「つみたてNISAを始めたい!でも、どの金融機関で口座を開き、どの銘柄に投資すればいいのか分からない」という方も少なくありません。この記事では、つみたてNISAを始める際に証券会社を選ぶためのポイントや、投資できる商品や銘柄の選び方について解説します。具体的なおすすめ銘柄もご紹介しますよ。

つみたてNISA(積立NISA)とは?

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(画像=umaruchan4678/stock.adobe.com)

つみたてNISAとは、長期・積立・分散投資などを支援する制度です。毎年40万円までの範囲内で積立投資、それに伴う分配金や売却益などを非課税で受け取ることができます。

つみたてNISAとは、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です(2018年1月にスタート)。
出典:金融庁「つみたてNISAの概要」

通常、投資信託などに投資した場合に得られる分配金や売却益などの利益には20.315%(復興特別所得税を含む)の税金がかかります。しかしつみたてNISA専用口座内で投資をするとその税金を非課税にすることが可能です。

ただしつみたてNISAを利用するにはいくつか条件もあります。表にまとめて紹介します。

利用できる人 日本在住の20歳以上の人
(2023年1月からは18歳以上)
開設できる口座数 1人1口座
(つみたてNISAを利用する人は、
一般NISAは利用不可)
非課税で投資できる金額 新規投資額で毎年40万円が上限
非課税で投資できる期間 最長20年
投資の方法 積み立て投資のみ
投資できる商品 金融庁の基準をクリアした
「投資信託」と「ETF」

特に注意したいのは、NISA口座は複数の金融機関で開設することはできず1人1口座しか持てないという点です。

またつみたてNISAで投資できる商品はかなり限定されています。金融庁の基準をクリアした「投資信託」のみです。なおどの金融機関を利用しても非課税メリットは同じですが、金融機関によって投資できる銘柄のラインアップが異なるという点も留意しておきましょう。

銘柄が異なれば、当然リターンやリスク、必要な投資コストなども異なります。そのためつみたてNISAを始めるには、「証券会社」や「銘柄」を決めることが大切になってきます。

つみたてNISA(積立NISA)の金融機関選びでチェックしたいポイント5つ

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つみたてNISAは、証券会社や銀行、郵便局、労金、農協など、さまざまな金融機関が取り扱っています。金融庁の資料によると全部で569社(2021年6月時点)と非常に多く、どの金融期間を選べばいいのか分からないという人も多いかもしれません。

出典:金融庁「つみたてNISA取扱金融機関一覧」

そこでここからは、金融機関を選ぶときに着目したいチェックポイントを5つ紹介します。

つみたてNISAの金融機関を選ぶ際の チェックポイント5つ
  • 金融機関の業態
  • 取扱銘柄の本数
  • 最低積立金額
  • 積立回数
  • その他サービス

つみたてNISAの金融機関選び【チェックポイント1】 金融機関の業態

つみたてNISAで投資できる対象は、先述したように投資初心者でも投資しやすいように金融庁が定める基準をクリアした次の商品に限定されています。

  • 公募式株式投資信託
  • ETF(上場株式投資信託)

このうちETFは証券会社のみで提供されています。そのため、銀行などでつみたてNISA口座を開設した場合にはETFの購入はできません。

このように金融機関の業態によって、選べる商品が異なります。自分が積み立てしたい商品を扱っている業態なのかをチェックするようにしましょう。

なかには、つみたてNISAで投資経験を積んでいくうちに「株式などの他の金融商品で投資したい」と考える人もいるのではないでしょうか。株式など他の金融商品の中には、証券会社でなければ取り引きできないものもあります。

他の投資に興味がわいたときのことを考えると、選択肢の幅が広い証券会社を選んでおくのが良いでしょう。

つみたてNISAの金融機関選び【チェックポイント2】 取扱銘柄の本数

つみたてNISAを取り扱っているすべての金融機関が同じ投資信託を提供しているわけではありません。金融機関ごとに購入できる銘柄やその数、種類は異なります。

またひとくちに「投資信託」といってもそれぞれに目指しているリスクやリターンの度合いが異なるため、自身の投資に対する考え方によっても適する銘柄が変わってくるでしょう。

