老後の資金不足問題が話題となっている中、「自分の資産は自分で作る」という概念が広まりつつある。資産を作るために、投資を手段として考えている人もいるかもしれない。投資を始める前に知っておきたい、投資商品を選ぶときの基本的な考え方とはどういったものなのだろうか。

ステップ1:現在の資産状況を把握

投資初心者の方は、まず自分自身の資産状況を把握するようにしよう。そうすることで、「いつまでに」「どれだけ資産を増やしたい」という投資の目的が明確化できる。

投資の目的は、人それぞれだが、大きく「短期的な目的」と「中長期的な目的」に分けることができる。「短期的な目的」は結婚費用やマイホーム購入といった、比較的直近のライフイベントに備えるもの。「中長期的な目的」は子どもの教育費や老後の準備など、将来、必要になるものだ。

その目的を達成するために、今後どれほどの資金が必要になるかを、自分自身の現在の資産状況と比較して把握する。同時に投資にあてられる資金がどれくらいあるかも確認しておこう。

投資目的を設定したら、その達成に向けて、どのような投資商品を選ぶかを考える。短期間にそれなりのリターンを期待するならば、収益性の高い商品(FXや外貨預金、海外株式を中心とした投資信託など)が挙げられる。ただし、利回りの大きい商品は、価値下落リスクも大きくなるものが多いので注意したい。

中長期的に堅実に資産を増やしていきたい場合は、バランス型の投資信託や高金利の外貨預金、不動産投資などだろう。これらは、ある程度のリターンが期待でき、大崩れするリスクは比較的少ないというものだ。投資は「目的」と「現状」を踏まえた上で、無理のない手段を選択したい。

ステップ2:情報収集を怠らない

どんな種類の投資を選ぶにせよ、投資とは「情報戦」であることを肝に銘じておこう。例えば、株式投資なら個々の銘柄の値動きに関する情報はもちろん、為替や経済指標など、市場全体に影響を与える情報も重要だ。

多様なメディアから多角的に情報を収集した上で、投資銘柄や投資額を決めることになる。FXや外貨預金なら、為替の動きが最重要だが、為替は国内外の経済、政治事情、社会情勢の変化が影響する。そのため、世界各地で起こっているニュースなど幅広い情報収集が欠かせない。

特に投資初心者は、その投資でどのように収益が生まれるかという「仕組み」について、正しい知識を身につけておくように努力しよう。これによって投資商品の選び方は、より堅実になる。

例えば、不動産投資には「利回り」という指標がある。簡単に言えば「投資額の何%利益を得られるか」という数値だが、単純に「利回りが高い=良い投資」というものではない。

また、利回りにも「表面利回り」と「実質利回り」があり、それぞれ計算方法が違う。これを知っているだけでも、投資商品の選び方は変わるはずだ。

ステップ3:良いパートナーを見つけることが肝要

上述した「情報戦」に関連するが、投資初心者にとって、世間にあふれる情報を収集し、自ら分析して適切な投資商品を選ぶことは非常に難しい。「餅は餅屋」で、投資で失敗しないためには、成功と失敗を経験してきたプロフェッショナルの力を借りるのが賢明だ。

金融機関や不動産会社の担当者でも良いし、投資セミナーで知り合った先輩投資家でも良いだろう。自分から進んで謙虚に学ぶ姿勢をち、より多くの専門家や先輩投資家と接点を持てば、良い投資のヒントが手に入るはずだ。そうした交流を重ねる中で、信頼できるパートナーを見つけられるだろう。

今回は投資初心者にとって大切な、投資商品選びにおける基本的な考え方を説明してきた。どれも当たり前のことのように思われるかもしれないが、無謀な投資をしたり、誤った情報や独学の知識をもとに投資商品を選んだりして、失敗している人は少なくない。常に上記のことを意識しながら、投資を行うのが賢明だろう。
 
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文・ZUU online編集部/ZUU online