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2018/07/08

価格高騰なのに「のり弁」がやすくなるカラクリとは?

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
ここ何年か、野菜を中心とした食材の価格が高騰したり、人件費が上昇したりと、値上げに踏み切る企業が増えている食品産業。そんな中、持ち帰り弁当のチェーン店「ほっともっと」は、2018年5月1日から人気の「のり弁当」の価格を50円値引きし、300円(税込)にしました。長らくデフレ脱却を目指してきた業界で、この値下げは流れに逆行しているように見えますが、実際はどうなのでしょうか?

「のり弁」が安くなったカラクリは?

「ほっともっと」は、2018年5月1日から看板商品の「のり弁」を値下げしたほか、メンチカツとから揚げが付く「特のりたる弁当」も60円値下げし、390円にしました。

もちろん、ただお弁当を値下げしただけで売る側が得をすることはありませんので、どこかでそのコストを取り戻す必要があるのですが、そのためのカラクリが2つあります。

まず、それまで平日の昼間限定でおこなっていた「週刊ほっともっと」が終了したことです。

週刊ほっともっとは、平日の昼間にお弁当が割引されるサービスで、毎週メニューが1つ50円引きになるのに加え、のり弁当と特のりタル弁当は常に60円引きで販売されていました。つまり、平日の昼間に限っていえば、のり弁当は290円、特のりタル弁当は390円で販売されていたということです。

なので、今回の価格改正では、お弁当を平日の昼間によく利用するサラリーマンやOLの方にとっては、わずかですが値段が上がることになります。

ただし、その値上がりは「のり弁当」の10円だけですので、この値上げで不満を持つ人は少ないでしょう。

一方、平日の昼間以外に利用していた人にとっては、「のり弁当」が350円から300円になるのですから、お得感を感じることができます。

つまり、このサービスの変更では、今までの利用者の満足度をそれほど下げることなく、新たな購買層に価格の値下げをアピールすることで、集客力のアップが期待できることになります。

新たなメニューで利益を目指す

(写真=Sychugina/Shutterstock.com)

もう一つのカラクリが、「のり弁」の値下げで注目をされると、他のメニューを目にする人が増えるという効果です。

例えば、スーパーやディスカウントストアなどの入り口付近に、「激安」と書かれたキャベツやサランラップが並んでいたので、ついつい中をのぞいてしまった経験はないでしょうか?

これは、激安商品では利益を求めずに、それに興味を持って店にきてくれた方が買う他の商品で利益を上げようという狙いがあります。

世の中には毎日「のり弁」でも大丈夫という人もいますが、少々高くても、その時の気分で食べたいもの、また『期間限定』や『新商品』と書いてあるものを買いたくなる人の方も多いと思います。

実際、「ほっともっと」は4月2日から「しょうが焼き弁当(500円)」、5月25日から「ガパオライス(590円)」、さらに7月2日から「カットステーキ重(590円)」と「Wカットステーキ重(890円)」など、高価格・高品質を謳うお弁当を次々と発売すると発表しています。

「のり弁当」で見る食品業界の傾向は?

「食べ物」は人が生活していく中で欠かすことができないので、食品業界自体が急に衰退することはないのですが、それでも今後日本の少子高齢化や人口減少によって、他の業界と同じく食品の販売数は減っていくと予想されています。

その中で、今回の「ほっともっと」の価格改正のように、高価格・高品質な商品や、安心・安全または健康にいいなどの特徴のある食品に目を向けてもらうサービスの提供が増えていくと思われます。

ただし、日本の食品は原料を海外からの輸入に頼っていますので、円安になるのか円高になるのか、また今話し合われているTPPがどうなっていくのかなど、今後も値段に影響しそうな動きはたくさんあります。その意味では、今後の動きが注目される業界といえるでしょう。

興味のある業界にも注目してみよう

(写真=legenda/Shutterstock.com)

今回は「のり弁」の値下げのカラクリと、そこからの食品業界の傾向を通じ、お弁当の値下げ一つにもいろいろな方法や思惑があることをご紹介しました。もちろん、食品業界に限らず、みなさんが興味ある分野でも、同じようにさまざまな背景があります。こういった値段の動きから、その業界の傾向や今後の動向を予測してみると、経済のことがもっと身近に感じられるのではないでしょうか。

文・松岡紀史(ライツワードFP事務所代表・ファイナンシャルプランナー)

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