「投資は難しい」「損する」と思って始めてないという人は多いでしょう。たしかに大儲けしようとすると損する可能性も高まりますし、成功するのは難しいでしょう。

しかし「大儲けはできないかわりに、損はしにくい」投資手法もあります。それは「積立」です。積立というと預貯金をイメージする人も多いと思いますが、「積立投資」も立派な、リターンも期待できる投資のやり方なのです。

積立投資のメリット(1) 高く買わされる危険性が減る

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まず積立投資が優れているのは「投資タイミングを分散できる」からです。これを「時間分散」といいます。

資金を一括で投資すると、買った商品がたまたま値上がりしきったところだったら、その後にマイナスを取り戻すのは難しくなります。また相場全体が大きく崩れたりすると、一気にマイナスになってしまいます。

投資の基本は安い時に買って高い時に売る、です。とはいえ安い時に一括投資できればいいのですが、価格の予想はプロでも難しいもの。

毎月など一定のタイミングで少しずつ買うことで、「高値づかみ」の危険性を減らします。

さらに「ドルコスト平均法」と呼ばれる手法も有効といわれます。これは毎月、同じ額だけ商品を買っていく手法です。たとえば投資信託を1万口(投資信託の単位は「口」です)ずつ買っていくのではなく、毎月1万円ずつ買う、といったやり方です。

この方法のよいところは、購入金額を一定に保つことで、価格が高い時は少し買い、価格が安い時はたくさん買うことができることです。長期的には平均購入単価が下がることが多く、一括投資より利益が増えることが多いのです。価格の変動に一喜一憂せずに投資を続けられることもメリットです。

積立投資のメリット(2) 複利でどんどん増やせる

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積立投資では「複利の効果」が得られることも魅力です。複利とは「利息にもまた利息がつく」ことです。

たとえば100万円を利率2%で1年間預金したとします。1年後には102万円になります。2年目はこの2万円も含めた「102万円」に対して利息がつくので、2年目の結果は104万円ではなく、104万400円となります。この400円は、最初の年に利息である2万円についたものです(複利に対するのが「単利」で、この場合はついた利息には利息がつきません)。

投資信託のような商品であれば、商品の中で利益を再投資しながら運用をしているため、複利効果が得られます。もちろん預貯金のように元本割れ(買った時の価格を下回ること)しないという保証はありません。

何年でいくらになるか計算してみよう

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積立投資はコツコツと長い期間をかけて増やしていくものです。逆に「60歳までに1,000万円貯めるには毎月いくら必要か」という視点で計算してみましょう(あくまで例示のシミュレーションのため、税金や手数料などは考慮しません)。

たとえば想定利回り(年率)が3%の場合。40歳なら20年で、毎月約3万円必要です。元金は約731万円になります。(運用収益は269万円)いま50歳なら、10年しかありませんから、毎月約7.1万円必要です(元金約858.7万円)。(運用収益は141.3万円)

あくまでシミュレーションとして想定利回り(年率)が5%の場合を計算してみると、40歳なら毎月約2.4万円(元金約584万円)、50歳でも毎月約6.4万円(元金約773万円)となります。

ここで重要なのは「早く始めたほうがいい」ということです。早く始めるほど毎月の積立額は少なくて済むのです。