家族
2019/01/08

子供連れの再婚「ステップファミリー」の困難

(写真=PK Studio/Shutterstock.com)
(写真=PK Studio/Shutterstock.com)
子供を持つシングル親が再婚を考えるとき、一番気がかりなのは子供のことだと思います。しかし、日本ではまだロールモデルとなるようなステップファミリー像が広まっていないうえに、当の子供の気持ちを汲み上げる仕組みも整備途上であるのが現状。

ステップファミリーという新しい家族関係をスムーズにスタートさせるためには、どういったことを心に留めておけばいいのでしょうか。「子供の気持ち」に焦点を当てて、その視点からの「再婚」を探ってみました。

子連れ再婚の現況をデータから見る

(写真=Folya/Shutterstock.com)

まず、日本の離婚と子供を巡る現状をデータから知っておきましょう。『平成29年人口動態統計』(厚生労働省、2017年)を見てみます。

子供を持つ親の離婚はどのくらい?

2017年の離婚の総数は21万2262件。そのうち20歳未満の未婚の子供を持つ夫婦の離婚は12万3397件で、全離婚件数の58.1%に当たります。これを子供の側から見ると、全国でおよそ21万4000人の子供が親の離婚を経験したことになり、20歳未満人口の約1%に相当します。

子連れの再婚はどのくらい?

次に再婚の状況を見てみましょう。2017年の婚姻総数に占める再婚の割合は、男性が19.5%、女性が16.7%です。1970年の再婚率と比べると2倍以上の伸びを示します。再婚率は、年によって微増減はあるものの、50年間一貫して増加傾向にあります。

このデータには子供のないケースとあるケースの両方が混ざっていますが、上で見たように子供を持つ親の離婚は全離婚の約6割。この割合は1970年からほとんど変わっていません。つまり子供を連れての再婚も、同様に増加していると見てよいでしょう。

親の離婚と再婚、子供の思いは:新川明日菜『ママまた離婚するの⁉』

(写真=chuanpis/Shutterstock.com)

親の離婚と再婚に直面する子供たちはどんな思いを抱えているのでしょうか。自身も母の離婚を3度経験し、やがてNPO法人で離婚家庭の子供たちのサポート事業を始めることになる新川明日菜さんの著書『ママまた離婚するの⁉離婚家庭で育った子どもの気持ち』(東京シューレ出版、2013年)から、リアルな声を見てみたいと思います。

離婚と再婚を繰り返す母への葛藤と和解

新川さんがまず吐露するのは、離婚と再婚を繰り返す母親への割り切れない気持ちです。離婚による傷つきと母への不信感。強い姿勢を崩さない母への不満もありました。

新川さんの気持ちが徐々に変わり始めるのは、成人した後のことです。若かった母への共感と理解、実父との再会による父親のリアル像の受け止め。やがて母と一緒に離婚家庭に関わる仕事や情報発信を始め、その過程で自分の過去の辛さや不満を出し切り受け止めてもらったと感じたとき、彼女は母を許し、母を好きになることができました。

離婚家庭の子供同士で繋がる、思いを語り合う

新川さんは母との仕事の途中で同じように離婚家庭の子供だった女性と出会い、彼女をパートナーに自身の活動を展開し始めます。子供たちが本音を語れる交流会や合宿の開催、日常的に子供たちに寄り添い話を聞く「家庭教師」事業のスタート。

そこで彼女が確信していったのは、子供たちは親に対し冷静で鋭い観察眼を持ち自分なりの考えを持っていること、その思いを共有し共感しつながり合うことの重要性。そして、親の離婚の当事者である子供の意思を社会に反映させていくことの必要性でした。

子供は自分の気持ちをはっきりと持っている

新川さんは「子供のことは子供に聞くのが一番!」と言います。彼女は「そもそも親が離婚すること自体子供にとっては酷なこと」と指摘したうえで、それでも子供を持つ親や家族に対しての気持ちを聞かずによかれと思って勝手に話を進める方がよっぽど酷、と明言します。希望通りにいかなかったとしても、親が自分の気持ちを聞いてくれたという事実が大切なのだ、ということも。

2013年、「家事事件手続法」の施行により、離婚の際に子供が影響を受ける事項について「子供の意思を把握するように努め、これを考慮しなければならない」ことが規定されました。日本では従来、子供は離婚の当事者から見落とされがちでしたが、変化の兆しが見え始めています。
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