ファイナンシャル・プランナー(FP)の筆者が実際に受けた相談事例をもとに、投資初心者の方におすすめしたい投資信託選びのポイントをお伝えいたします。

「お金のことを考えたい」38歳独身女性が相談に

結花さんは、機械メーカーの事務をしている38歳の独身女性です。最近、仲の良い友達が投資を始めたという話を聞いて、「そろそろ私もお金のことを考えた方が良いかも」と相談にいらっしゃいました。

結花さんの手取り月収は23万円ほど。約500万円の預貯金がありましたが、今後、結婚するかもしれないし、結婚しなかったらマンションを購入したいと考えていらしたので、500万円は手をつけない事にしました。

当初、「投資に回すお金がない」と言っていた結花さんに筆者がおすすめしたのは投資信託の積み立てです。

「投資信託の積み立て」とは?

投資信託の積み立てとは、毎月同じ金額の分、投資信託を購入すること。商品を買い付けるタイミングを分散することで、価格が変動するリスクを少しでも抑えることができできます。

「証券会社によっては、毎月100円から始められますよ」とお伝えすると、結花さんは「私でもできそう」と早速、証券口座を開設されました。

商品選びは、「消去法」で考える

次にポイントとなるのは「どの商品を購入するか?」です。

数千本もある投資信託から「もっとも良いもの」を選ぶのは至難の業です。「ベスト」より「ベター」を選択し、消去法で考えていく事をおすすめします。

筆者が思う、商品選びのポイントは次の3つ。

  1. 手数料が安い(目安:申込時手数料が0円のもの、信託報酬が1.5%未満のもの)
  2. 「毎月分配型」を選ばない
  3. 過去5年間のリターンが高い(比較してみる) この3つのポイントから、結花さんはある国内株式型のインデックスファンド(※)を選択し、毎月2万円ずつ、積み立てていくことになりました。

    ※編注:インデックスファンドとは、ある指数(インデックス)に連動して動くことを目指した投資信託のこと。投資信託には、市場平均を上回ることを目指すアクティブファンドもある。

    つみたてNISAの商品から選ぶのも◯

    最近でしたら「つみたてNISA」の商品が上記の1、2の条件を満たしています。こだわりがなければ、「つみたてNISA」商品の中から3つ目のポイントを満たすものを選んでみるのもおすすめです。

    投資信託は、最も気軽に始められる資産運用ですが、最初から自分にぴったりの商品を選ぶのもかなり難易度は高いです。初心者の方はひとまず何かしら購入してみて、運用レポートを定期的にチェックしながら投資感覚を養っていきましょう。少しずつ、良い商品を見抜く力を身につけていけばよいのです。

    文・冨士野喜子(ふじのFP事務所)

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