こんにちは、婚活FP(ファイナンシャル・プランナー)山本です。

まだまだ不況の終わりが見えない昨今の日本ですが、だからこそ就労環境が悪化する中、最近では「起業・独立」を目指す方も比較的よく聞くようになりました。ただ、やはり失敗する方も多いですし、結婚後に夫が独立を言い出したら、妻としてはどうすべきなのでしょうか。

今回は、「独立に失敗した夫を助けた女性」の実話をお伝えします。

あなたの夫婦生活に、そして人生にお役立て下さいませ。

激務に耐えかね、夫が独立を決意

(写真=Motortion Films/Shutterstock.com)

あるところに、30代前半の既婚女性、陽子さん(仮名)がいました。陽子さんは4歳になる娘の花梨ちゃん(仮名)を育てながら、近所のスーパーでパート勤務をしています。

陽子さんは20代後半で結婚しました。夫は同じく30代前半の男性、雄二さん(仮名)。現在は中堅企業に勤め年収は約500万円です。

ある日、突然雄二さんが会社を辞め、独立したいと言い出しました。

雄二さんは、会社の業績が芳しくなく、かなりの長時間労働になっていました。その結果、会社内の空気も相当悪くなってしまっていたようで、雄二さんはドンドン元気を失っていたのです。そんな中で、雄二さんが出した結論が「独立」でした。

陽子さんは、すごく不安だった一方、雄二さんの変化を間近で見ていただけに、強く反対できませんでした。

結局雄二さんは独立を決心し退職。家の貯金500万円と融資500万円、合わせて1000万円を元手に開業しました。

鳴かず飛ばずで独立後3年以内にアッサリ倒産

(写真=gpointstudio/Shutterstock.com)

少なくとも当初、雄二さんは希望に満ち溢れ、すっかり元気を取り戻すことができたそうです。そしてこの点だけは、本当に陽子さんも嬉しかったといいます。よっぽど勤め先には、窮屈感が漂っていたのでしょうね……。

雄二さんは本当にがんばりました。当時の得意先や関係者など、これまで培ってきた人脈を片っ端から当たり、さらに名刺交換会などにも顔を出し、ホームページも開設し、考え付く限りの行動を起こしたそうです。このあたりは、独立した方なら誰もが通る道ですね。

ですが、やはり独立は簡単ではありませんでした。そもそも業界自体が不況なのですから、ある意味で当然かもしれません。

しかも残念なことに、これまで雄二さんが立派に仕事をできたのは、会社の看板があったから。社員だったからこそ、だったのです。何をしても、一向に売り上げは上がりませんでした。

余談ですが、一般的な創業では当初3年間は売上ゼロでも当たり前なので、3年分以上の回転資金がないと厳しいと、筆者の知り合いの税理士は言っていました。

結局、雄二さんは3年を持たずに倒産。残ったのは400万円の借金でした。

現実は厳しく残酷なものですね……。そしてこうなって初めて、雄二さんは陽子さんと花梨ちゃんのことを考え、反省と後悔の念でいっぱいになったといいます。