日本におけるワインの流通量は、ここ数十年で飛躍的に伸びています。デパートやレストランだけでなく、居酒屋にも置かれるようになってきましたし、ワインコーナーにかなりの面積を割いているスーパーも増えてきました。

これらは、普段飲みのお酒としてワインを選ぶ人が増えてきたことの表れですが、それだけでなく、「ワイン愛好家」と呼ばれるほどワイン通の人々も、年々増えているといいます。

ワインが他のお酒とは違う存在とされるのは、その長い歴史と、多種多様な種類が世界中で作られているという背景が理由の一つでしょう。ワインの奥深い世界に深くハマりあまり、熱狂的なコレクターになったという人も、世界中に大勢存在します。

そんなワインだからこそ、実は投資の世界でも大変魅力的な資産になっていることをご存じでしょうか? 今回は「ワイン投資」について詳しく解説していきます。

ワインに投資するとは?

「ワイン投資」とは、比較的若いワインを投資用として購入し、熟成させて価値を高めてから売却して利益を得るという投資方法です。

ワインにはそれぞれ飲み頃があります。特に高級ワインと呼ばれるものは、長期熟成させることでより味わい深くなり、価値が上がると言われています。さらに、ワインは1年の製造量が限られており、通常、高級ワインには収穫した年号(ヴィンテージ)が付けられます。

ワインは嗜好品ですから、古いヴィンテージであるほど年々消費され、絶対量は少なくなっていきます。これが希少価値を生み、価格をさらに押し上げるわけです。

ワイン投資のメリット

ワイン投資には次のような4つのメリットがあります。

メリット1.「実物資産」であること

ワインは、そのもの自体に価値がある「実物資産」です。株式投資のように、会社が倒産したら株券の価値がゼロになってしまうということがありません。

それも、高級ワインの価値は過去25年で年平均15%の上昇が見られるなど、非常に注目度の高い資産なのです。つまり、ワイン投資は価値が下がるリスクが低く、長期的な価値の上昇の見込みが高いといっていいでしょう。

メリット2.インフレに強い

「インフレ」とはお金の価値が下がること。お金の価値が下がれば、相対的にモノの価値は上がります。実物資産がインフレに強いと言われる理由ですね。

簡単に言うと、通常1万円で買えるワインが突然1万5000円に値上がりしたとします。これが「インフレが起きている状況」で、このワインの価値はインフレによって5000円上がったということになります。

ワイン投資はインフレ対策にもつながりますので、ハイパーインフレが起こっている新興国の富豪などからも非常に人気があります。

メリット3.分散投資の選択肢の一つとして有力

資産形成するうえで、分散投資はリスク低減の重要な要素です。実物資産であるワインは、分散投資の選択肢の一つとしても有力だと言われています。

メリット4.運用の手間がかからない

ワイン投資は、現物を購入して保管場所を確保できたら、あとは価値が上がるのを待つだけ。投資のやり方としては非常にシンプルです。金融の専門知識が必要というわけでもなく、運用の手間がかからないのは魅力ですね。