20代で手にした100万円は、60代で保有している1,000万円よりも多くの可能性を秘めている……と言われたら、あなたはどう思いますか?「いや老後のことを考えれば60代で1,000万円持っていたほうがいいだろう」と思ったあなた、こんな考え方もあるんですよ!20代という人生において非常に貴重な期間とお金について、違った角度から理解してみませんか?そこで本記事では、具体的になぜ20代の100万円に価値があるのかと、投資について解説します。

「投資」のためにお金を使うという発想

お金を稼ぐ理由は「預金するため」「食べていくため」「旅行に行くため」「服を買うため」「趣味のため」など、人によってさまざまです。しかしお金の使い方が上手な人、お金持ちになるような人は、こうした動機の行動ばかりではないのです。

これらは「預金するため」以外は全て「消費」です。ただお金を消費するだけの行為になります。お金の使い方が上手な人は、生きていく上で必要な消費活動をするだけでなく、稼いだお金の一定額を「投資」に回しています。投資に回すことで、彼らは豊かになっているのです。

「消費」は生きていくうえでは必要なことですが、消費することで新たなお金が生み出されるわけではありません。一方で「投資」は、お金を投じることでさらにお金が増えることが期待できます。

60代の1,000万円より20代の100万円に価値がある理由

投資は長期間続けることで複利効果が得られるため、リターンは大きくなっていきます。複利効果とは、投資で得た収益を再度投資に使うことで、さらに収益が増えていくことを言います。

例えば100万円を投資して、1年間でその金額の5%(=年利5%)に相当する5万円の利息が得られたとしましょう。すると、1年目の元本と利息の合計は105万円になります。その5万円を再投資すれば、2年目の利息は10万2,500円、3年目は15万7,625円となっていきます。

投資なのでリターン率の変動や元本が割れる可能性もありますが、このような複利効果について知ると、ただお金を眠らせておくことは収益を増やすための「機会損失」につながるということが理解できるのではないでしょうか。

ちなみに前述の例で、100万円を20歳で投資したとして1年間で5%の利息が得られるとし、その利息を再投資、これを60歳となるまで40年間続けたとしましょう。すると、30歳のときには資産約163万円、40歳のときには約265万円、50歳のときには約432万円、60歳のときには約704万円まで資産は大きくなります。

60歳になるまでコツコツと預金し、1,000万円を手にしていることが悪いとは言いません。しかし20代のうちから投資信託や外貨預金などに投資をすることで得られる知識と実際に得る利益は、1,000万円を上回る価値があると言ってもいいでしょう。