日本に住民票がある人なら誰でも申請すれば「マイナンバーカード」を入手できる。このカードがあれば、コンビニで住民票が受け取れるなど、公的書類の取得が簡単になる。申請方法はいくつかあるが、転居後は転居前の申請書やQRコードが使えない場合もあるので注意が必要だ。

マイナンバーのメリット

マイナンバーは日本に住民票があるすべての人に与えられた12桁の番号だ。一人ひとりがこの番号で識別される。行政の窓口は、社会保険や税、市区町村などさまざまに分かれているが、これらの窓口間でマイナンバーが共有されていれば、個人についての情報を窓口の方で照会できる。このため、個人があちこちの窓口で必要書類を準備するなどの手間が省ける。

顔写真とICチップの付いた「マイナンバーカード」があると、さらに公的手続が便利になる。例えば、このカードで、住民票や印鑑登録証明書などをコンビニで取得することができる。

政府は「マイナポータル」というオンラインサービスを推し進めている。マイナポータルでは、子育て関係の情報収集や登録がワンストップで行える。そのほか、その人個人に必要なお知らせが自動的に配信される

将来的には年金などの支払い状況の確認、引越し時の各種手続きもオンラインでできるように活用場面が広がる予定だが、このサイトにログインするためにマイナンバーカードが必要となる。

また、マイナンバーカードは、基本4情報(氏名、住所、生年月日及び性別)が記載された顔写真付きの公的な証明書なので、自動車免許証やパスポートなどのように身分証明書として使える。これらを持っていない人や、車に乗らないのに身分証明書として運転免許証を保有し続けている人にとっては便利だろう。

「通知カード」と「マイナンバーカード(個人番号カード)」の違い

2015年秋、日本に住民票がある全ての人にマイナンバーを通知するための「通知カード」が配布された。簡易書留で届けられたので必ず手元にあるはずだ。

しかし、この通知カードは「マイナンバーカード」ではない。マイナンバーを知るだけなら、通知カードのマイナンバーを見れば事は足りる。ただし、この紙製の通知カード自体でオンラインのサービスが受けられるわけではない。

コンビニで住民票等を受け取ったり、自分のパソコンやスマートフォンでオンラインサービスを受けたりするには、通知カード以外に顔写真とICチップのついた「マイナンバーカード」を申請する必要がある。

総務省の調査によると、マイナンバーカードの交付状況は10%程度だという。つまり、約9割が通知カードだけを保有している状況だ。その通知カードの下にマイナンバーカードの「申請書」がついているが、ほとんど利用されていないことになる。