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2018/08/27

紙幣は本当は「お金」ではない

(写真=Anothai Thiansawang/Shutterstock.com)
(写真=Anothai Thiansawang/Shutterstock.com)

(本記事は、ミアン・サミ氏の著書『毎月5000円で自動的にお金が増える方法』かんき出版、2018年7月23日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
 
【『毎月5000円で自動的にお金が増える方法』シリーズ】
(1)お金持ちになれない「プアマインド」の中身とは?
(2)紙幣は本当は「お金」ではない

※以下、書籍より抜粋

紙幣は「お金」じゃない

IMF(国際通貨基金)のウェブサイトを見ると、「お金とは?」という定義が明記されています。

それによれば、「お金」として認められるためには、次の3つの条件を満たしていなければなりません。

1)価値を温存する(Store of Value)

私たちの価値(問題解決の対価)を何らかの形で保管する(注ぎ込む)器のようなもの(つまり価値そのものではありません)。

2)交換手段でなくてはならない(Medium of Exchange)

1万円は、「1万円分の価値があるモノと交換」できて、はじめてお金と認められます。

交換してくれないところがあれば、それはお金とは呼べません。

3)すべて同じ価値を持つ(Fungible)

私が持っている1万円と、あなたが持っている1万円は、同じ1万円分の価値があるということです。

額面が一緒なのに、価値が異なるものはお金ではありません。

この3つの条件を備えていないと「お金」とは呼べません。

ところが、この定義で考えると、あなたが持っている「紙幣」という器は、正しくは「お金」とは呼べないのです。

実は、紙幣という器は、1)の「価値の温存」がされていない。つまりは、紙幣という器から、価値が保管されずに、漏れ出してしまっているからなのです。

価値は日々減少し、いずれ器に入っていた価値がまったくゼロになって、なくなってしまうものは「お金」とは呼べませんよね。

純粋な意味での「お金」ではなく、「価値が下がっていく紙切れ」があなたの財布や銀行口座の中にある「紙幣」の正体です。

ところが、多くの人がこの紙切れを、一生懸命に働いて必死で集めたがり、そして、手放したがりません。

「価値が下がっていく紙切れ」と聞いて「?」と思った方に、そのメカニズムを説明しましょう。

「お金の歴史」は同じことの繰り返し

お金の正体を理解するためには、その成り立ちを知ることが必要です。

実は、お金の歴史は、その誕生以来、同じことを繰り返しています。

そして、歴史上に存在した何千種類という紙幣は、直近のものを除いて、すべて崩壊しています。

つまり、どんな紙幣も、最後は必ず価値がゼロになって消え去ると思って間違いありません。

どうして、そんなことになるのでしょう?

お金の歴史について、簡単におさらいをしてみましょう。

人類の最初の「取引」の方法は物々交換でした。

次に、「石のお金」や「貝殻のお金」が登場します。

しかし、これは「おつりはどうするの?」とか、「この石とあの石は同じ価値なの?」など、多くの欠点があり、まだ、「お金」と呼べる代物ではありませんでした。

エジプト時代に、ようやく金が登場しますが、これも、品質がまちまちで価値が安定せず、お金の条件を満たすまでには至りませんでした。

初めて金から作った金貨が広まったのは紀元前600 年ごろの古代ギリシアだと言われています。事実上、これが貨幣の始まりです。

金貨ができたことで、古代ギリシアの都市国家(ポリス)だったアテネでは一気に商業が盛んになって栄えます。栄えると、今度は欲が出て、隣国と戦争を始めるんですね。

すると、武器を作ったり、兵士に給料を払ったりするために、お金がどんどん必要になります。

近代国家なら、中央銀行がお札を刷ればいいのですが、金貨ではそうはいきません。

それで、何をしたかというと、金貨のなかに銅を混ぜ込んだのです。

はっきり言えば、ニセモノの金貨を作ったのです。

すると、「アテネ政府が作る金貨は信用できない」となって、人々は純度が高い金貨を貯蓄し、ニセモノの金貨だけを使うようになりました。

こうして悪貨が流通しますが、国の信用が失われた瞬間、その国の信用で成り立っていた悪貨も暴落するというわけです。

これらを総称して「グレシャムの法則」といいます。

世界中の通貨が繁栄と衰退を繰り返すのは、まさにこの流れなのです。

アテネなどの古代国家における金貨と同じことが、近代国家の紙幣にも起こっています。

無駄遣いをした結果、お金が必要だからといって、政府が紙幣を作れば、市場の紙幣の価値は下がります。

そうして、その紙幣は政府の信用が揺らいだ瞬間に滅びるのです。
ここで再び質問します。

政府がいつでも簡単に作れて、長い目で見ると価値が下がっていく可能性が高い紙幣は、IMF が定義する「お金」の第1条件である「価値を温存する」という条件を満たしていると思いますか?

近代における紙幣の歴史を振り返れば、真実がすぐにわかります。

1913年までは金と等価交換できた紙幣は、第一次世界大戦後、価値が下がって等価交換できなくなりました。

そして、1944年にはUS ドル以外の紙幣の価値が無くなりました。

唯一価値があったUS ドルが基軸通貨になり、US ドルとなら金を交換してもよいという取り決めになったのです。

その後、アメリカはベトナム戦争などで無駄遣いをして紙幣を刷りまくります。

アメリカに対する信頼が揺らぎ、他国は持っているドルを金と引き換え始めます。

その結果、金が減ってしまい、金とUS ドルの換金ができなくなったのです。

この流れ、アテネと同じパターンで紙幣が衰退していることがわかるでしょう。

ちなみに、英語では紙幣のことは「フィアット」と呼び、「お金」と明確に区別しています。

私は、この「現代における紙幣の衰退」による信頼感の低下、紙幣に対する不安の現われが昨今の「仮想通貨」の台頭の理由の1つなのだと考えています。

リーマンショック後の2009 年1月に、最初の仮想通貨とも呼ばれる「ビットコイン」が登場しました。

リーマンショックでアメリカが「お金を刷りまくるぞー」となって、日本にもその余波が来たとき、「このお金の現状はまずいのではないか?」という思いが広がって、ビットコインという、「みんながフェアだと思えるシステムを作ろう」という思いが加速したのですね。

そして現在は、ブロックチェーンやハッシュグラフといった技術を活用して、よりフェアな社会を作ろう、という動きが出てきています。
(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

ミアン・サミ(みあん・さみ)
1980年生まれ。デューク大学在学中より株、FXなどに投資し資産運用を始める。大学卒業後、日興シティグループ証券(現シティグループ証券)入社。その後、イギリス系のヘッジファンドに移籍。2009年、太陽光パネルメーカーを興すが大失敗。翌年、再起のためドイツ証券入社。その傍ら個人投資に力を入れ、目標資産10億円に到達。2016年に退職後は畑違いの飲食フランチャイズ事業に挑戦し、経営者として成功。

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