不動産投資の観点から、世界の83都市の成長過程、課題、命題、機会を比較した「国際都市競争力インデックス」が発表された。東京がトップ7都市「ビッグ7」のひとつに選ばれた。総合順位は5位。大阪、名古屋、京都も都市としての競争力が評価されている。

世界の商業用不動産への投資額の4分の1が、「ビッグ7」に選ばれたロンドン、ニューヨーク、パリ、シンガポール、東京、香港、ソウルに集中している。8~17位は「挑戦者」にカテゴリー分けされており、ロサンゼルス、上海、北京、アムステルダムなどが「ビッグ7」を追い上げている。

調査は米不動産情報大手のジョーンズ・ラング・ラサールが行った。

不動産投資に魅力的な17都市

17位 ワシントン(米国)
16位 シドニー(オーストラリア)
15位 マドリード(スペイン)
14位 トロント(カナダ)
13位 サンフランシスコ(米国)
12位 シカゴ(米国)
11位 アムステルダム(オランダ)

10位 北京(中国)
9位 上海(中国)
8位 ロサンゼルス(米国)
7位 ソウル(韓国)
6位 香港(中国)
5位 東京(日本)
4位 シンガポール(シンガポール)
3位 パリ(フランス)
2位 ニューヨーク(米国)
1位 ロンドン(英国)

確立された世界都市—ロンドン、ニューヨーク、東京、ソウル、上海など

このレポートでは対象となった83都市を、確立された世界都市(ビッグ7、挑戦者)、新たな世界都市(イノベーター、ライフスタイルシティー、インフルエンサー)、新興世界都市(メガハブ、エンタープライザー、パワーハウス)、ハイブリッドおよび成長エンジン(ハイブリッド、国内成長エンジン)の4つのカテゴリーと10種類の都市グループに分類している。

市場規模、国際性、質、影響力を兼ね備えた上位7都市「ビッグ7」は、不動産の流動性が高く、投資家や多国籍企業、国内外の優秀な人材の関心を惹きつけており、ロンドンとニューヨークだけで、世界の不動産投資の13%を占めている。

東京は2020年のオリンピック開催地として、パリはBrexit後のロンドンに代わる欧州都市として、国内外からの投資の誘致に力を入れている。香港、シンガポールは東京に続くアジアの人気投資都市として勢いづいているものの、上海や北京、ソウルといった他のアジア圏競合がそれを追い上げる。ソウルはデジタル産業の後押しにより、今回初の「ビッグ7」入りを果たした。

「ビッグ7」を追い上げるロサンゼルス、上海

同じく「挑戦者」となる8位から17位の10都市は近年、不動産投資が急加速した都市で、国内外の経済へのゲートウェイとしての接続性、効果的な都市および市場規模、世界資本からの信頼度、豊富な人材、多様な産業など、トップの都市に欠かせない都市としての資産を拡大している。

2017年、第2の投資都市となったロサンゼルスが限りなく「ビッグ7」の位置づけに近づいているほか、上海への投資は2006年の10倍に成長するなど、「挑戦者」中最大の伸びを記録している。