富裕層は、子どもに対して与えるものとして、特に教育に重点を置いている。子どもに対する良質な教育こそが最大の財産と考えているからだ。その中でも、最近は幼児期での音楽教育が注目を浴びている。今、幼児教育の現場で何が起きているのだろうか。

子どもの趣味は親の影響を大きく受ける

子どもは、親の趣味を大きく受けるものだ。実際、親がやっていたからと言って、子どもが同じスポーツを始める例は枚挙に暇がない。趣味はもちろん遺伝するものではないので、生活環境が主な要因であるといえる。

現在、子どもの趣味の格差が広がっていると言われている。世帯年収が高い家庭の子どもほど「役に立つ」趣味が多い一方、世帯年収が低い家庭はテレビなど、いわゆる時間を浪費させる趣味を持つことが多いそうだ。実際、社会生活基本調査によると、正社員は趣味の中でも、教養・娯楽にかける時間が、非正規社員の1.75倍となっている。一方で、テレビにかける時間は1.3倍近く、非正規社員が正規社員を上回っている。親でこのような差が出ているということは、子どもにはさらに大きな差が出ているといってよいだろう。

幼児期の音楽教育は、脳にいい影響を与える?

そのようななか、昨今は富裕層を中心に「音楽教育」が盛んに行われている。富裕層は幼少のころから楽器に親しんでおり、子どもの教育に音楽を与えることをためらわない。しかも最近の研究では、幼児期の音楽教育は、音楽の面だけではなく他の様々な分野においても、脳にいい影響を与えると言われているのだ。

たとえば2002年の研究では、言語と音楽に強い関連があること発表された。単語の音を分析するテストと、音楽のリズムを分析するテストを行った結果、それぞれの結果には相関があり、単語の音を分析するのが得意な子はリズムやメロディーも分析する力がある、という結果がでている。

また、ほかにも音楽は記憶力や社会性に対していい影響を与えていると言われている。こちらは2006年の研究だが、親子参加型の音楽プログラムに参加した子どもと参加しなかった子どもで記憶力を比べた結果、プログラムに参加した子どもの方が高い記憶力を持つようになった、という研究成果も出ているのだ。

富裕層の間ではどういう音楽教育が行われているのか

富裕層の間では、どういった音楽教育が行われているのだろうか。一般的な家庭も富裕層も変わらず、芸術面では「楽器の演奏」がトップを占めるようだ。そのあと「音楽教室」や「リトミック」などが続いている。

一般家庭と富裕層で違うのは「講師の質」だ。富裕層の場合、小さいころから本物を触れさせることに拘る家庭も多い。たとえばピアノひとつとっても、プロ仕様のグランドピアノに触れさせながらプロ講師をつけて指導する、ということも多いようだ。また、楽器の種類もバイオリンやハープなど、高価な楽器であっても子どもが興味を持てば惜しみなく与えるというのも大きな特徴だろう。

本物に触れさせるのが富裕層の流儀

富裕層が幼児教育として音楽を習わせる理由としては、富裕層自身が音楽をやっていた経験が多く、彼らが音楽に触れさせることに抵抗がないことに加え、音楽が脳にいい影響を与えると言われているからだ。実際に、言語面や記憶面で音楽がプラスになっているという研究が複数ある。

富裕層の音楽教育は、本物を触れさせることにある。楽器をやるにしても、プロ講師をつけるなど一流を知ることを重視するようだ。子どもの能力を伸ばすためには、投資を惜しまないのが富裕層の教育スタイルだと言えるだろう。

文・ZUU online 編集部/ZUU online

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