増やす
2020/06/28

米国株なら25年連続増配も!連続増配銘柄から見る株式投資の始め方

連続増配銘柄は、配当金と売却益の両方を狙える株式銘柄のひとつです。本記事では、連続増配銘柄の特徴および、投資するうえでのメリット・デメリットを解説します。これから購入できる狙い目の銘柄も、併せて見ていきましょう。

連続増配銘柄とは?その魅力、価値について

連続増配銘柄とは、一年間に出される1株当たりの配当金が、毎年増え続けている銘柄です。ここではまず、連続増配銘柄の基本事項を解説します。また、株式投資の仕組みも併せて確認します。

そもそも株式投資とは

株式投資とは、事業に必要な資金調達手段として企業が発行する「株式」に投資をし、利益を得る投資方法です。株式は証券市場で売買しますが、株価は毎日変動するため元本の保証はありません。

株式投資で投資家が得られる利益には、以下の3つがあります。
  • 売却益(キャピタルゲイン)
  • 配当(インカムゲイン)
  • 株主優待
売却益とは、購入時よりも高い株価で株式を売却することで得られる利益です。例えば、10万円で購入した株式を15万円で売却すると、売却益は5万円(=15-10万円)となります。配当とは、株式を保有している間に得られる利益です。企業活動で生み出した収益を原資とし、株主に支払われます。

株主優待とは、株主に対し企業が優待品を贈る制度です。企業の商品だけでなく、割引券やサービスなども贈られます。株主優待は企業により特徴があるので、株式投資の楽しみとして考えてもよいでしょう。

連続増配銘柄の特徴

連続増配銘柄とは、配当を毎年増やし続けている銘柄です。特に50年以上も連続増配している銘柄を配当王銘柄、25年以上にわたり連続増配している銘柄を配当貴族銘柄といいます。連続増配銘柄には、増配の金額などの規定はありません。少額ずつでも増配が続いていれば、連続増配銘柄となります。

連続増配銘柄の特徴は、安定した業績を出し続けている企業が多い点です。長く企業活動をする間には、業績を左右するさまざまな社会的・経済的要因が発生することもあるでしょう。そのような中で長期に渡り、前年よりも高い配当を出し続けるのは簡単ではありません。つまり連続増配できる企業は、社会的・経済的な要因に大きく左右されることなく、安定した業績を出し続けられる企業といえるのです。

高配当銘柄との違い

高配当銘柄とは、配当利回りが高い銘柄をいいます。配当利回りは、購入した株価に対し、1年間で得られた配当の割合です。配当利回りは、以下の式で求めます。

・配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株購入金額×100

2020年4月現在、東証一部全銘柄の平均配当利回りは、およそ2.2%です。それと比較し、配当利回りが高い銘柄は高配当銘柄といえるでしょう。

なお高配当銘柄においては、配当の継続性は重視されません。よって高配当銘柄に投資する際は、減配や無配になる可能性を知っておくことが重要です。

連続増配銘柄におけるメリットおよびデメリットとは

連続増配銘柄に投資する具体的なメリットには何があるのでしょうか。デメリットと併せて確認しましょう。

連続増配銘柄に投資する3つのメリット

連続増配銘柄に投資するメリットには、以下の3つがあります。

1.インカムゲインとキャピタルゲインを狙える
先述のとおり、連続増配銘柄の多くは、安定した業績を出し続けている企業です。よって、将来の株価の上昇も期待できます。連続増配銘柄への投資は、定期的なインカムゲイン(配当)を得ると同時に、キャピタルゲイン(売却益)の獲得も期待できるでしょう。

2.配当利回りが年々増加する
連続増配銘柄を保有し続ければ、配当利回りも上がっていきます。例えば、1株当たり1,000円で購入した株があったとしましょう。経過年数ごとの配当金の推移と配当利回りのシミュレーションを、表1に紹介します。

表1.配当利回りのシミュレーション
保有年数(年) 配当金額(円) 配当利回り(%)
1 20 2(20円÷1,000円×100)
5 25 2.5(25円÷1,000円×100)
10 30 3(30円÷1,000円×100)

