凛と輝く美しさについ見とれてしまうアイテム「金(ゴールド)」。“現物資産”として世界で不変の人気を誇る金ですが、“投資対象”としても注目されています。ただ「金って高いから簡単に持てないのでは?」と思っている人も多いでしょう。しかし金に投資することは個人でも、資金が少なくても可能なんです。

世界の金事情 金の需要が多いのはどこの国?

世界で最も金を消費しているのは中国とインドです。用途は宝飾品と投資対象で、この2ヵ国で世界全体の50%を超える金の消費需要があるそうです。これは世界的な金の調査機関であるワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の「2017年世界の金消費需要(宝飾品と現物投資)」によるデータです。

そこには自国通貨の不安定な状況を補完する現物資産としての需要だけではなく、金が豊かさの象徴であり、ステータスとして受け継いでいくというお国柄もあるようです。インドの結婚式では、花嫁は金の装飾品を身にまとい光り輝いています。

「有事の金」と言われる理由

金を持ちたいと考えるのは、個人だけではありません。国も政策として金を持っています。

同じくWGCが発表した「2017年世界の中央銀行の金保有量」に関するレポートでは、金保有量上位は米国、ドイツ、イタリア、フランスなどの先進国です。これらの国は、外貨準備(政府や中央銀行が、為替レートを安定させたり債務を支払ったりするために持っている外貨建の資産のこと)のうち金がおよそ65%~75%と高い割合になっています。

国内情勢の悪化などで自国の貨幣価値が下がっても国際価格である現物資産の金を保有していることでリスクを軽減する効果を狙っているわけです。金によるリスク分散ですね。

かつて「有事」と言えば、戦争や自然災害などでした。最近はこうした事象の発生はある程度予測できるようになってきています。今ではむしろ、リーマンショックのような金融危機やハイパーインフレなど経済要因のほうが脅威となってきています。

投資としての金の特徴、リスクも大事な判断材料

しかし気になるのが、「金を持つことで資産は増えるのか?」「リスクはないのか?」ということでしょう。

金の価格が上るタイミングは?

そもそも「金」は現物資産で、持っていても「金利」も「利息」も付きません。価格が変動するだけです。

「有事の金」といわれることからも、ほかの資産の価格が下がりそうな時こそ上昇を期待できます。

投資の基本は分散投資です。ほかの資産と異なる値動きをする金を持つことは、保有資産全体のバランスを保つ上で重要です。