候補となる金融機関では自分が投資したい銘柄は選べそうか、本数や種類を確認しておくことが大切です。

自分に適する投資信託に出会う可能性を高めるためには、より多くの銘柄を取り扱っている証券会社がおすすめです。

つみたてNISAの金融機関選び【チェックポイント3】 最低積立金額

つみたてNISAの年間投資上限額は、40万円(1ヵ月換算で約3万3,333円)です。しかし投資初心者の場合「毎月3万3,000円も投資できない」という人もいるでしょう。少額からの投資を考えている人は「いくらから積み立てできるか」を確認しておくことも大切です。

金融機関によって最低積立額は異なりますが, ネット証券であれば100円から積み立てできるところもあります。

つみたてNISAの金融機関選び【チェックポイント4】 積立回数

つみたてNISAは「定期的に一定金額の買付を行う方法」で投資信託などを積み立て運用していくものです。毎月の積み立てが基本となっていますが、なかには「毎週」「毎日」といった積み立て設定ができる金融機関もあります。

候補の金融機関では、「自分の都合に合わせた積み立て回数が選べるのか」を事前にチェックしましょう。

つみたてNISAの金融機関選び【チェックポイント5】 その他サービス

ポイント還元やキャッシュバック制度などのお得なサービスを提供している金融機関も少なくありません。例えば連携している銀行のATM手数料が無料になったり通常の株式投資の手数料が割引されたりするなど内容はさまざまです。

普段のお金の使い方や今後の資産形成などもイメージしながら、総合的に自分にとってお得になりそうな金融機関を選ぶと良いでしょう。

つみたてNISAのおすすめ証券会社
2022年12月時点
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
会社名 SBI証券 楽天証券 auカブコム証券 マネックス証券 松井証券 SMBC日興証券 大和証券 野村證券 みずほ証券 SBIネオトレード証券
取扱銘柄数 185本 183本 178本 157本 178本 158本 22本 7本 3本 1本
最低投資金額 100円 100円 100円 100円 100円 1,000円 100円 1,000円 1,000円 100円
積立コース 毎月
毎週
毎日
毎月
毎日
毎月 毎月
毎日
毎月
毎日
毎月 毎月/毎週/毎日/隔月/3ヵ月ごと/4ヵ月ごと/6ヵ月ごと 毎月 毎月 毎月
ポイント還元 Tポイント
dポイント

Pontaポイント
JALマイル
Vポイント
楽天ポイント Pontaポイント マネックスポイント 松井証券ポイント dポイント
クレジット
カード決済
ポイント還元率
三井住友カード
0.5%(※1)
楽天カード
1%または0.2%
(※2)
au PAYカード
1%
マネックスカード
1.1%
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※1.三井住友カードの一般カード。一部のカードは1%または2%
※2.100円につき1ポイントまたは500円につき1ポイント
※ランキング根拠はこちら

【FPおすすめ】つみたてNISA(積立NISA)を始めるならこの金融機関!

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(画像=garage38/stock.adobe.com)

ここまで説明した5つのポイントを踏まえ、おすすめの金融機関を3社選んでみました。

  • SBI証券
  • 楽天証券
  • SMBC日興証券
金融機関名 取扱銘柄数
(2021年
9月3日現在)
最低
積立金額
積立回数 その他サービス
SBI証券 175本 100円 3コース
・毎月
・毎週
・毎日
・取引額に応じてTポイントや
Pontaポイント(※)が貯まる
・ポイントは、100円分から
投資信託の買付に使える
楽天証券 177本 100円 2コース
・毎月
・毎日
・積立代金を楽天カードで
決済すれば楽天ポイントが貯まる
・楽天ポイントを積立代金に充当できる
SMBC日興証券 158本 1,000円 毎月 ・投信つみたてプランでdポイントが貯まる
・同社が運営する日興フロッギー経由で
100円からの株式購入に使える
(※)Pontaポイントは2021年11月からの予定

