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2018/05/18

「応援したい会社に投資」は高リスク?なぜ個別株は「資産形成」に向かないのか

(写真=Vladimir Gjorgiev/Shutterstock.com)
(写真=Vladimir Gjorgiev/Shutterstock.com)
この記事は中野晴啓氏の著書『はじめての人が投資信託で成功するたった1つの方法』の内容を抜粋したものになります。

前回の記事はこちら
本当に「投資」は危険なものなのか?
マメじゃない人、男性より女性ーー投資に向いている人の特徴
つみたてNISAは「お金がない」「投資がわからない」人向きだった

※以下、書籍より抜粋

個別株への投資で資産をつくれる人は、ほんのひと握り

もしかしたらみなさんの中には、投資信託をきっかけに投資の面白さを知り、「もっといろいろな方法を試してみたい」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。

もちろんそれは素晴らしいことであり、リスクを分散させるために、ほかの商品を運用されるのも良いと思います。

ただ、世の中には、手を出すには危険すぎる投資方法や商品もたくさんあります。

そんな「やってはいけない」「あまりおすすめできない」投資について、お話ししたいと思います。

さて、「投資」と聞いて、まずみなさんがイメージされるのは、おそらく株式投資(個別株への投資)ではないかと思います。

しかし個人が株式投資で資産を形成するのは、非常に難しいといえるでしょう。

中でも、株の売買を一日に何度も繰り返し、細かく利益を積み重ねるデイトレードなどは、まさにギャンブル、投機です。

一日中パソコンの前にはりついて株価をチェックしていなければならず、利益を上げた次の瞬間に、大きな損をする可能性もあります。

手間がかかるうえ、安定した利益など決して得られません。

一方、企業にとっても、そのような、次の瞬間にどうなるかもわからない流動的な資金をもとに設備投資などを行うことはできません。

つまりデイトレードで動くお金は、「経済の発展」という点からすると、あまり役に立っていないのです。

また、デイトレードとは違い、ある程度の期間、株を保有するつもりであったとしても、個人投資家の行う株式投資は、どうしてもギャンブル性が高くなりがちです。

まず、株式投資には、まとまった資金が必要です。

個別株の中には、1 株10円台のものもありますが、人気のある銘柄、将来性が高い銘柄などはたいてい1株数千円から数万円であり、100株単位で買えるものもあれば、1000株単位でないと買えないものもあります。

仮に1株1000円程度の株を100株買ったとしても、投資金額は10万円、1000株単位でなければ買えない株なら、1銘柄だけで100万円必要です。

よほど資金に余裕がなければ、分散投資などできません。

一方、日本全国の上場企業数は、約3600社にのぼります。

仮にその中から10社を選んで投資したとしても、全体の0.3%弱にすぎません。

情報を集め、企業分析を行い、この中から「値上がりする可能性がある」会社を選ぶこと自体、よほど投資に興味があり、時間が割ける人でない限り難しいと思いますが、利益を出すためには、売買のタイミングを的確に判断する必要もあります。

しかも、プロの投資家に比べて、個人投資家が集められる情報には限りがあり、情報を集めるにしても判断を下すにしてもきわめて不利です。

なお、「応援したい会社、好きな会社の株を選んで、長期保有する。それが本当の投資である」といったフレーズを耳にすることも、よくあります。

たしかにそれも一つの考え方ではありますが、「資産形成」という観点からすると、きわめてリスクの高い行動です。

しっかりと分析を行い、将来性のある企業に投資をするならよいのですが、あまり成長の見込みのない企業の株を買い、長期保有しても、資産形成にはつながりません。

しかも「応援したい会社、好きな会社である」という理由で投資対象を選ぶ場合、
どうしても、その人が理解しやすい業種に偏ってしまうというデメリットもあります。

私は、個人が資産形成を前提にして個別株に投資する場合、最低でも20銘柄程度に分散させる必要があると思っています。

それも、業種、企業規模、業績動向、内需企業か外需企業か、景気サイクルへの影響度はどの程度か、といったさまざまな要素を考慮して分散させ、かつ、それぞれが異なる値動きをするように、組み合わせを考えなければなりません。

さらに、失敗するリスクを避けようと思ったら、本来は日本企業だけでは不十分であり、海外のさまざまな地域の企業にも投資をする必要があります。

そうなるともはや、個人投資家にできる範囲を超えています。

「投資した企業の価値が上がることにより、リターンが得られる」という点では、株式投資も立派な「投資」ですが、個人が合理的で安定的な資産形成を行う手段としては、あまり適切ではないのです。

*POINT
長期保有するつもりであっても、個別株への投資は投機性が高く、 個人の資産づくりには向いていない。
(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

中野 晴啓(なかの・はるひろ)
1987年クレディセゾン入社。セゾングループの金融子会社にて資産運用業務に従事後、投資顧問事業を立ち上げグループ資金運用のほか、海外契約資産などの運用アドバイスを手がける。2006年セゾン投信株式会社を設立。現在では2本の長期投資型ファンドを運用、販売し、預かり資産は2000億円を超える。2014年には、日本の投資日本郵便と資本・業務提携。書籍執筆のほか、全国各地で講演やセミナーも行っている。

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