家族
2019/09/20

親が自宅を残して他界。「やるべきこと」と「相談相手」は?

(写真=Twinsterphoto/Shutterstock.com)
(写真=Twinsterphoto/Shutterstock.com)
親が自宅の土地や建物を残したまま亡くなると、悲しみの中にありながら、さまざまな相続手続きを行わなければなりません。この際の手続きが遅れると、のちに大変な状況を招くことがあります。親が他界したあと、最優先で進めておきたいのが「スムーズに相続の手続きを行う」ということです。ただ、相続は亡くなった親と遺族との関係から、「相続できるのは誰か」「どのくらいの割合で相続できるのか」といった条件が異なります。

さらに、遺言書を見つけたり借金があったりしたときなどは、手続きの進め方に違いがあるため注意が必要です。今回は、世間でよく耳にする相続モデルを例として、手続きのポイントや注意点について解説します。

相続人と相続財産を確定する

ここでは、亡くなった父(被相続人)に相続人である配偶者と子ども2人がいるケースで考えていきましょう。まず、父が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本を取り寄せて相続人を明らかにすることが必要です。民法の相続で定められている法定相続分は、父の配偶者(母)が2分の1、残りの2分の1を子で分けるので、長男と次男がそれぞれ4分の1を相続する権利があります。

そして、父の残した自宅の土地や建物などの不動産、それに預貯金がいくらくらいなのかを調べましょう。なお、遺産には負の財産となる借金も含みます。もし、不動産や現金を合わせた相続財産より借金や抵当などの負債の方が多ければ、限定承認や相続放棄という方法を取る必要があるかもしれません。そのため、遺産の調査は慎重に進めていきましょう。

相続財産評価から遺産分割協議まで

自宅の土地や建物は、購入時の金額ではなく死亡時の価値を相続税の計算式に則って算出します。不動産の評価基準は、土地は国税庁の路線価を用い、路線価が定められていない地域は市区町村の固定資産税評価額を用いるのが一般的です。一方、家屋は固定資産税評価額と同額で評価し、相続評価の調査とあわせて遺言書がないかどうか探します。

亡くなった人が自署した自筆証書遺言を見つけたとき、封印してある場合は開封してはいけません。そのままの状態で家庭裁判所に持ち込み「検認」を受けましょう。なぜなら、民法1004条3項で、封印のある遺言書は家庭裁判所で相続人や代理人の立ち会いがなければ開封することができないと決められているからです。なお、万が一開封してしまっても検認を行うことはできます。

一方、公正証書遺言を作成している可能性がある場合は、公証役場で遺言書の有無を調べてもらえます。なお、相続税の申告や納税は10ヵ月以内に行わなければなりません。したがって、相続人で遺産の取り分を話し合う遺産分割協議を早めに開かないと、申告や納税が遅れた場合には延滞税が課されるので注意しましょう。

遺産分割協議では、預貯金を分ける割合をはじめ、自宅の土地と建物を誰が引き継ぐのかを話し合います。この場合、土地は母、建物は子どもといったように不動産を分けて相続することも可能です。今後自宅に住まないケースや話し合いで決まらなかった場合は、不動産を売却して相続人で分けることもできます。
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