1社ずつ解説してきます。

つみたてNISAにおすすめの金融機関① SBI証券

SBI証券
(画像=SBI証券Webサイトより引用)
SBI証券のおすすめポイント

  • ネット証券口座開設者ナンバーワン
  • つみたてNISA対象銘柄175本
  • Tポイント・Pontaポイントが貯まる&使える
  • 1銘柄につき最低100円から積み立てできる
  • 買付&売却手数料が0円

ネット証券の中で口座開設者ナンバーワンを誇るSBI証券。175本(2021年9月3日現在)とつみたてNISAの対象銘柄のラインアップが多いのがSBI証券の大きな魅力です。詳しくは、後述する銘柄選びでも説明します。

同社で取り扱っているファンドを大きく3つに分けると以下の通りです。

・インデックス・ファンド:低コストで運用できる
・バランス型ファンド:複数の資産に分散投資できる
・アクティブファンド:高いリターン水準が期待できる

つみたてNISAの対象商品は、販売手数料がかからないノーロードの投資信託などに限定されているため、購入時の手数料はかかりません。しかしSBI証券では、売却時の手数料も0円なので大きなメリットといえるでしょう。

また取引額に応じてTポイント・Pontaポイントが貯まる点も魅力です。各ポイントは、つみたてNISAだけでなく通常の投資信託購入にも利用できるため、資産形成の幅を広げてくれるでしょう。

(※)Pontaポイントは2021年11月からの予定

\つみたてNISAを始める/
国内口座開設数No.1、SBI証券は商品ラインナップが豊富 SBI証券でつみたてNISAを始める

つみたてNISAにおすすめの金融機関② 楽天証券

楽天証券
(画像=楽天証券Webサイトより引用)
楽天証券のおすすめポイント

  • つみたてNISA対象銘柄177本
  • 楽天ポイントが貯まる&使える
  • 「楽天カード」のクレジットカード払い決済も可能で、さらに楽天ポイントを貯めやすい
  • 1銘柄につき最低100円から積み立てできる
  • 口座開設料・管理料が0円

楽天市場や楽天カード、楽天銀行など楽天グループを利用している方には、楽天証券がおすすめです。

楽天ポイントは、楽天グループの利用で貯めることができるポイントで、利用している方も多いのではないでしょうか。楽天ポイントは普段の買い物などさまざまなシーンで貯めることができます。そうした楽天ポイントを楽天証券のつみたてNISA口座でも利用できます。

つみたてNISAで扱う銘柄は、値下がりや元本割れのリスクがあるものです。しかしポイントを使った投資であれば、仮に損失が出た場合でも実質資産の減少を抑えることができるでしょう。また口座開設料や管理料がかからない点も魅力です。

楽天ポイントが貯まる!ポイント投資も可能 楽天証券でつみたてNISAを始める

つみたてNISAにおすすめの金融機関③ SMBC日興証券

SMBC日興証券
(画像=SMBC日興証券Webサイトより引用)
SMBC日興証券のおすすめポイント

  • つみたてNISA対象銘柄158本
  • 大手証券会社の安心感
  • dポイントが貯まる&使える
  • 買付&売却手数料が0円
  • 株式投資など他の資産運用にもチャレンジしやすい

SMBC日興証券は対面型の大手証券会社でありながら、ダイレクトコースなどを選択することでネット証券のような取り引きもできる証券会社です。つみたてNISAもオンラインで申し込めます。

150本を超える充実のラインアップからリスク許容度や期待リターンなどに合わせて銘柄を選ぶことが可能です。

毎月の積立額は1,000円と、先に紹介したネット証券の2社よりも大きい点はデメリットに感じる人もいるかもしれません。しかし将来の資産形成のためには決して大きな負担ではないため、初心者でもトライしやすいでしょう。

また積立金額に応じて毎月dポイントが貯まることは、大きなメリットです。コンビニなどでの買い物はもちろん、同社が運営している日興フロッギーのサイトを通して100円分から実際に株式を購入できます。初心者向けの投資コラムも豊富に提供している点もおすすめのポイントです。

