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2020/08/01

株式市場の種類や特徴は?「一部昇格狙い」投資法など実践も解説

(写真=iamchamp/stock.adobe.com)
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各証券取引所や各株式市場の特徴の違いをしっかり理解することで、「東証一部昇格」のタイミングに合わせて利益を狙うことも可能となります。ここでは「株式市場」を切り口に、株取引に役立つ基礎知識や実践に役立つノウハウを紹介します。

そもそも株式とは?

株式市場について学ぶ前に、まず「株式」について理解しておく必要があります。ちなみに一般的に「株」という言葉が使われると、それは株式のことを指すと考えて差し支えありません。

企業のなかには、正式な会社名の前か後に「株式会社」という名称がついていることがあります。この株式会社が、資金を拠出してくれた人に発行する有価証券のことを株式と呼びます。株式会社は株式を発行することで資金を集めることができるのです。

詳しくは後述しますが、株式会社は上場企業と未上場企業に分けられます。そして、上場企業の株式は証券口座を開設することで、基本的に誰でも証券取引所・取引市場を通じて売買することが可能です。

未上場企業の株式は誰でも取得できるわけではなく、企業が創業時や事業拡大時に個別に発行したり、証券会社などを通じて取得したりする形となっています。

株式市場には区分がある

では本題に戻ります。「株式市場」とは、上場している株式の売り買いなどの取引を行う市場のことを指します。

ただ株式市場といっても、「発行市場(Primary Market)」と「流通市場(Secondary Market)」の2つに分類され、株式市場について包括的に理解するためには、これら両者の違いについてしっかりと知識を持っておく必要があります。

発行市場とは?

発行市場とは「資本調達市場」などとも呼ばれ、新たに企業や国が発行した株式や債券などの有価証券を、投資家がその株式や債券を発行した「発行者」から直接的、もしくは証券会社の仲介者などを通じて取得するための市場のことを指します。発行市場は企業が新たに資金調達を行うことを目的とした市場という見方もできます。

一般に株式が広く流通する前の取引であることもあり、株式投資家の中には「発行市場」という言葉自体を聞いたことがない人も少なくありません。また日本では発行市場は欧米に比べてマーケットとしてはあまり発達していないとされています。

流通市場とは?

一方で「流通市場」は多くの人に馴染みがある株式市場です。一般的に流通市場といえばそれは「株式市場」のことを指し、すでに企業によって発行され、広く流通している株式を売買するための市場のことを指します。流通市場(株式市場)の中心となるのが「証券取引所」であり、日本にも複数の証券取引所が存在しています。

株式を売買する証券取引所は日本国内に4つ

日本には株式を売買できる証券取引所が4つあります。「東京証券取引所」「名古屋証券取引所」「札幌証券取引所」「福岡証券取引所」です。

かつては大阪証券取引所も存在しましたが、大阪証券取引所は東京証券取引所グループと2013年に経営統合し、現在は日本取引所グループ傘下の市場として、「大阪取引所」という名称で先物などのデリバティブ(金融派生商品)専門の取引所として機能しています。

東京証券取引所(東証)

東京証券取引所は「東証(とうしょう)」という略称で呼ばれ、日本国内で最大の証券取引所として知られています。東京証券取引所の住所は「東京都中央区日本橋兜町2-1」です。

東京証券取引所には全部で5つの株式市場があります。本則市場(ほんそくしじょう)と呼ばれる「市場第一部」と「市場第二部」のほか、「マザーズ」、「JASDAQ」、「TOKYO PRO Market」です。2020年5月1日時点における上場企業数は以下の通りです。

市場第一部:2,171社
市場第二部:483社
マザーズ:322社
JASDAQ:703社
TOKYO PRO Market:34社
合計:3,713社

以下、詳しく各市場の特徴を説明していきましょう。

市場第一部

「市場第一部」は一般的に「東証一部」と呼ばれます。東証一部に上場するための形式的な要件としては、上場時に見込みベースで流通額が250億円以上であること、連結純資産の額が10億円以上であること、直近2年間の利益額が総額5億円以上であること、などが挙げられます。

有価証券報告書などに虚偽記載が過去2年間で無いことなども条件とされ、東証一部に上場している企業は大企業であり、かつ信頼性が高い企業として広く認知を得ることが可能になります。ブランド力も一気に高まります。

