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2019/11/19

起業で借金するのはアリ?メリット・デメリットと資金運用のコツ

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
自己資金のみでスタートする起業も多くありますが、中には借金をして起業する場合もあります。多くの人は「借金をして起業するのはリスクが大きい」と考えがちですが、決してマイナスな要素だけではありません。今回は、起業時に借金をすることのメリット・デメリットを踏まえながら、なぜ起業時に借金をするのかを解説します。

借金をして起業するのはなぜ?

起業時に借金をする理由は、基本的には「お金が足りないから」なのですが、なぜ自己資金を十分貯めてから起業せずに、あえて借金をするのでしょうか。起業時に借金をする背景には、主に次の3つの事情があります。

多額の初期投資が必要

昨今はITの普及により、自己資金のみでの起業も無理なくできるようになりましたが、すべての業種でできるわけではありません。小売業・飲食業・不動産業・配送業・製造業など「起業初期から設備や在庫が必要な事業」はその全額を自己資金だけでまかなうのは困難です。

設備投資や在庫の仕入には、事業規模にもよりますが、一般的に数十万円から数百万円といった多額のお金がかかります。ビジネスチャンスや時流をつかむという点から見ると、これらの資金をすべて自分で用意するまで待つのが得策とは言い切れず、場合によっては借金で資金を準備したほうが効率的なのです。

精神的な余裕を持ちたい

自己資金のみで起業できたとしても、事業を軌道にのせ、生活費を捻出するまでには時間がかかります。事業がどうあれ、飲食や家賃などの生活費で常にお金は出ていくため、限りある自己資金では、あっという間になくなってしまうかもしれません。運用できる資金が少なくなれば人は焦り、冷静な経営判断を失いがちです。

借金を元手に事業を運用できれば、手元に資金を残せる安心感があります。精神的な余裕を持って、落ち着いて事業を行うにはお金の余裕が必要であり、そのためには借金も有効と言えるでしょう。

事業に集中したい

資金繰りは、起業時から経営者の悩みの種です。なぜなら、事業の基盤は売上や利益の数字ではなく、あくまで手元現金だからです。また、たいていの業種において、売掛金の回収よりも先に買掛金や経費の支払期限が到来します。地代家賃や水道光熱費のように、支払を怠れば事業の継続ができなくなる経費もあることから、手元現金の多寡が事業継続を左右します。

手元に自己資金だけでなく融資金があれば、こういった資金繰りで悩む時間が減り、本業の販路拡大や営業戦略に集中することができます。手元のお金がたとえ借金であっても、本業に集中する時間が増えれば、事業の成長を加速することができ、うまく利益を上げることができれば無理のないスムーズな返済を可能にできるでしょう。

借金と出資の違い

起業資金の問題を解決する方法としてもう一つ、「出資」というものがあります。出資は起業者が立ち上げた株式会社の株式を出資者(株主)に買ってもらう形態です。他人にお金を出してもらうという点で借金と出資はよく似ていますが、いくつか違いがあります。
  • 借金は「返さないといけない」が出資は「返さなくていい」
  • 借金は「定期的に利息をつけて返済する」が出資は「黒字のときのみ利益を配当する」
  • 借金は「返せば文句を言われない」が出資は「出資者が経営に口出しをする」
出資のほうが、返済義務を負わない分、気楽に見えます。しかし、会社の経営者(取締役等)と所有者(株主)が異なると、取締役が株主の意見を聞かなくてはならないため、経営が難航するおそれがあります。一概に「借金はダメで出資が良い」とは言い切れません。
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