つみたてNISAの「商品」の特徴

(画像=umaruchan4678 / stock.adobe.com)

金融機関が決まったら、つみたてNISAのどの銘柄に積み立てるかを決めます。まずはつみたてNISAの商品、そして銘柄の特徴を押さえましょう。よく「つみたてNISAは投資初心者向き」といわれます。その理由の一つは、つみたてNISAで選べる銘柄のラインアップです。

つみたてNISAの銘柄の特徴や、投資経験がなくても取り組みやすい理由を確認しておきましょう。

銘柄の特徴を知ることで、「投資は怖いかも……」という方でも不安がなくなりつみたてNISAを始められるかもしれませんよ。

つみたてNISAで扱う商品は「投資信託」のみ

つみたてNISAは、通常のNISAと違って投資できる先がかなり限られています。先述しましたが株式は対象外で投資信託だけです。しかも投資信託もすべてが対象になるわけではなく、ごく一部の公募投資信託もしくは上場投資信託(ETF)のみです。

つみたてNISAの対象商品は、手数料が低水準、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されており、投資初心者をはじめ幅広い年代の方にとって利用しやすい仕組みとなっています。
出典:金融庁「つみたてNISAの概要」

(画像=fuelle編集部作成)
つみたてNISAで扱う商品 投資信託
(一部の公募投資信託、上場投資信託のみ)
一般NISAで扱う商品 国内株
外国株
投資信託 など

ただ、選択肢が少ないからイマイチ、ということではありませんのでご安心ください。

つみたてNISAでは、金融庁が「長期・積立・分散投資に適した銘柄」と太鼓判を押した銘柄だけが厳選されているのです。つみたてNISAで選べる銘柄はすべて、以下のような基準をすべてクリアしています。

・販売手数料がゼロ(ノーロード)
・信託報酬(運用管理にかかる費用)が一定水準以下に限定(例:国内株のインデックス投信の場合0.5%以下)
・顧客一人ひとりに対して、その顧客が過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること
・信託契約期間が無期限または20年以上であること
・分配頻度が毎月でないこと
・ヘッジ目的の場合などを除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと

これらは、初心者でも失敗しにくい投資銘柄の条件といえるでしょう。 自分で一つ一つ確認しなくても、条件を満たしたものから選べるのは、つみたてNISAのメリットといえます。

つみたてNISAの銘柄ラインアップは全部で199本

銘柄ラインアップを見てみるとインデックス投資信託173本、アクティブ運用投資信託等19本、上場株式投資信託(ETF)7本の合計199本(2021年6月18日時点)となっています。

個人投資家が購入できる投資信託は約6,000本ありますので、つみたてNISAの対象となる投資信託はかなり限定されていることが分かります。

【つみたてNISAの銘柄ラインナップ:合計199本】
・インデックス投資信託……173本
・アクティブ運用投資信託等……19本
・上場株式投資信託(ETF)……7本

しかもどこの金融機関でもすべての銘柄を扱っているわけではなく、中には取り扱いは3本だけという証券会社もあります。

なるべく多くの種類から選びたいなら、SBI証券や楽天証券など大手ネット系証券会社がおすすめです。

つみたてNISA(積立NISA) 銘柄選びの4つのコツ

(画像=fuelle編集部作成)

つみたてNISAの銘柄選びのコツ1. 分散投資をする

投資信託を選ぶときは、「投資先のエリア」と「投資対象」を考えます。

【投資先のエリア】
・日本
・アメリカ
・先進国
・新興国 など

【投資対象】
・株式
・債券
・リート(不動産投資信託) など

例えば「ローリスク・ローリターンなら日本債券」、「ハイリスク・ハイリターンなら新興国株式」など、どのくらい増えてほしいか、どのくらいリスクを許容できるかなどに応じて選びます。

つみたてNISAの銘柄は1つしか選べないわけではありません。一つの出来事ですべての投資信託が大きなダメージを受けてしまうのを避けるため、投資対象や地域が重なりすぎないよう分散させておくのがおすすめです。

