠出年金ミリオネア」に

投資信託の販売・運用会社フィデリティ・インベスメンツによると、同社の401(k)プランを利用して13.3万人のミリオネアが生まれたという。これらのミリオネアの平均年間所得は男性が35.5万ドル、女性が28.8万ドル。男性は平均59.3歳、女性は58.5歳で 100万ドルを達成するそうだ。

しかし「高所得者しか100万ドル貯められない」わけではない。年間所得15万ドル以下でも、定期的な貯蓄と投資を活用して、100万ドルの資産を築きあげた顧客もいる。

低・中所得層のミリオネアは、15万ドル以下の所得のうち、男性は平均22.8%、女性は平均25%(そのうち6.1%は雇用主が負担)を貯蓄に回していた。また男性は貯蓄の76%、女性は77%を株式に投資していたという。低・中所得者が月並みの貯蓄をしていても100万ドルには手が届かないが、人一倍努力することで実現できるという例だ(ビジネス・インサイダー2017年12月1日付記事)。

毎月500ドル投資したら33年後には100万ドルに?

所得よりも毎月の貯蓄金額に焦点を当ててみよう。米ファイナンス・レポーター、エミー・バートン氏 は、「毎月833ドル投資口座に貯蓄すれば、誰でも30年でミリオネアになれる」という。

毎月500ドル投資口座に貯蓄すれば33年 、1000ドルなら25年で100万ドル貯まる。一般的に、定年退職を迎える年齢(米国は67歳)までに100万ドル貯蓄しておくことを推奨する専門家が多いが、貯蓄開始年齢が早ければ早いほど、もっと若くに目標金額を達成できる。

例えば25歳で毎月500ドル 投資すると62歳、1000ドルなら53歳でミリオネアになれる。35歳でも毎月1000ドル投資すれば63歳。45歳でも毎月2333ドル投資できれば、63歳で早期退職可能だ。

ただし、ここまでの話はリターン率が年間7%という想定である。リターン率がもっと低い場合、例えば4%で毎月500ドル投資するとミリオネアになるには51年かかる。6%なら40年、10%なら29年だ(CNBC2017 年9月22日付記事 )。