医療保険といえば、かつては「持病や既往症がある人は加入できない」というものだった。しかし現在では、どの保険会社でも持病があっても加入できる医療保険を取り扱うようになり、選択の幅が広がっている。

持病のある人でも入れる医療保険を取り上げ、健康な人向けの医療保険との引受基準の違いや保険料などを比較検証し、商品選択の際に考慮すべき点についても解説する。

高齢化・医療費増加時代のニーズで登場した新型医療保険

高齢化社会の進行にともなってさまざまな病気に見舞われるリスクも増加し、持病を抱えて老齢期を過ごす人も少なくない。持病があるからこそ、医療保険で持病の悪化・再発によるさらなる医療費負担を軽減したい、または治療が長期化・高額化するがんにも備えたいと考える人が出てくるのは当然のことだろう。

こんな時代だからこそ、本当に保険を必要とする人が給付を受けられる“持病があっても入れる医療保険”に注目が集まっているのだ。

 “持病があっても入れる医療保険”の特徴

持病があっても加入できる医療保険の最大の特徴は、一般の医療保険と告知項目の数や基準が異なる、あるいは告知義務が異なる点だ。もう一つの特徴としては、引受基準が緩和されている分、一般の医療保険より保険料が割増しになっている点が挙げられる。

次の項目では、持病があっても入れる医療保険と一般の医療保険を申し込む際の“告知”の違いについて確認しておきたい。

 “持病があっても入れる医療保険”の中でも、告知方法に違いがある

“持病があっても入れる医療保険”には、大きく分けて2つのタイプがある。一般の医療保険より引受基準が緩和されている「限定告知型医療保険」または「引受基準緩和型保険」と呼ばれる医療保険と、告知そのものが不要な「無選択型医療保険」の2種類である。現在では、医療保険を取り扱っているどの保険会社でも、“持病があっても入れる医療保険”として、いずれかのタイプの医療保険が販売されている。

  • 「限定告知型医療保険」……告知項目が限定されている
  • 「引受基準緩和型保険」……告知項目の基準が緩和されている 「限定告知型医療保険」または「引受基準緩和型医療保険」は、健康な人向けの医療保険と告知項目において違いがある。告知項目は保険会社や保険の種類によっても違うため、ここでは楽天生命の代表的な医療保険の基本プランを例に挙げて、告知項目の内容を比較してみたい。