不動産業者は顧客に嫌われている?それとも好かれている?どんなトラブルに顧客は遭遇している?こんな疑問に答えるべく実施されたアンケートの調査結果が注目を集めている。

調査は公益社団法人「全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)」と公益社団法人「全国宅地建物取引業保証協会(全宅保証)」が、9月23日の「不動産の日」に合わせて実施したもので、日本全国の20歳以上の男女を対象にした。2018年1月に結果が公表され、有効回答数は1万4331件だった。

不動産店のイメージや実際のトラブル事例などについて、このアンケート調査のほか、トラブルの引き金にもなる「おとり広告」に関する調査結果などを基に、実際の利用者の声を取り上げながら説明していきたい。

10人中3~4人は「わるい」「ややわるい」

このアンケート調査ではまず、不動産店に持っているイメージについて質問している。その結果、全体では「よい」と「ややよい」が合わせて65.0%に上るものの、トラブルなどに巻き込まれて「ややわるい」と「わるい」と答えた人が35.0%に上った。良いイメージを持っている人が悪いイメージを持っている人を上回っているものの、10人中3~4人はあまり好意的な印象を持っていないようだ。

男性と女性で比較していると、男性の場合は「よい」「ややよい」が計61.2%で「わるい」「ややわるい」が計38.8%、女性の場合は「よい」「ややよい」が計68.3%で「わるい」「ややわるい」が計31.7%で、男性より女性の方が不動産店に対して良い印象を抱いていることが分かる。

年代別で見ると、不動産店に抱くイメージに明確な差が出てくる。例えば20代では、「よい」「ややよい」の合計は74.2%で全体平均より10ポイント近く高い。一方で40代は計61.8%、50代は60.4%、60代以上は62.2%となっており、年齢が上の世代は若い層よりも不動産店に良いイメージを持っている人は平均的に少なくなっている。

地域差もある。例えば、東京都や千葉県などを含む関東では、不動産店に対するイメージが最も良くない。「わるい」「ややわるい」の合計は37.8%で、最も否定的な回答が少なかった沖縄の計29.2%とは8.6ポイントの差がつき、東北の計30.0%とも7.8ポイントの差がついている。

丁寧さや知識量がもたらす良いイメージ

実際にイメージが良い側と悪い側のそれぞれの回答者の声を見ていこう。まず「よい」「ややよい」と答えた人の中では「対応がよい/丁寧」「専門知識が豊富」「アフターケアがしっかりしている」などが多かった。

調査結果の中で紹介している声としては、20代では「周辺地域の説明を丁寧にしてくれた」「身内のように相談に乗ってくれた」「女1人で赴いても親切にしてくれた」などの回答が目立った。20代では特に、社会人になって初めて1人暮らしをする人や慣れない土地で社会人生活をスタートする人も多く含まれ、そういった層の不安を払拭するような対応に好印象が残るようだ。

30代ではアフターサービスなどについての声も多かった。「問題があったときのフォローやアフターサービスがあることが大前提」「怖いイメージがあったが、明るい営業さんで気持ちの良い契約ができた」「何件か不動産屋さんをまわりましたが、嫌な思いなどしなかった」などが挙げられた。