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2020/07/23

株式投資の初心者におすすめしたい銘柄の探し方・考え方

(写真=metamorworks/stock.adobe.com)
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株式投資で成功するために重要なのが「銘柄の探し方」です。良い銘柄を探すための視点を備えていれば、保有する銘柄のラインアップを充実させ、成功確率を高めることができます。株式投資の初心者が知っておきたい銘柄の探し方や考え方を網羅的に解説します。

万人にとっての「おすすめ銘柄」は存在しない

まず、「100%値上がりする株」や「万人におすすめの銘柄」というのは存在しないことを、最初に説明しておきます。

株価はその企業の業績だけではなく、景気や流行によって大きく左右されます。また銘柄によってリスクやリターンの期待度も異なります。

そのため、銘柄選びをするときは個人個人が企業の業績や今後の景気を推測する必要があり、許容できるリスクの範囲によっても選ぶべき銘柄は変わってくるのです。

この記事で解説する内容は株式投資における視点や知識に関することですが、最終的に銘柄を選ぶ際には個人個人に各銘柄をよく精査する姿勢が求められることは、覚えておいてください。

銘柄の選び方、4つの視点

銘柄の選び方についてはさまざまな方法があります。それぞれのメリットやデメリットについて触れていきましょう。

身近な企業、身近な分野などから選ぶ

あなたにとって身近な企業・分野から銘柄を選ぶというのも1つの選択肢です。具体的には、自分の趣味の分野で事業活動を行っている企業や、普段からよく利用しているサービスを提供している企業の中から投資する銘柄を選ぶという方法です。

この選び方のメリットは、自分にとって身近な企業であることから、その企業の将来性やその分野の将来性が見通しやすい、という点にあります。自分にとって身近だという理由だけで選ぶと失敗しますが、きちんと「読み」を入れれば身近な企業から有望な銘柄を見つけることができるかもしれません。

自分の仕事に近い業界を選ぶ

先ほどは、趣味や私生活でよく利用するサービスなどから銘柄を選ぶという視点を紹介しましたが、自分の仕事に近い業界の中から投資する銘柄を探すというのも1つの方法です。その業界が自分にとって身近であれば、メディアも報じない小さくフレッシュな情報も集めやすく、これから業績が伸びると見込まれる企業を見つけやすいでしょう。

ただ、業界によっては先行きが今後不安視されているケースもあり、無理矢理その業界から投資銘柄を選ぼうとすると、結果として株式投資に失敗してしまうことがあります。そのため自分の仕事に近い業界だからといって特定の業界に固執せず、周辺の業界も含めて銘柄選びに臨むようにしましょう。

株主優待で選ぶ

株価の値上がりによる利益を追求するだけではなく、株主優待の恩恵を享受することに重点を置くというのも1つの考え方です。株主優待は一定数以上の株式を保有している株主に与えられる権利で、商品券の贈呈を受けられたり、割引サービスなどを利用したりすることができます。

企業によって株主優待の内容は異なるため、広く探せば個人の趣向に合う銘柄は多くの場合見つかるでしょう。ただ銘柄選びの際には、その企業の有望性も考慮するようにしましょう。自分に合った株主優待があり、かつ値上がりも期待できる銘柄を最終的に見つけられれば、その銘柄は長期保有する価値もあるのではないでしょうか。

配当で選ぶ(高配当銘柄)

事業で出た利益の一部を株主に還元することを「配当」と呼び、企業によって配当にあてる割合が多いか少ないかの違いがあります。配当にあてる割合が大きい銘柄を「高配当銘柄」と呼び、高配当銘柄を中心に株式投資を行っていくというのも1つの選択肢です。

ただ、株主優待という視点で銘柄を選ぶというときと同様、高配当銘柄を選ぶときにもその企業が今後伸びるかどうかを冷静に見極める必要があります。業績の悪化などによって株価が大きく下がれば、資産としての価値は当然目減りします。配当を多めに得ることができたとしても、結果的に損をしてしまうこともあるのです。

投資手法から考えるおすすめの銘柄選び

この項では「バリュー投資」「グロース投資」「モメンタム投資」「イベント投資」「デイトレード」という5つの投資手法について紹介し、それぞれの手法における銘柄の選び方についても触れていきます。

バリュー投資

「バリュー投資」は、その株式が割安だと考えられるタイミングで購入する手法です。割安なときに購入すれば同じ金額でより多くの株式を保有することができ、株価が底をついたときなどに購入すれば、その後の値上がりも期待できます。不況のときは多くの銘柄が値下がりするため、バリュー投資のチャンスでもあります。

ただ、その銘柄がさらに値下がりをする可能性も当然あるため、バリュー投資が万能かというとそうではありません。そのため、割安銘柄であってもその企業の業績や景気などの分析を怠らず、株価が元の水準に戻る可能性が高いと判断できそうな銘柄をきちんと選んでいくようにしましょう。

グロース投資

「グロース投資」の「growth」は日本語では「成長」という意味です。グロース投資はその呼び方のとおり、成長可能性が高い銘柄に投資することで将来的に利益を多く獲得することを試みる方法です。

企業の成長可能性は複数の視点から分析するのがポイントです。その企業が現在展開している製品・サービスの善し悪しだけではなく、その企業の経営者の手腕や参入している事業領域の有望性なども考慮し、急成長する可能性がある銘柄を見つけ出していくとよいでしょう。

