「馬主」というとお金持ちにしかなれないというイメージが強い。単に資産を築く以上にロマンがある。けれども現実問題として馬主になるには想像以上にお金がかかる。

そこで登場したのが「一口馬主」だ。

ここでは一口馬主の基本や仕組み、普通の馬主との違いを解説する。また実際に馬主になる場合やなった後の手続きについても確認する。

一口馬主の基礎や仕組み

一口馬主とは簡単に言うと「複数の馬主で一頭の競走馬に出資する」サービスのことだ。イメージとしては投資信託が近いだろう。ただし、一口馬主と投資信託には、投資先が競走馬か投資商品かの違いがある。

出資を受けた一口馬主クラブは競走馬をJRA(日本中央競馬会)に登録する。そしてレースで競争賞金を得たら、それを会員に分配するのだ。

なおこの一口馬主制度は金融庁の監視下に置かれている。したがって、取引に不正が行われないように健全に運営が実施されている。そのため安心して投資できるサービスと言えるだろう。

一口馬主と普通馬主の違い

一口馬主と普通馬主は大きく3つに違いがある。

1つ目に承知の通り「馬主(出資者)の数」に違いがある。一口馬主では一般的に40口~500口程度に出資金額を分割し、その一部を購入することになる。したがって、費用負担を少なくして馬主になれるのだ。

2つ目に「馬主行為の制限」だ。一口馬主は正式な馬主とは異なる。具体的には競走馬に関する意思決定に参加できない。なぜなら、あくまで競走馬は一口馬主クラブの持ち物だからだ。つまり、あくまで出資だけに限られる。

3つ目に「馬主の要件」が異なる。一口馬主の会員になるには要件が少ない。例えば出資時期や出資金等だけだ。一方、普通馬主は年収1,700万円以上、資産総額7,500万円以上が必要だ。したがって、馬主になりやすいと言える。