結婚には、お金が必要だと言われる。実際、内閣府の調査によると、約半数の人が、結婚するにあたっては、夫婦の年収は500万円以上必要だと答えている。となると、収入が高い人の方が、結婚しやすいと考えるのは当たり前のことだろう。

しかし、実際は、ある程度収入が高くなると、また結婚が難しくなるのはご存じだろうか。今回は、富裕層の婚活の実態について解説してみたい。

実は意外と苦労している?富裕層の婚活の実態とは?

結婚に収入は重要である。国土交通白書によると、結婚の障害となっているものは、男女ともに、「結婚資金」であり、男女それぞれ4割が障害であると答えている。

もしそうであれば、年収が高い方が、結婚しやすいと言えるのだろうか。実は、決してそうではないのだ。20代、30代の婚姻率を見てみると、年収800万円~1000万円までは、年収が上がるとともに婚姻率も上がり、年収800~1000万円の婚姻率は44%になるが、1000万円以上になると、婚姻率は27.9%と、落ち込むことになる。

高収入であろうと、結婚するのは、今の時代容易ではないといえるだろう。では、なぜ、このような事態が起こっているのだろうか。

なぜ、富裕層は結婚に苦労するのか?

富裕層が結婚に苦労する理由はいくつかある。

最も多い理由として挙げられるのは「仕事が忙しいから」だろう。若くして年収が高い人というのは、得てして仕事が忙しいものだ。仕事が忙しく、充実していれば、プライベートのことまで気がまわらないし、そもそも仕事が充実しているうちは、結婚する必要を感じていない、ということもある。

他には、家庭の事情というものもある。収入が高い人や資産が多い人というのは、そもそも家庭が裕福であるというケースも多い。そういう家庭の場合、結婚するにあたって、親や親族からも厳しいチェックが入ることも多いのだ。実際に、「結婚したいけれど、親が認めてくれない」と言う富裕層の子息は決して少なくない。

さらに、選択肢が多いほど選べないという、「決定回避の法則」というものをご存じだろうか。選択肢が多ければ多いほど、人は選ぶことができないという性質を現したものだ。実際、若くして高収入の男性は、女性からの人気も高く、アプローチされるケースも多いだろう。そういう人が多ければ多いほど、パートナーを選べないという人もいる。

さらに、最近では、マネーリテラシーの面でも、結婚できない、という男性が増えているようだ。実際、厚生労働省によると、独身生活の利点として、「家族扶養の責任がなく気楽」「金銭的に裕福」と答える男性が増えているそうだ。実際、WEBメディアなどで「年収1000万円じゃいい暮らしができない」のような煽り文句を見かけることもある。年収1000万円あろうとも、生活の不安に脅かされているのだ。実際、昔に比べて、高学歴同士、高収入同士の「パワーカップル」が増加しているのも、こういったことが背景にあるだろう。