年収800万円はセレブと思われるかもしれませんが、お金の使い方によっては生活がかなり厳しくなる可能性も。実際にシミュレーションしてみましょう。

年収800万円の実際の手取り月収と家賃

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年収800万円の場合、税金を支払った後の実際の手取り月収は約50万円です。この金額を元に、東京23区在住で妻が専業主婦、小学生の子供が二人いる四人家族を想定してみましょう。

東京23区内における2LDK、3K、3DKの平均家賃は約21万円です。月収50万円、家賃21万円とした場合、家庭で使える自由な金額は月に約29万円になります。

ちょっと無理してしまいがち?習い事や進学はどこまでできる?

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小学生の子供がいる場合、気になるのが教育費です。教育費は、習い事や通っている学校が私立か公立かによって大きく変わります。

例えば、習い事として人気のあるピアノ、水泳、英会話に週一回ずつ通うと、月謝の総額は一人当たり2万6,000円程度になります。子供二人だと5万2,000円です。さらに、受験を視野に入れて塾に通うとします。受験塾として有名な四谷大塚の場合、小学4年生で4教科受講すると一人3万3,000円の月謝になります。

習い事と中学受験のための塾を考えると、一人当たり6万円ほど、二人の場合は約12万円が毎月かかることになります。子供が中学生になるとさらに塾代が高額になりますし、私立の小学校や中学校に進学すると、公立よりも高い学費がかかります。

年収800万円の家庭で子供が私立に進学する場合、教育費が家計の負担になるということが想像できます。子供の教育にはお金をかけたいと思うものですが、その分ちょっと無理をしてしまいがちな部分でもあると言えそうです。

専業主婦の妻は働かなくても大丈夫?

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イオン銀行が運営する「タマルWeb」によれば、住居費と教育費を抜いた家族四人の平均月間支出は15万9,250円です。上記で試算した教育費のことを考えると、子供を私立の学校に行かせる場合は特に、妻が専業主婦だと金銭的に厳しいかもしれません。

もちろん、子供の習い事や塾のサポートを考えると、お母さんが家にいて全面サポートできる点はメリットだと言えます。しかし、子供二人に均等に習い事をさせ、私立への進学を考える場合は、妻も働くことを検討した方が良いかもしれません。

毎年一回の海外旅行はぜいたく?

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家族のレジャーや万が一の場合に備え、可能であれば月に3万円は貯蓄に回したいところです。貯めたお金を家族旅行に使うこともできるでしょう。ただし、月3万円ずつ一年かけて貯めた36万円では、家族4人でぜいたくな海外旅行に行くのは難しいかもしれません。

例えば、ハワイに大手旅行代理店のツアーを利用して行く場合、最低でも一人10万円程度かかります。四人分と考えると月3万円の貯蓄一年分では間に合わず、現地で使うお金を考えても明らかに足りないことが分かります。

日常生活の中で何を重視するかにもよりますが、教育費も家族レジャーも全てを満足にというのは難しいのかもしれません。