モメンタム投資

「モメンタム(momentum)」は、経済学では「勢い」や「惰性」といった意味で使われます。つまりモメンタム投資とは、値上がりしている銘柄のさらなる値上がりを期待して購入する株式投資の手法となります。

一般的に、値上がりを続けている銘柄はその後も値上がりが続きやすいとされています。こうした傾向は過去の学術研究の分析結果でも明らかになっており、値上がりが半年間続いた銘柄は、その後の半年~~1年半にわたって値上がりが続く可能性が高いとされています。

株価のチャートをみれば値上がりが続いているかどうか分析するのは簡単なので、株式投資の初心者でも取り組みやすい投資手法の一つであるといえるでしょう。

イベント投資

「イベント投資」とは、企業の株価に大きな影響を与えるさまざまなタイミングに合わせ、利益をしっかり確保していこうという方法です。

企業の株価に大きな影響を与えるタイミングとは、例えば決算発表やその企業の製品が売れるシーズン、大型連休が始まる前、などさまざまです。銘柄によっては、毎年決まったタイミングで株価が値上がりしているケースもあります。そのタイミングに合わせて株式を購入することで、利益を確保しやすくなります。

デイトレード

「デイトレード」とは、証券取引所が営業している時間に何度も株式の売買を行い、短期的な値上がりによる利益を積み重ねていく方法です。もちろんデイトレードで損失を出すこともありますが、常にマーケットの動きをウォッチしておくことで、チャンスを掴みやすく、リスクを避けやすいといったメリットがあります。

デイトレードの場合、ある程度値動きが激しい株式でなければ、そもそもデイトレードの対象とする意味が見いだしにくくなります。そのため普段から多く取引されている銘柄を選ぶのがデイトレードのセオリーであるともいえます。

またデイトレードは常に株式マーケットの変動をウォッチする必要があるため、それ相当の労力と時間を必要とすることも覚えておきましょう。

ファンダメンタルズから考える銘柄選び

ファンダメンタルズを基に銘柄を選ぶという方法もあります。

ファンダメンタルズとは?

ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)とは、企業の経営状態・経済状態などを示す指標であり、売上高や営業利益などのほか、「PER」「PBR」「ROIC」「ROE」「ROA」などがあります。

株式投資を始めたばかりのころは、保有しようとしている銘柄の株価の過去の変動に気を取られがちですが、本当にその銘柄の成長力やリスクを図るためには、各銘柄のファンダメンタルズをしっかり分析していくことが非常に重要です。

PER、PBR

まずPERは「Price Earnings Ratio」の略語で、日本語では「株価収益率」と呼ばれます。PERは「株価÷1株当たりの純利益」という数式で算出され、簡単にいえば、現在の株価が「1株当たりの純利益」の何倍になっているか、ということを示す値です。

PERは低ければ低いほど割安株、高ければ高いほど割高株と判断することができます。日本の上場企業の平均的なPERは一般的には15倍程度となっており、PERが15倍よりも低めの銘柄は「買い時」ともいえますが、割安株でもそのあと利益を残せないこともあります。

続いてのPBRは「Price Book-value Ratio」の略語です。日本語では「株価純資産倍率」と呼ばれ、「株価÷1株当たり純資産」という数式で算出されます。つまり、その時点の株価が1株当たり純資産の何倍かということを表す指標ということです。

PBRも低いほうが割安、高いほうが割高と判断することができます。ただ上場企業の中でも創業からの年数が短い企業は純資産がそもそも少ないため、PBRがほかの企業よりも高くなりがちです。こうしたことを知っておかなければ、有望な新興企業をPBRが高いからといって見逃すことにつながります。

ROIC、ROE、ROA

ROICは「Return On Invested Capital」の略語で、日本語では「投下資本利益率」と呼ばれています。どれだけの資本を事業に投じ、結果としてどれだけの利益を得ることができたかが示され、数値が高いほうが上手に利益を得ることができたということができます。

ROEは「Return On Equity」の略語で、日本語では「自己資本利益率」です。ROEはROICとは異なり、株主による企業の「自己資本」でどれだけ利益を得ることができたかを示します。一般的にこの指標が高ければ高いほど投資家に与える魅力が大きくなります。

ROAは「Return On Assets」の略語で、日本語では「総資本利益率(総資産利益率)」と呼ばれています。資本を利用してどれだけの利益を得ることができたかを示しますが、業界によって平均的な数値は異なるため、早計な判断は要注意です。

企業業績(売上高、営業利益、経常利益、純利益)の流れ

この項の最初に、ファンダメンタルズとしては「売上高」や「営業利益」といった指標もあると説明しました。企業の四半期ごとの決算説明会では「売上高」や「営業利益」のほか「経常利益」と「純利益」も発表され、これら4つは銘柄選びの際に使える重要なファンダメンタルズとしてセットで覚えておきたいところです。

簡単にいえば、「売上高」は企業の営業活動で得られた金額であり、営業利益は「売上総利益(売上高-売上原価)」から「販売費および管理費」を差し引いて算出され、「本業での稼ぎ」を示します。一方の「経常利益」は「本業以外での稼ぎ」を示し、純利益は最終的な収益を表します。
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