「分散投資」は、価格変動リスクを抑える投資の王道です。海外株式の投資信託を1本選んだら国内債券メインの投資信託を組み合わせるなど、まったく違う値動きをする投資信託を組み合わせるのがポイントです。
續恵美子(日本FP協会認定CFP(R))

「分散のやり方が分からない」「面倒」という方は、「バランス型」の投資信託を選ぶのも一つの方法です。バランス型は、投資のプロがさまざまな地域のさまざまな資産を組み合わせているため、1本選ぶだけで簡単に分散投資ができます。

つみたてNISAの銘柄選びのコツ2. 純資産総額をチェックする

純資産総額は、その投資信託の規模をあらわしています。投資を判断する一つの目安になります。

同じカテゴリに投資する投資信託でどれにしようか迷ったら、純資産総額の大きさや最近の資産の増減状況を比較してみましょう。純資産総額は、証券会社の公式サイトなどにある銘柄紹介ページで確認できますよ。

純資産総額が大きかったり増えていたりするということは、運用がうまくいって預けられたお金をしっかり増やせたか、投資家に人気でどんどん資金を集められているかのどちらか、もしくは両方です。

つみたてNISAの銘柄選びのコツ3. なるべく手数料が安いものを選ぶ

せっかく運用がうまくいってお金が増えても、手数料が高いとその分手元に残る金額が少なくなってしまいます。そのためなるべく手数料が安いものを選ぶようにしましょう。

つみたてNISAの銘柄は販売手数料や口座管理手数料はかかりませんが、信託報酬(保有中にかかる運用管理手数料)はかかりますし、銘柄によっては信託財産留保額(解約時にかかる費用)も必要です。

手数料は銘柄ごとに違うので、確認するようにしましょう。

投資信託の手数料は、証券会社の銘柄詳細ページにも記載してありますし、投資前に必ず確認する「目論見書(もくろみしょ):投資信託の取扱説明書」でも確認できます。

つみたてNISAの銘柄選びのコツ4. 初心者はインデックス投信を選ぶ

投資信託は、その運用方針によって

  • 「インデックス」
  • 「アクティブ」

の2つに分けられます。

「インデックス」は「指数」という意味がある単語で、「インデックス投信」は日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)など市場の動きを示す指数に連動した値動きになるように運用されている投資信託のことです。パッシブ(=受動的、消極的)運用と呼ばれることもあります。

一方、「アクティブ」はその真逆の能動的、積極的という意味があり「アクティブ投信」はインデックスの運用結果を上回るように積極的に運用する投資信託ということです。

初心者は、基本的にインデックス投信を選ぶのがおすすめです。アクティブ投信のほうが大きな成果を期待できるので魅力的ですが、こちらは高いリターンを目指して手間をかけて運用しているぶん、インデックス投信よりコストやリスクが高くなりがちです。

つみたてNISAの銘柄の大半は、投資初心者でも扱いやすいインデックス投信で占められています。

NISA制度は、2024年に改正されることになっています。

・つみたてNISA……5年延長、口座開設可能期間が「2037年まで」から「2042年まで」に
・ジュニアNISA……廃止
・一般NISA……2階建ての制度に変更

一般NISAは年間の非課税投資額が120万円まででしたが、1階部分20万円、2階部分102万円、合計122万円に変更されます。

原則、1階部分の投資をしてからでないと2階部分の投資ができない仕組みになっています。1階部分ではつみたてNISAと同様、金融庁の基準をクリアした投資信託だけに投資できます。2階部分では従来の一般NISAと同じように、投資信託や株式などへの投資が可能です。

FPおすすめのつみたてNISA銘柄はこの3つ

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(画像=miya227/stock.adobe.com)

つみたてNISA には多くの銘柄があるので、「どう選んだらよいか見当もつかない」という初心者の方もいるでしょう。

そこでFPからのおすすめ銘柄を3つ紹介します。

  • eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
  • 楽天・全米株式インデックス・ファンド
  • ひふみプラス

おすすめする理由をそれぞれ説明しますので、銘柄選びの参考にしてください。

おすすめのつみたてNISA銘柄① eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)

