フェラーリ、ランボルギーニといったスーパーカーを富裕層が所有する率は高い。「なぜそんな車をわざわざ買うのか」と一般人には疑問を持つところかもしれないが、富裕層ならではの理由がある。

理由1:スーパーカー保有はステイタスの証明書

スーパーカーは希少性が高く、お金があるからといって買えるとは限らない。新規購入の場合、買いたい車を即金5000万円で買えるだけの資力があっても、車種によってはディーラー側の購入者審査を通らないと買えないのだ。審査項目は「長年そのブランドを愛用しているか」「飾り物としてではなく、実用していたかどうか」といった内容で、「投機目的」「富の象徴として」の購入ではないかをチェックするブランドもあるようだ。

このようなハードルを乗り超えないと狙いのスーパーカーを買えないという事実は、見方を変えれば「ステイタスがあるからこそ買えるし、乗れる」ということでもある。つまり、オーナーが信用するに足りる人間であることをスーパーカーが証明してくれているのだ。スーパーカーを保有していることで取引先が信用力を認めることになり、結果的にビジネスがうまくいく可能性が高くなる。中古で買う場合は、新車で買う時の購入者審査がないこともあり、運よく出会えたら車だけでなく社会的信用力をも手にすることができる。

理由2:希少性が高く、数年乗っても人気モデルは値段が落ちない

スーパーカーは希少性が高いゆえに、何年か乗ってもそれほど価格が落ちない。5年落ちの場合、大衆車ならば査定価格が新品の20~30%程度にまで落ちるのに対し、スーパーカーだと50%~90%程度の評価額や車種によっては値上がりする可能性もある。市場に出回る数がもともと少ないこともさることながら、メンテナンスさえ気をつければ50年後でも性能維持できるという車そのものの耐久性の高さと、ファンとの関係を強固にしていくためのメーカー側の工夫が影響している。

また、スーパーカーは「走る不動産」としての側面もある。1987年にフェラーリが創業40周年を記念して製作したF40は新車価格で5000万円程度だった。一時、3000万円前後にまで下落したものの、昨年は1億円超の価格がついている。モノによっては「お金を失う」のではなく「お金をくれる」ものもあるのだ。