「株式投資」に関心を寄せる女性が多くなっています。しかし、関心はあっても本当に投資をしてよいのかどうか、不安があるのもまた現実。お金の専門家であるファイナンシャル・プランナー(FP)は、実際どのように株式投資を楽しんでいるのでしょうか。

今回は、女性からの相談に強い10人のFPさんやそのお知り合いの方に、リアルに実践している株式投資の楽しみ方と注意点を教えていただきました。

※2017年10月に、独立系ファイナンシャル・プランナー(独立系FP、企業のバックアップを受けずに相談料で収入を得るFPのこと)10人にアンケートを実施しました。その結果内容を順次、掲載しています(カッコ内=投票したFPの名前/年代)。

株式投資を楽しむ4つの方法

「株式投資を楽しむ」と一口に言っても、まずはどうやって始めたらよいのでしょう?

1. 好きな企業の株を買う

「大切なのは、まず行動を起こすこと。とりあえず購入する。やってみることです」(佐々木愛子/30代)

まずは行動が大切!と話すFPさんが多数です。株を購入する企業は、次のような方法で選ぶことができます。

「女性の場合は、普段使っている化粧品や食品、旅行などの優待を楽しみながら投資をしてみては」(匿名/30代)

「テレビや雑誌などでコレはいいな!と思う商品やサービスを取り上げていたら、その会社を四季報で見るようにしています。意外な優良銘柄に出会うことがありますよ」(深川美幸/40代)

「自分が好きな商品を取り扱っている会社(をターゲットにして)、株式を毎月1万円ずつ購入します。大きな金額を投資しなくても購入できますし、金額が積み上がっていけばいずれ、優待や配当を受け取ることができるのがうれしいですね。会社四季報を見ながら、次はどの会社の株式を購入するかを考える時間も楽しめます」(つじもとFP事務所 辻本ゆか/40代)

この方法なら、なかなか楽しめそうです。

株式投資によい企業を見つけ出す方法は、気になる商品やサービスからというわけですね。初めから株価チャートや専門的なウェブサイトなどとにらめっこをするのではなく、最も身近なところからチェックするといいのかも。

「四季報はリビングに置いています」(深川美幸/40代)

というのも、生活感があっていいですね。四季報は、各企業の株式に関する基本情報がつまったハンドブックです。書斎や本棚にしまっておくのではなく、テレビや雑誌を見ながらいつでも手に取れるよう、リビングにさりげなく置いておく。

これなら無理がなく、いつの間にか暮らしの中に株式投資がある。そんな生活ができそうです。

そのうち、

「毎日株価を見るのが楽しみに!下がっていても売るわけではないので、様子を見ることができます。その会社の商品を購入しながら、かげながら応援しています。ひそかに株価が上がればいいという期待も」(黒須かおり/40代)

といった気持ちで楽しむことができるかもしれないですね。

(写真=file404/Shutterstock.com)

2. 株主優待をとことん活用

現時点では株式投資に興味がなくても、「株主優待だけは気になっている」という方、多いのではないでしょうか。

「初めて株を購入したときは優待目的でした。株価が上がったり下がったりはしますが、自分が応援したいと思える会社に『投資する』のだと考えて、銘柄をしっかり選びました。配当や優待でメリットを得るのは、楽しくお得な投資法です。今はオリエンタルランド <4661> の株で、毎年ディズニーのチケットをもらって楽しんでいます。記念周年でチケット枚数が割り増しになる予定もありますし、しばらく保有している予定です」(稲村優貴子/40代)

「一番の楽しみ方は、個人的にはやはり『株主優待』です。そして、この株主優待が有利な銘柄を探すのが楽しみになっています」(婚活FP山本/30代)

専門家も言っている通り、株主優待は、まさに株を楽しむのにぴったり。「株主優待で産地直送の銘柄米がもらえる」という話はよく聞きますが、他にも、思わず目がいってしまうような優待があるそうです。

例えば……

「株主限定のコンサートに行きました」(阿部理恵/50代)

なんて聞いてしまったら、すぐにでもチェックしたくなってしまいますよね。コンサートに招待してもらえるのですから、やはり、音楽関係の企業でしょうか。どれくらいの金額を投資して何株くらい所有すれば、コンサートに行けるのでしょうか。

「(株主限定の)バーゲンにも行きました」(阿部理恵/同上)

「ファッション好きの知り合いは、好きなブランドがある企業の株主になり、ファミリーセールの招待状が届くのを楽しみにしています」(今関倫子/40代)

ブランド品を取り扱う会社の株主になれば、「ファミリーセール」に招待されることもあるのですね。デパートで行われる通常のシーズンエンドのバーゲンと違って、「ファミリーセール」というのは特別感があります。よりお得にお買い物できそうな予感も……!

「株主優待は、銘柄によってはこれだけで年利6%程度に達するものもありますし、少々の損が出ても株主優待の実利で十分カバーできることもあります」(婚活FP山本/30代)

と、実際のデータからも株主優待目当てで株を買うのもお得だという話もあります。

(写真=melis/Shutterstock.com)

3. スーパー系列企業の株主になる

毎日の生活に欠かせないスーパーでの買い物が株主優待でお得になると言われれば、こちらも気になってしまいますね。

「毎日買い物する大手スーパー系列企業の株主になり、株主優待割引を利用して買い物しています」(今関倫子/40代)

毎日ちょっとだけ得した気持ちになれますよね。

それだけでなく、

「1年間のお得分を計算したら、割り引きされた額が株の投資金額とトントンになりました。(だから)株価が下がっても、気になりません」(今関倫子/同上)

ということもあるのだとか。

スーパーに限らず、例えばよく利用する飲食店など、毎日私たちが触れるサービスに関連した株を買って株主優待を利用すれば、「株のおかげで毎日が楽しい!」とより実感しやすくなるかもしれません。

(写真=06photo/Shutterstock.com)

4. アプリで投資体験をする

ここまでの話で「株って楽しいかも」と思った人も多いはず。でも、それでも実際に株式投資を始めるのはやっぱり不安という方も少なくないかもしれません。そんな人はまずアプリで株式投資を疑似体験してみてはいかがでしょうか?

「株式投資体験アプリでは、体験的に投資して値動きをゲーム感覚で予測したり、仲間とコミュニケーションをとったりできます。銘柄の説明も詳しいので勉強になります」(阿部理恵/50代)

仲間と相談したり情報交換をしたりしながら株式投資を疑似体験。言ってみれば「投資クラブ」のようなことが、オンラインゲーム感覚で簡単にできてしまうわけですね。「仲間とワイワイ勉強したい」という女性には、特に楽しみが広がりそうな方法です。