失敗しにくい投資の基本は「長期・積立・分散投資」ですが、その「分散投資」を1本で叶えてくれるのがこの銘柄。

自分でいろんな投資対象を選んで何本も抱えるということをしなくても、以下の8つにほぼ同数ずつ投資してくれます。

・国内株式
・先進国株式
・新興国株式
・国内債券
・先進国債券
・新興国債券
・国内リート(不動産)
・先進国リート(不動産)

運用管理にかかる手数料(信託報酬)が、比較的安いのも魅力です。

おすすめのつみたてNISA銘柄② 楽天・全米株式インデックス・ファンド 【愛称】楽天・バンガード・ファンド(全米株式)

世界最大の運用会社「バンガード」が運用するETFを主な投資対象とするシリーズです。この商品は特にアメリカの株式に特化しています。アメリカの株式市場は規模が大きく、成長も著しいのが特徴です。

この投資信託ではマイクロソフト、アップル、アマゾン、フェイスブックなどの大企業から中小企業まで幅広く投資できます。こちらも手数料が安く抑えられています。

おすすめのつみたてNISA銘柄③ ひふみプラス

つみたてNISAの中では数少ないアクティブ運用(積極的に高いリターンを狙う運用方針)の商品です。投資先は国内中小企業の株式が中心ですが、海外株式も1割程度含んでいます。

つみたてNISAの商品群の中ではコストが高い方ですが、その分を補えるほどの運用実績があるため人気です。

タイプ別おすすめ つみたてNISA(積立NISA)の銘柄

つみたてnisa,おすすめ,商品
(画像= One/stock.adobe.com)

上記で紹介した銘柄以外も検討したい方に向けて、次のタイプ別におすすめ銘柄を紹介します。

  • 積極的に運用したい人
  • コストを抑えたい人
  • 幅広く投資したい人
つみたてNISAを始める際は、長期的に利益を膨らませたいのか、中・短期で利益が欲しいのかなど「自分が投資をする目的」や、コストダウンやリスク低減など「投資で必要不可欠な要素」を考えながら商品を選ぶことをおすすめします。
續恵美子(日本FP協会認定CFP(R))

「積極的に運用したい人」におすすめのつみたてNISA銘柄

「せっかく投資するなら多少リスクが高くても、できるだけ高いリターンを狙いたい」という積極派の方は、以下の投資信託はいかがでしょうか。

✔︎SBI・先進国株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(先進国株式))
……日本を含む先進国の株式に投資する投資信託。信託報酬(運営管理にかかる手数料)を抑えながら投資できます。

✔︎eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
……S&P500は、アメリカの代表的な株価指数の一つです。ニューヨーク市場の時価総額の80%程度をカバーしていて、市場全体の動きが分かります。この指数に連動する運用成果を目指す投資信託です。

✔︎年金積立Jグロース(愛称:つみたてJグロース)
……日本株の中でも成長性が高く、株主への利益還元が期待できる銘柄を選定して投資するアクティブ運用の投資信託。TOPIXの動きを上回る運用成果を目指しています。

投資先のエリアでいうと、「日本<先進国<新興国」の順でハイリスク・ハイリターンになります。投資先の資産では「債券<株式」、投資方針では「インデックス<アクティブ」です。

高いリターンを狙うなら「海外×株式」や「株式×アクティブ」を組み合わせた投資信託を選ぶのも良いでしょう。
續恵美子(日本FP協会認定CFP(R))

「コストを少しでも抑えたい人」におすすめのつみたてNISAの銘柄

投資でいくら利益が出るかは最後まで分かりませんが、「いくら手数料がかかるか」は事前に予測できます。

できるだけコストをかけずに運用して、手元に残るお金を増やしたい方は、以下のような投資信託がおすすめです。

✔︎eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
……投資対象は日本株で、TOPIX(東証株価指数)と連動する運用成果を目指す投資信託。信託報酬(運用管理にかかる手数料)は0.154%以内と、TOPIX連動を目指す他の投資信託と比べて安めです。

