「出産後も仕事をバリバリ頑張るぞ」と思っていても、いざ育児が始まってみると、子どもの急な体調不良、両親に頼れない、パートナーの家事参加度が低いなど、新たな問題が出てきて、育休後の職場復帰は無理かも……と考えることもあるかもしれません。

しかしながら、育休復帰を待ってもらっている手前、育休取得後の退職は気が引ける、という人が多いのではないでしょうか。育休後に退職を考えるときに知っておきたいことと、円満退職するときに気をつけたいポイントを紹介します。

育休後に退職する人は、意外と多いけれど……

育休後に退職する人は、どれくらいいるのでしょうか。厚生労働省の「2018年度雇用均等基本調査」によると、育休終了後の退職者は10.5%。10人に1人は育休後に退職していることになり、意外と多いようです。ただ、出産を機に退職している女性が46.9%(国立社会保障・人口問題研究所の「第15回出生動向基本調査」より)と、約半数の女性が育休前に退職していることを考えると、育休後の退職は慎重に考えなければなりません

また、育休中にもらう育休手当は、雇用保険料から支払われる給付金です。今まで保険料を支払ってきたとはいえ、手当をもらえる上に、育休中に満3歳未満の子を養育している場合、社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料)が事業主、被保険者ともに免除されているため、かなりの恩恵を受けることになります。

育休中は、自分の業務をほかの人が負担したり、代わりの人を雇ったり、会社の人に支えてもらっているケースもあるでしょう。育休後に退職すると、「どうせまた辞めるでしょ」という目で見られる可能性が高く、後に続く人が子育てをしながら働く環境づくりが会社内でできにくくなることもあります。

まずは、相談してみる

退職を決断する前に、家族や上司、育休復帰した先輩などに相談してみましょう。良いアイディアがもらえたり、一緒に解決策を考えてくれたりするかもしれません。相談にあたっては、事前に何が問題かを明確にしておくといいでしょう。

パートナーとは日々の保育園への送迎、子どもの体調不良時のお迎え、家事分担を協力してもらえるか、また退職して収入が減ったときの家計についてもしっかり話し合っておきましょう。近くに両親などが住んでいる場合は、送迎や体調不良時の看病など、どこまでお願いできるか確認しておくといいでしょう。

会社には、家族の協力状況、子どもの体調不良時の対応などを相談してみて、配置転換や時短勤務だけでなく、在宅勤務という手段も視野に入れて考えてもえるといいでしょう。

誰もが職場復帰は不安なものです。とりあえず復職してみてから考えるという手もありますが、円満に退職できれば、業務委託という形で業務の一部を請け負うなどして、子育てが落ち着いたときに復職する道も残すことができます。