「余生を快適に暮らせる国・地域ランキング」が発表され、日本は42位に選ばれた。トップ3のニュージーランド、オーストラリア、スイスを含め、上位国は広大な自然と生活の質の高さが高評価につながった。

アジア圏のトップはタイ、フィリピン、マレーシアと東南アジアが人気だが、物価の手頃さが最大の利点になっており、安全性などが含まれる暮らしやすさの評価は極めて低い

ランキングは統計情報サイトUSニュースが、世界の消費者2.1万人を対象に実施したアンケート結果から、45歳以上の高所得層の回答者が老後の生活に優しいと高く評価する国・地域を順位付けしたもの。 評価基準  は、7つの項目(気候・生活費・税制・保険制度・親しみやすさ・財産権・住みたいと思える国か)に焦点を当てている。

余生を快適に暮らせる30カ国・地域

30位 クロアチア
29位 チリ
28位 マレーシア
27位 フィリピン
26位 ブラジル
25位 ドイツ
24位 米国
23位 メキシコ
22位 フランス
21位 英国

20位 タイ
19位 コスタリカ
18位 フィンランド
17位 ドミニカ共和国
16位 オーストリア
15位 ギリシャ
14位 オランダ
13位 ノルウェー
12位 パナマ
11位 デンマーク

10位 イタリア
9位 スウェーデン
8位 アイルランド
7位 ルクセンブルク
6位 カナダ
5位 ポルトガル
4位 スペイン
3位 スイス
2位 オーストラリア
1位 ニュージーランド

幸福度満点のニュージーランド、定年後の移住ビザ取得は難関?

余生を国外で過ごす高齢者が増えている近年、2018年1月の時点で、米国だけでも67.4万件を超える社会保障給付が国外で暮らす米国人に給付されたという(Invesopedia2018年2月6日付記事 )。

退職後の余生をのんびりと過ごす上で、住居購入のしやすさおよび投資商品としての価値、家賃、生活費、移住ビザの取得条件、住みやすさ、娯楽、健康的な生活の過ごしやすさ、開発およびインフラ、気候、政治情勢などが重要な要素となる。

ランキング上位国はこうした条件を満たしていると高く評価されており、特にニュージーランド、オーストラリア、スイスは、高所得層が理想とする年金生活者フレンドリーな環境が整っているようだ。

評価結果を見てみると、ニュージーランドは幸福度で最高スコアの10点を獲得しているほか、信頼性、安全性、政治情勢、環境への配慮、家族に優しい環境が9点台、保険保健制度、経済の安定性、人権、自由度が8点台。 

しかし物価の手頃さは0.6点と極めて評価が低く、所得格差も5.3点など、経済的に裕福な高齢者でない限り、移住してのんびりと余生を過ごすことは難しそうだ。そもそも定年後の移住ビザ取得も資産条件がかなり高めの設定である。例えば英語があまり話せない場合、年間100万ニュージーランドドル(約7791万円)以上の投資資本3年分、合計300万ニュージーランドドル(約2.3億円)が必要となる(New Zealand Immigration.comより )。