富裕層といえば、クラシックなどの音楽好きというイメージを持っている人は多いだろう。実際、富裕層は音楽好きが多く、中には自分で音楽ホールを持っていたりする人もいるくらいだ。しかし、彼らが音楽を楽しむのは、ただ好きだからではない。富裕層と音楽の意外な接点を紹介したい。

富裕層と音楽は歴史的にも密接なつながりが

富裕層と音楽の関係性を語る際に、歴史の観点を抜いて語ることはできないだろう。

富裕層と音楽のつながりは、中世ヨーロッパに見ることができる。当時、芸術家にはパトロンがいて、彼らの瑕疵のもとで芸術を生み出してきたのだ。たとえば、あのレオナルドダヴィンチも、メディチ家と呼ばれるパトロンがいて、彼らの元で多数の作品を生み出していたのだ。同様に、日本でも、パトロンのような制度はあり、たとえば、江戸時代には、徳川家や大名家につかえる「御用絵師」という役職があり、彼らの地位は保証されていた。

ではなぜ、かつての富裕層は芸術家の支援を行ったのだろうか。それは、中世、近世において「芸術こそ、富の象徴」と言われていたからである。「優れた芸術家を支援する余裕があるほど、自分はお金を持っている」と言った意味や「自分は素晴らしい芸術を理解できる、優れた人間なのだ」ということの象徴として、芸術家を支援していたようだ。

この流れは目立たなくなったものの、実は現代においても、富裕層は芸術家を支援している。有名なところだと、サントリーはサントリーホールをはじめ、様々な文化施設を所有し、芸術への支援を行っている。他にも、メセナ活動と称して、芸術を支援している企業は多い。このように、富裕層と芸術は、現代においても切り離すことのできない関係と言って差し支えないだろう。