48歳のUさんは、離れて暮らす高齢の母親が最近体調を崩しがちなのを気にかけています。親の健康状態はもちろんですが、一人っ子のため何かあったときに支えられるのは自分しかいないということもあり、今後介護や施設への入居が必要になったらいくらくらいかかるのか、金銭的な不安も抱えています。

親を支えるために必要なお金

(写真=PIXTA)

Uさんは現状、お母さんの様子を見るために毎月一度は必ず帰省するので、交通費として月2万円ほど使っています。手取り月収が約22万円のUさんにとって軽い出費ではありませんが、今のところまだ月1万円ずつの貯金はできていて家計のやりくりは何とかなっています。

問題は今後です。なんとなくお金がかかりそうな気はするけれど、いくらになるかはわからないというのがUさんの不安の根底にあるようなので、まずはざっくりと知っておきましょう。

医療費

Uさんのお母さんは80歳です。厚生労働省の「平成29年度医療給付実態調査」によると、80~84歳の医療費の平均は年間約92万円となっています。

75歳以上なら後期高齢者医療の対象です。この場合、医療費の負担は通常の3割ではなく1割になります。また、「高額療養費」という制度があるので、70歳以上で年収156万円~370万円の場合、申請すれば自己負担する医療費の上限は1世帯当たり5万7,600円までで済みますよ。

介護費用

生命保険文化センターが行った調査によると、介護にかかった費用は住宅改造や介護用ベッドの購入などの一時的な費用が平均69万円、月々の費用が平均7万8,000円でした。平均の介護期間が54.5ヵ月(4年7ヵ月)ですので、トータルで494万1,000円(69万+7.8万×54.5ヵ月)が目安です。

医療費と介護費の合計が一定額以上になったときは「高額介護合算療養費」という制度の対象になり、自己負担が抑えられます。国の介護保険も利用できますので、あわせて覚えておくとよいでしょう。