柔軟性を高める「ストレッチ」。スタイルの維持やダイエットにも良い影響があるの?トレーニング効果が高まるって本当?そんな疑問を解決すべく、今回は、17万部を突破した『世界一伸びるストレッチ』の著書である、中野ジェームズ修一さんに、ストレッチのあれこれについて伺いました!
1、ストレッチで痩せるって本当?
よく聞かれることなのですが、柔軟性とスタイルの良さは、直接的には関係ないです。
残念ながら、ストレッチをしたら脚が長くなる、細くなるということはありません。ここを誤解している女性は多いですよね。
でも、柔軟性が向上すると疲れづらくなるし、多くの運動が安全に長時間できるようになります。その結果、消費カロリーが増えやすくなります。この一連の流れで考えれば、結果的に「ストレッチでキレイになった」という見解ができると思います。
また、ストレッチで柔軟性を高めることは姿勢の改善に繋がります。それでスタイルが良くなったように見えることはあるでしょう。
気付いていない方が多いですが、姿勢の悪さには柔軟性が関係している場合もあります。二本足で立っている人間は、体の前面と背面の筋肉のバランスをとることで真っすぐな姿勢を保っています。
しかし、何もしないと前面の筋肉、例えば大胸筋(胸の筋肉)は硬くなり、前に引っ張る力が強くなります。一方で、背面の背中の筋肉は年齢と共に弱くなっていき背中が丸まってきます。これが猫背になっていく仕組みですね。
身体が硬い方は、姿勢が悪くなっていないかご自身でも確認してみると良いでしょう。
ストレッチとダイエットの関係性
- ストレッチで“直接的に”スタイルが良くなることはない
- 疲れにくくなるので、消費カロリーが増えて痩せやすくなるかも!?
- 柔軟性が上がると姿勢が良くなり、スタイルアップ!(猫背が改善される)
2、ストレッチで筋トレ効果は高まる?
実は「ストレッチしたから筋肉が付きやすい」ということは、証明されていないです。
でも、『フルレンジモーション』といって、動かす部分を最大限に伸ばしたほうが、トレーニング効果が得られることは立証されています。また柔軟性が高いと疲れづらくなります。
なので、さまざまなジャンルのアスリートを指導していますが、運動の前後には必ずストレッチをしています。
運動だけ頑張ってストレッチをしないと、筋肉が収縮したままになってしまうから。
車で言えば、エンジンオフにしなくてはならないのに、ずっとアイドリング状態が続くイメージですね。運動後のストレッチを怠ると、身体が硬くなってしまったり、肉離れなどの怪我をしやすくなったりしてしまいます。
(※アイドリング;再び走行するために、最低限のエンジン稼働を維持し続けている状態。)
よって、やはりトレーニング(運動)とストレッチはセットで取り入れて欲しいのです。トレーニングをしているけれどストレッチはしていないという方は、損をしているかもしれません。
ストレッチと筋トレの関係性
- 運動(筋トレ)とストレッチは必ずセットで取り入れるべし!
- 運動(筋トレ)後にストレッチをしないと柔軟性が低下し、怪我にも繋がる
- ストレッチで筋肉がつきやすくなるわけではないが、筋トレの効果は得やすくなる
3、運動前のストレッチって何をすればいい?
ストレッチには「静的ストレッチ」と「動的ストレッチ」がありますが、運動効果を高めるためには、この2つはしっかりと使い分けることが大切です。
- 静的ストレッチ・・・開脚や長座体前屈のようにゆっくりと関節を伸ばすストレッチ
動的ストレッチ・・・腕や脚、肩、股関節など身体全体を動かしながら関節を伸ばすストレッチ ストレッチというと、静的ストレッチをイメージする方が多く、運動前にも静的ストレッチをする方が多く見受けられます。しかし、運動前にゆっくり関節を伸ばすのは逆効果になることも。
準備運動時は動的ストレッチ、運動後は静的ストレッチをとりいれるのが良いですね。
日常生活で言うと、朝起きたら動的ストレッチをして、一日が終わった仕事後などには静的ストレッチをして筋肉をゆるめてあげると効果的ですよ。
ちなみにストレッチをすると、やりやすいポーズとやりにくいポーズがでてくると思います。やりにくいなと感じるのは、その部分の筋肉が収縮してしまっている証拠。
なので、そのストレッチが、どこの筋肉を使っているかを考えてみましょう。その上で、その筋肉をほぐすための正しいストレッチを身に付けることが大切です。
あと、間違ったストレッチをいくらしても、柔軟性は高まっていきません。正しいストレッチはやはり専門家に聞くのが一番です。
運動前後のストレッチについて
運動前の静的ストレッチは、逆効果になることもあるので注意!
- 運動前は動的ストレッチ、運動後は静的ストレッチをする
- 【日常編】朝起きたら動的ストレッチ、一日の終わりに静的ストレッチをする
- 間違ったストレッチでは柔軟性は高まらない(専門家に教わるべし!)