市場第二部

「市場第二部」は一般的に「東証二部」と呼ばれています。東証一部よりも上場するための形式要件が一部緩く、例えば時価総額が20億円以上であることが東証一部に上場するための形式要件との違いです。

そのため、東証二部に上場している企業は東証一部に上場している企業よりも事業規模が小さいケースが多くなっています。そうはいっても中小企業が簡単に東証二部に上場できるわけでもないため、東証二部に上場していることは、その企業の大きな信頼性につながります。

東証マザーズ

「東証マザーズ」は東京証券取引所が1999年11月に開設した株式市場で、継続性や収益性に審査のウエートを置く東証一部と東証二部よりも、企業の成長性に重きをおいて上場審査が行われます。簡単にいえば、将来有望なベンチャーなどの新興企業が中心の株式市場です。

上場審査の形式要件としては、上場時の見込みベースで時価総額が10億円以上であることなどが挙げられ、実際の審査の際には、たとえベンチャー企業であっても事業を不正なく公正に遂行しているか、リスク情報などについて適切に開示が行える状況かどうかなどが厳しくみられます。

一般的に、将来的に東証一部や東証二部に上場を目指す企業が東証マザーズに上場する形となります。

JASDAQ

「JASDAQ」は「ジャスダック」と読みます。JASDAQは「スタンダード市場」と「グロース市場」に分かれており、スタンダード市場では実績、グロース市場ではその企業の将来性に重きを置いた上場審査が行われます。

上場審査の形式要件としては、上場時の見込みベースで純資産の額が2億円以上、流通株式の時価総額が5億円以上であることなどが挙げられています。

TOKYO PRO Market

「TOKYO PRO Market」は、東京証券取引所の第5の「株式市場」といわれており、日本国内で唯一の「プロ投資家向け市場」と位置付けられています。一般投資家の買い付けができないため、この株式市場の存在を知らない人も中にはいるでしょう。

名古屋証券取引所(名証)

「名古屋証券取引所」は略して「名証(めいしょう)」と呼ばれる証券取引所で、主に中部地区が地盤となっている証券取引所となっています。住所は「愛知県名古屋市中区栄三丁目8番20号」です。

名古屋証券取引所には全部で3つの株式市場があります。具体的には、本則市場である「市場第一部」と「市場第二部」のほかに「セントレックス」があり、2020年5月15日時点における各株式市場の上場企業数は以下の通りとなっています。

市場第一部:194社
市場第二部:82社
セントレックス:16社
合計:292社

名古屋証券取引所は1949年に開設され、1999年にベンチャーなどの新興企業や中堅企業向けの「セントレックス」が開設されました。東京証券取引所と同様に市場第一部と市場第二部が設けられており、セントレックスが最も上場基準が緩くなっています。

札幌証券取引所

「札幌証券取引所」は略して「札証(さっしょう)」と呼ばれています。1949年に開設されました。住所は「北海道札幌市中央区南一条西5丁目14番地の1」です。

現在は「本則市場」と「アンビシャス市場」の2つの株式市場が設けられています。2020年4月28日時点における上場企業数は以下の通りです。

本則市場:48社
アンビシャス市場:10社
合計:68社

アンビシャス市場は名古屋証券取引所の「セントレックス」と同様に、中堅企業やベンチャー企業向けの株式市場という位置付けとなっており、上場時の時価総額は審査要件には含まれていませんが、今後の成長性や成長の安定性などが求められます。

福岡証券取引所

名古屋証券取引所と札幌証券取引所と同様に、地方の証券取引所として知られているのが「福岡証券取引所」です。略称は「福証(ふくしょう)」で、住所は「福岡県福岡市中央区天神2丁目14番2号」です。

株式市場としては、「本則市場」と、新興企業や中堅企業向けの株式市場として2000年に開設された「Q-Board」があります。2020年4月時点における上場企業数は以下の通りです。

本則市場:94社
Q-Board市場:16社

Q-Boardでは主に本社を近畿や中国、九州エリアに構えている企業が対象となっています。Q-Boardもセントレックスやアンビシャスと同様、本則市場に比べて上場基準が緩くなっています。

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