家族
2020/04/24

介護で借金地獄に…!今から考えておきたい介護とお金のエピソード

カネの切れ目は縁の切れ目。愛情が豊かな家庭でも、うまくいかない家計には不幸が忍び寄るものです。

このシリーズでは、本当にあった家計の事件を取り上げ、やってはいけなかった行動と、解決の手段を紹介します。

お悩み:子育てが終わり、老後に向けて準備のはずが

 
田中卓さん(仮名)会社員・56歳(家族:妻55歳、子26歳・23歳)

「2人の子どもが就職して、後は自分たちの老後について考えていこうとしているときでした。一人暮らしをしていた母に介護が必要になりまして」

そう言って頭を悩ませているのは、会社員の田中卓さん(56歳)です。

父親が亡くなって以来、一人暮らしをしていた田中さんの母親(81歳)が階段から滑って足を骨折したことで、介護が必要となりました。妻も体が弱く、病気がちで、老老介護(高齢者同士の介護)状態になることは目に見えていたので、介護施設を探すことに。そこで思わぬ出費が発生することになったのです。

「施設の利用料などは、母の年金から支払えばいいと考えていたのですが、公的な施設はどこもいっぱい。民間の施設でお願いしたら、母の年金だけでは足りなくなってしまったんです」

母親に年金以外の収入があるわけでもなく、兄弟姉妹もいない田中さんは、自分たちの老後に備えるどころではなくなりました。

遠方に住んでいる妻の両親は、健在で元気に過ごしているそうですが、今後、介護が必要になったりしたら…。田中さんの不安は尽きません。

原因1:親の介護は想定外だった


同居していない家族の介護は、家計への影響を忘れがちです。田中さんも自分の親は大丈夫だろうと安心しきっていました。

現在、家族を介護している日本人は「50~59歳」の割合が最も高くなっています(総務省「平成29年就業構造基本調査」より)。つまり、30歳前後で子どもが生まれた方は、その子どもが成人となって就職する前後の時期と、親の介護が発生する時期が重なることが分かります。

就業者の介護従事者割合(年齢別)
出所:総務省「平成29年就業構造基本調査」

公的介護保険制度の趣旨には、「できるだけ在宅で、自立できるよう支援する」とあります。在宅で介護、または要支援者向けの介護予防サービスを受けた人は約384.4万人、施設に入所してサービスを受けた人は約95.2万人です(厚生労働省の「介護保険事業状況報告(月報・暫定)」令和元年9月版[同年12月6日発表])。

つまり介護・支援者の4人に1人は施設を利用しており、要介護5(最も介護が必要とされる水準)に近いほど、施設利用率は上がる傾向にあります。

また、介護期間の平均は「5年弱」となっています(生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査(平成30年度)」)。

人生100年時代と言われる昨今、介護期間の長期化が予想されるため、将来の生活設計には、親の介護も考慮しておく必要があるのです。

原因2:老後の資産形成は「子育て後」と考えていた

 
機会を見て老後の備えを考え始めようとしていた田中さんですが、普段の生活や子育てに追われているうちに、つい後回しに。その結果、いま正に、大きな問題として立ちはだかることになってしまいました。

現役世代は仕事だけでも忙しいものですが、子育て中はさらに大変でしょう。しかし、老後のお金の準備をするなら、時間を味方につけて長期的に取り組むことが重要です。
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