社会保険労務士の佐佐木由美子さんが主宰する「サロン・ド・グレース」のイベント(2017年4月25日開催)にお邪魔し、『キャリア女性に必要なお金の攻めと守り』について教わっています。

イベントリポート後編となる今回は、老後の資金にどう備えるか?をファイナンシャル・プランナー(FP)の高山一恵さんの講演からリポートします!

老後の生活に不安……。高山さんが受ける相談内容で最も多い悩みがこれだと言います。自分の将来のために、資産形成をしておくことは非常に重要です。しかし、そもそもなぜ「資産運用」をしなければいけないのか、考えたことはありますでしょうか?

高山さん曰く、資産運用をしなければならない理由は、大きく2つ、「人口問題」と「超低金利時代」にあると言います。

資産運用をしなければならない2つの理由

※以下、高山さん談

理由①人口問題

今の日本の人口は約1億2700万人、2050年には8600万人程度になると言われています。総人口が減っていくのも問題ですが、もっと大きな問題が「少子高齢化」です。

戦後の高度経済成長時代では、10.8人の現役世代が1人の高齢者を支えているという構造でした。これが、2015年は1人の高齢者を2.3人の現役世代が支えなければならなくなり、2050年には1人の高齢者に対し、1.3人の現役世代。

先ほどの佐佐木さんの講演であった給与明細ですが、去年と今年の給与明細を見比べてみると、差し引かれている保険料などが微妙に増えているのがわかると思いますので、一度確認してみてください。

これが今の少子高齢化の現状です。「え~そんな負担が大きくなるの?」と思っている方も多いと思いますが、よく考えてみると、2050年には支えてもらう側にいるかもしれませんよね。

また、今とても流行っている「LIFE SHIFT」という本によると、先進国に住んでいる人の寿命は年々伸びており、現在の日本の50歳以下の人たちは、大体100歳ぐらいまで生きるとされているそうです。

「昔の常識は今の非常識」とも言われますが、今の日本の女性の平均寿命は87歳で、近い将来、90歳を超えると言われています。ここで私たちが考えなくてはいけないのが、自分はどこで仕事を辞めるか?ということです。

理由②超低金利時代

今は「超低金利時代」と言われています。メガバンクの普通預金の金利は現在約0.001%。長い間低金利が続いているため普通だと感じがちなのですが、これはとても異常な数値なのです。

「72の法則」というものがあって、これに当てはめて考えてみると、今がいかに異常なのがわかると思います。

【72の法則】
72÷金利=元本が倍になる年数

バブル期には、銀行の普通預金の金利は2%超、定期預金の金利は6%を超えていた時期がありました。利子だけで生活できる人がいた時代です。

しかし、今の0.001%の金利を72の法則に当てはめて考えると、元本が倍になるまでなんと72,000年もかかってしまいます!ちなみに、今から72,000年前は氷河期ですよ。(笑)
どうですか?そう考えると、普通に預金していてもお金が増えるわけがないのがわかりますよね。

これら2つのことから、効率的な資産形成のためには「資産運用」が必要不可欠であるということがわかってきます。

(写真=筆者撮影)