家族
2019/02/28

親の介護は情報戦。お金の流出を防ぐ3つの公的制度

(写真=siro46/Shutterstock.com)
(写真=siro46/Shutterstock.com)
介護保険制度が導入されて約17年、1~2割の自己負担で介護サービスが受けられる公的介護保険は要介護者の家族にとって頼りになる存在となっている。しかし、介護は終わりが読めず、いつまでに、いくらかかるのか、介護費用に悩まされる人が増えている。そんな親の介護において、お金の流出を防ぐ努力が子世代としては重要となる。そこで今回は、膨らみがちな介護費用を抑えられる、3つの公的制度をご紹介しよう。

1. 高額療養費制度の介護版「高額介護サービス費制度」

公的健康保険の高額療養費制度はご存じの方も多いだろう。ひと月の医療費の自己負担額が一定の金額以上になった場合、オーバーした分を払い戻してもらえる制度だ。この介護保険版が、「高額介護サービス費制度」だ。

<世帯の限度額>
払い戻しの基準になる月の限度額は、本人だけでなく世帯の所得で決まる。
 

厚生労働省:周知用リーフレット(高額介護サービス費の負担限度額の見直し)より

一般的な所得の世帯で、世帯の負担上限額は月額3万7200円だ。一方で、介護保険を利用してサービスを受ける場合、そもそも受けられる総額には上限がある。

<居宅サービスの1ヶ月あたりの利用限度額>
要支援1:50,030 円
要支援2:104,730 円
要介護1:166,920 円
要介護2:196,160 円
要介護3:269,310 円
要介護4:308,060 円
要介護5:360,650 円

厚生労働省・介護サービス情報公表システム・介護保険の解説より

限度額の範囲内でサービスを利用した場合は、1割(一定以上所得者の場合は2割)の自己負担 となる。

最も多くサービスを受けた場合の自己負担額は月額で約3万6000円だ。

【要介護5の居宅サービス、基準額、1割負担の例】
つまり一般的な所得の世帯で要介護者が一人の場合は、高額介護サービス費制度の恩恵を受けることはできない。設定されている負担上限額(3万7200円)が、実際に受けられる上限(3万6000円)を上回っているからだ。

高額介護サービス費制度の恩恵を受ける可能性があるのは、
  • 自己負担の割合が2割(現役並み所得者)
  • 非課税世帯
  • 世帯に二人以上の介護サービス利用者がいる場合
などである。

【一般的な所得の世帯夫婦で3万円ずつのサービス利用・自己負担額を支払っている場合】
  • 世帯の負担上限額 : 3万7200円
  • 3万円×2-3万7200=2万2800円
  • 申請により、2万2800円が払い戻しされる
<手続き>
限度額を超えて払い戻しの対象になった場合、約3ヶ月後に要介護者本人宛てに市区町村から通知と申請書が届く。対象になるかは知らせてもらえるが、払い戻しを受けるためには窓口に出向くか郵送で申請する必要がある。

<対象外の費用>
制度の対象外の介護費用もあるので覚えておこう。
  • 施設サービスの居住費(滞在費)、食費、雑費など、生活費的な費用は対象にならない。
  • 福祉用具の購入費、住宅の改修費も対象外
  • 介護保険外のサービス利用料(利用限度額を超えて、全額自己負担の分)も対象外
    親御さんがあてはまる限度額を把握しておくと、年間の介護費用の見通しが立てられるだろう。
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