このように、連続増配銘柄を長期で保有することで、将来的に高い配当利回りでの運用を目指せるのです。

3.株主を大切にする経営方針の企業に投資できる
連続増配企業の多くは、株主を大切にする経営方針をとっています。企業活動で得た利益のうち、どのくらいを配当として還元するか(配当性向)は、企業の経営方針により異なります。増配を続けている企業は、利益をきちんと投資家に還元し続ける経営方針だといえるでしょう。

なお連続増配企業の場合、配当性向が必ずしも高いとはいえません。企業の将来的な成長のために、利益を再投資しているケースもあるからです。また、企業の体力を高めるため「内部留保」を増やすことを優先し、配当を調整している場合もあります。

このように、連続増配銘柄においては企業の継続的な成長を勘案したうえで、投資家に対し適切な配当金額が出されていることがポイントとなります。

連続増配銘柄への投資には、2つのデメリットも

連続増配銘柄に投資する際の注意点は、以下の2つです。

1.短期的に大きな利益は狙いにくい
連続増配企業は、安定した業績と継続的な増配を目指しているため、短期的に大きな利益は上げにくいと考えられます。連続増配銘柄に投資する際は、時間をかけた資産形成を目指すことが重要です。

2.減配や株価が値下がりするリスクも
連続増配銘柄とはいえ、今後も増配が続く保障はありません。十分な配当実績がある企業でも、何らかの理由により業績が悪化し、減配もしくは株価が著しく下がるリスクは存在します。

なお、株価が下がったとしても、それまでに長期で配当を得ていた場合、値下がりによる損失を相殺できます。例えば、配当利回りが3%の銘柄を10年保有し続けると、投資額の30%にあたる利益を得られます。10年後に株価が下落していたとしても、30%の下落までは損失を相殺できるでしょう。

連続増配銘柄はどうやって見つける?

連続増配銘柄をまとめた一覧表などは、ありません。個人投資家がブログなどで紹介している情報を参考にはできますが、実際に投資を始めるにあたっては、銘柄を判断するポイントを知っておくことが重要です。

ここでは、銘柄をチェックする際のポイントを3つ解説します。

(1)連続増配年数

連続増配銘柄を判断するにはまず、増配が続いている期間を確認しましょう。後述しますが、日本では連続増配銘柄は多くありません。国内の銘柄であれば、10年以上の増配があるかで判断しましょう。アメリカであれば、さらに長い期間の連続増配銘柄がたくさんあります。

(2)配当利回り

連続増配銘柄の配当利回りは、平均と比べて必ずしも高いわけではありません。高い利回りだと、継続的に増配できない可能性があるからです。1~3%程度の配当利回りで増配を続けている銘柄を選びましょう。

(3)10年間のCFPS(シー・エフ・ピー・エス)およびEPS(イー・ピー・エス)をチェックする

CFPSとEPSは、企業の健全性と成長性を確認できる指標です。CFPSとEPSは、今後も連続増配が続くかを判断する材料として活用できます。

・CFPS(1株当たりのキャッシュフロー)
CFPSとは、1株当たりどれくらいキャッシュフローを生み出したかを表す指標です。CFPSは、以下の式で求めます。

CFPS=(当期利益+減価償却費)÷発行済み株式数

CFPSが示すのは、企業の利益がどのくらいのキャッシュフローに裏打ちされているかであり、値が大きいほどよいとされます。

・EPS(1株当たりの利益)
EPSは、1株に対して最終的な当期純利益がいくらあるかを示す指標です。EPSは以下の式で求めます。

EPS=当期純利益÷発行済み株式総数

EPSを計算することで、企業の収益性を知ることができます。また、EPSを用いた競合他社との収益性の比較も可能です。EPSが前年に比べ増加している場合は、企業が成長を続けていると判断できるでしょう。

アメリカには25年以上、連続増配銘柄も多数!なぜアメリカに多く日本には少ないのか

連続増配銘柄は日本ではまだ多くありません。一方、アメリカでは25年連続増配銘柄もあります。その違いには何があるのでしょう。

日本において連続増配銘柄が少ない理由

日本における連続増配銘柄が少ない理由は、内部留保が多いからといわれます。内部留保とは、企業が得た利益から税金や配当、役員報酬などを差し引き、社内に蓄積されたものです。2014~2018年における内部留保額の推移を表2に紹介します。

