頭金にする貯蓄もでき、将来を考えていざ自分の住まいを購入しようと考えたとき、一戸建てにするかマンションにするか悩む。購入価格や維持費、資産価値、立地、プライバシー、セキュリティ…。さまざまな面からマンションと一戸建てを比較する。

土地が含まれる一戸建ての方が購入価格は高い

立地や広さなどの条件が同じ一戸建てとマンションを比べる場合、基本的には一戸建ての方が値段は高くなる。マンションには土地代が含まれていない一方、一戸建ての場合は土地も資産の一部として購入することになるからだ。

一戸建てを購入する場合は大きく分けて2種類のタイプがある。1つ目は設計から携わって購入者の好みを反映させる「注文住宅」、2つ目は既に設計済みもしくは完成済みの「建売分譲」だ。一般的に注文住宅の方が建売分譲よりも販売価格が高くなる。一方、建売分譲で一戸建てを購入する場合もマンションよりは価格が高くなる傾向が強い。

マンションを購入した場合は管理費と修繕積立金を毎月支払い

一戸建てかマンションを購入した場合の維持費を比較してみる。決定的な違いは、マンションを購入した場合は管理費と修繕積立金の支払いが毎月発生する点だ。

管理費は管理人の人件費のほか、エレベーターやエントランスドアなどの維持費、清掃費、ごみ処理費などでの用途で徴収される。修繕積立金はマンションの共用部分に修繕が必要になった場合に備えて積み立てておくお金のことだ。ちなみに管理費と修繕積立金の用途はそれぞれのマンションの管理規約で規定されている。

一戸建ての場合はマンションのように、決められた額の管理費や修繕積立金は徴収されない。もちろん修繕などのための費用は計画的に貯めておかなければならないが、マンションを購入した場合よりは支出のタイミングに融通を利かせやすいという特徴がある。

一戸建ては建物のほかに土地も資産価値に入る

資産価値を考える上で前提となるのが、マンションは「建物の価値」のみが資産価値になり、一戸建ての場合は「建物の価値」と「土地の価値」を合計したものが資産価値になるという点だ。

一般的には、建物よりも土地の価値の方が時間が経っても価値が下がりにくい。そのためマンションよりも一戸建ての場合の方が、時間が経過したあとの資産価値は比較的高めにとどまっている。一方で一戸建ての場合もマンションの場合も、建物の価値は管理状況次第で査定価格が大きく変わる。維持・管理が疎かになっている場合、一戸建てでもマンションでも30~40年経つころには建物の査定価値が0円になることもある。

土地の価格はその地区の人気度が変化するかによって資産価値は大きく変動する。駅から近かったり、商業地区が近かったりする場合は、将来的にも土地の資産価値は落ちにくい。土地付き一戸建てを購入する際は、その街の発展計画なども確認しておきたい。