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2019/03/16

右肩上がりの「ヘッジファンド指数」を信じてはいけない理由

(写真=Chaosamran_Studio/Shutterstock.com)
(写真=Chaosamran_Studio/Shutterstock.com)
ヘッジファンドと聞いて相場の変動時にも安定成長する「絶対リターン」が達成できるとイメージする投資家も多いが、そのデータが必ずしも正しく無い可能性があることを知っておくべきだ。

ヘッジファンド=絶対リターンは正しいのか

ヘッジファンドが下落局面でも損失を一定に抑えられるという説明をする際に、右肩上がりに推移している「ヘッジファンド指数」のチャートが使われることが多い。これを見せられた投資家は絶対リターン神話を信用してしまう。さらに以下の情報提供については、金融機関勤務のヘッジファンドを投資家に説明している営業員ですら、知らないことが多いのではないかと危惧している。

2016年1-2月の世界の株式ヘッジファンドの運用成績はマイナス5.35%(HFR調べ、運用額加重ベース)であった。また2009年以降は7年にわたりヘッジファンド指数は市場平均を下回っているとのデータもある。この事実を販売者はおそらく説明しないだろう。

ヘッジファンド指数を信じて良いのか

少々古いデータだが、「日本銀行調査季報、2005年夏(7月)」に「ヘッジファンド指数のおよびデータベースの問題点」というコラムがあり、その問題点をバイアスとして説明している。いくつか説明しよう。

①生き残りバイアス

「低収益のため報告を行わないファンドや既に消滅したファンド」「活動を停止したヘッジファンド」のデータが勘案されていない、という可能性。ヘッジファンド指数はヘッジファンド全体のデータが盛り込まれていない可能性があり、低収益のヘッジファンドはヘッジファンド指数に反映されていない可能性がある。同様に解散/消滅したヘッジファンドの成果も反映されていない可能性がある。

②遡及バイアス

データベースへの情報提供を直近の最も良い収益率を達成した期間のみを報告することができる。

③清算バイアス

消滅しようとしているヘッジファンドの多くの清算理由はそのパフォーマンスが優れないという理由であろうと想像できる。しかしその低い収益性が清算に至るまでの間には指数に報告されていない可能性がある、というわけだ。

パフォーマンス不良で消滅したヘッジファンドのデータが盛り込まれていない「ヘッジファンド指数」をヘッジファンド全体のパフォーマンスとして考えることは極めて危険な考えだといえる。
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