表2.2014~2018年における内部留保額の推移(単位:円)
  2014 2015 2016 2017 2018
全産業 354兆
3,775億
377兆
8,689億
406兆
2,348億
446兆
4,844億
463兆
1,308億
製造業 123兆
1,460億
131兆
8,841億
140兆
5,858億
153兆
3,205億
163兆
6,012億
非製造業 231兆
2,315億
245兆
9,848億
265兆
6,489億
293兆
1,639億
299兆
5,296億
※全産業および非製造業には、金融業・保険業は含みません

この表からも、日本企業における内部留保額が増え続けているのがわかります。では、内部留保額は何のために蓄えられているのでしょう。そこには、2つの理由が考えられます。

・内部留保する理由1:将来の不測の事態に備えるため
内部留保が必要な理由の1つは「備え」です。安定的な業績を出している企業でも、世界情勢や自然災害といった不測の事態により、業績が悪化することがあります。そのような場合においても経営危機に陥らないよう、内部留保が行われているのです。留保している現金は、従業員の雇用や給与水準を維持するために活用されることもあります。

・内部留保する理由2:事業拡大の資金として利用するため
内部留保が行われる理由の2つめは、設備投資や企業買収・子会社設立といった、事業拡大の資金として利用するためです。適切なタイミングで十分な事業拡大ができるよう、ある程度の内部留保額が確保されています。

アメリカではなぜ、連続増配銘柄が多いのか

アメリカにおいて連続増配銘柄が多い理由は、利益を株主に還元するという考えが根強くあるからです。アメリカでは、株主の出資により、企業活動が成り立っていると考えられています。そのため、企業は投資家に対し、利益の還元を積極的に行います。また、配当が少ない企業に対しては、投資家が配当の要求を行うこともあるのです。

アメリカの連続増配銘柄を紹介

アメリカでは、30年以上連続増配している銘柄が、50以上あります。単なる連続増配銘柄だけでなく、配当王や配当貴族銘柄が多くある点も特徴です。ここでは、表3を用いて、アメリカの連続増配銘柄の一例を紹介します。

表3.アメリカの連続増配銘柄例
会社名 セクター 連続増配年数(年)
P&G(ピー・アンド・ジー) 生活必需品 63
コカ・コーラ 生活必需品 58
ジョンソン・エンド・ジョンソン ヘルスケア 57
ウォルマート 生活必需品 45
マクドナルド 一般消費財 44
シェブロン 資本財 30

P&Gは、スキンケア用品や洗剤・ベビー用品など、幅広い製品を世界中で販売する企業です。ジョンソン・エンド・ジョンソンは、ヘルスケア製品や医療製品などを製造・販売しています。また、コカ・コーラは世界最大の飲料メーカーであり、マクドナルドは店舗数が世界2位の大手ファーストフードチェーンです。

このように、長年に渡り連続増配を達成しているのは、人の生活に欠かせない製品やサービスを提供している企業だといえるでしょう。

日本で狙い目の連続増配銘柄は?

日本において、もっとも長く増配を続ける企業は花王です。花王は、スキンケア・ヘアケア製品やファブリック・ホームケア製品などを扱っており、2019年には30年連続の増配を達成しました。

日本では、花王以外の配当貴族銘柄はありません。しかし、近年では株主還元の意識も高くなっており、増配を続ける企業が増えています。日本において、10年以上の増配を続けている企業の一例は、表4のとおりです。

表4.日本で10年以上連続増配を続ける企業例
企業名 セクター 連続増配年数(年)
リコーリース 金融 24
SPK(エス・ピー・ケー) 卸売業 20
小林製薬 ヘルスケア 20
トランコム 倉庫・運輸 19
KDDI(ケイ・ディ・ディ・アイ) 情報・通信 17

日本でも、前述の花王や小林製薬など生活必需品を扱う会社が増配を続けています。そのほか、リースや情報・通信企業において、連続増配銘柄が多くあります。
1 2
Page 1 of 2
PREV 目指せ投資家!AIが資産を運用するお手軽投資アプリ4選
NEXT 資産運用の区分けを初心者向けにプロが解説

続きを読む






Feature