✔︎<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
……日本以外の主要先進国の株式に投資するファンドで、信託報酬は0.1023%以内。2020年の楽天証券ファンドアワードで、海外株式部門の最優秀賞に選ばれた投資信託です。

✔︎SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド(愛称:SBI・バンガード・S&P500)
……米国株に投資。信託報酬0.0938%程度と、つみたてNISAで選べる商品の中でもトップクラスの低コスト。

「インデックス」と呼ばれる運用方針を取っている投資信託は、手数料を抑えられる傾向があります。信託報酬は、投資信託を保有している間、毎営業日引かれるものです。一見少しの差しかないように見えても、今後20年近く積み立てていくことを考えると、手数料はできるだけ抑えておきたいですね。
續恵美子(日本FP協会認定CFP(R))

「幅広く投資したい人」におすすめのつみたてNISA銘柄

1つの投資信託で、できるだけ多くの投資エリアや投資資産をカバーしたい方には「バランス型」の投資信託がおすすめです。

✔︎たわらノーロード バランス(8資産均等型)
……「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」同様、8つの投資対象に均等な割合で投資する投資信託。コストの安さも同水準です。

✔︎ニッセイ・インデックスバランスF 4資産均等型
……こちらも、低コストで分散投資ができる投資信託。国内株式、国内債券、先進国株式、先進国債券に25%ずつ投資します。

✔︎DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)
……国内債券を中心とする投資信託。「リターンは低めでもよいから、極力リスクを抑えたい」という方に向いています。

投資の世界には、「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があります。「全財産を1箇所に置いておくと、そこで非常事態が起きたときにすべて失ってしまうため、複数の場所に分けて置いておけ」という意味で、分散投資の大切さを説くものです。

エリアや資産を集中せず、できるだけ分けておくことで、リスクを抑えることができます。バランス型投資信託は、1本で分散投資をしたのと同じ効果を得られるのがメリットです。
續恵美子(日本FP協会認定CFP(R))

つみたてNISA(積立NISA)を始めるときの心構え

つみたてnisa,おすすめ,商品
(画像=metamorworks/stock.adobe.com)

つみたてNISAの商品はリスクが低めで初心者にもやさしいとご紹介しましたが、100%確実にお金が増えるというわけではありません。あくまで投資ですから、マイナスが出る可能性もあるということは知っておきましょう。

また、長期で積み立てていくことが前提となるため、日々値動きをチェックして一喜一憂して売買するといったデイトレーダーのような運用とは全く違います。

一度選んで購入したらしばらく放置して気長に待つだけで大丈夫ですから、「20年後まで持ち続ける」といった長い目で見て冷静に判断しましょう。

つみたてNISAを始めたい人におすすめの証券会社はこちら

積立コースは毎日・毎週・毎月の3種類、NISA枠ぎりぎり注文で投資可能枠を使い切れる
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つみたてNISA(積立NISA)の商品、おすすめ銘柄や金融機関選について Q&A

Q

A
つみたてNISAの商品にはどのような特徴がある?
つみたてNISAで投資できる商品は、投資信託のみ。特徴として大きいのは、金融庁が「長期・積立・分散投資に適した銘柄」と太鼓判を押したものだけが厳選されているという点です。しかし、通常のNISAと違って投資できる先がかなり限られているという点もあるので、よく確認しておきましょう。

Q

A
つみたてNISAでおすすめの銘柄は?
3つあります。「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」「楽天・全米株式インデックス・ファンド」「ひふみプラス」です。

Q

A
つみたてNISAの銘柄選びのコツは?
いくつかありますが、大きなポイントとして紹介したいのが「分散投資」です。つみたてNISAの銘柄は、一つしか選べないわけではありません。一つの出来事ですべての投資信託が大きなダメージを受けてしまうのを避けるため、投資対象や地域が重なりすぎないよう分散させておくのがおすすめです。

Q

A
つみたてNISAを始めるのにおすすめの金融機関は?
SBI証券、楽天証券、SMBC日興証券をおすすめします。

續恵美子
生命保険会社にて15年勤務した後、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。
生命保険会社にて15年勤務した後、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。
 

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