男女とも、離婚後に再婚すると相続で問題になることが少なくありません。離婚前に生まれた子どもと、後妻、後から生まれた子どもが相続を巡って対立することが多いからです。

再婚をすると相続にどんな影響があるか、また、問題を防ぐにはどんな備えをすればよいか、具体的なケースを挙げて解説します。

再婚したときに相続で問題になるケース例

(写真=Ramona Heim/Shutterstock.com)

再婚したときに相続で問題になるのはどのようなケースでしょうか。まずは具体的な事例を挙げてみましょう。

子連れの方と再婚し後に子どもが生まれた場合

【ケース1】
B子さん(現在32歳)はあるパーティで知り合ったAさん(現在58歳)と気が合い、交際がスタート。妊娠が分かってから結婚しました。結婚後に仕事を辞めたため,今は専業主婦です。再婚後の子どもは1歳です。

B子さんと結婚する前に、Aさんには10年以上連れ添った前妻がいました。前妻とは性格の不一致から離婚したこと、前妻との間に子どもが2人いて、そのうち1人はすでに社会人、もう1人は大学1年生であることをAさんから聞いています。

Aさんはあと2年で会社を定年退職します。退職後は、これまでと比べると収入がぐっと下がることになります。まだ若いB子さんは、子どもが成人になるまでにまだ20年近くあるため、お金は大丈夫だろうかと行く末が少し不安になってきました。

B子さんは現在収入がないので、子どもが大きくなったときの学費などが特に心配です。B子さんとしては、Aさんが何かあったときのために、財産をできるだけ残しておいてほしいと思っています。

再婚相手(もしくは自分)に連れ子がいる場合

【ケース2】
パート勤務のC子さん(38歳)は前夫のDVが原因で離婚しました。前夫との間に子どものEちゃん(5歳)がいます。

C子さんは当初、シングルマザーとして子どもを育てようと頑張っていましたが、仕事で知り合いになったDさん(33歳)と性格が合い、子どももDさんになついたため再婚しました。

EちゃんはDさんとは養子縁組をしていません。Eちゃんは現在もときどき前夫と会っていて、C子さんとしては若干養育費も受け取っているため、EちゃんをDさんと養子縁組させることをためらってそのままになっていました。

ただ、Eちゃんの今後の学費などの心配もあり、Dさんに何かあった場合にはDさんの遺産を受け取ることができればと思っています。Dさんは初婚で、家族には兄と妹がいます。