会社員の給与は、支給金額から諸々のお金を差し引かれて支払われます。このため、細かい内訳を知らない人も少なくありません。そこで本稿では、給与の額面と手取りの違いについて説明します。

「額面」と「手取り」

会社員は、業務に従事する対価として賃金を得ます。この賃金が、いわゆる「給料」です。そしてこの給料には「額面」と「手取り」があります。会社員の中には、給料の内訳について細かく見ない人も少なくありません。

では、額面と手取りはどう違うのでしょうか。額面とは、最初に定められた基本給に残業代や資格などの各種手当、交通費など、勤め先の企業から支給されるすべてのものを合計した金額のことです。

手取りとは、額面から所得税・住民税などの税金、厚生年金や健康保険などの各種社会保険料を控除したものを指します。簡単にいえば、額面からさまざまなものを差し引いて、実際に支払われる金額が手取りなのです。

手取り額はいくらになる?

このように、額面と手取りの違いを知っておくことは大切です。例えば、就職・転職時に提示される金額は額面であり、実際はそこからさまざまなものが差し引かれて支払われるので、この違いが分かっていないと、生活費や保険料の支払い、貯蓄などの家計の計画を正確に立てることができません。長期的に考えると、ライフプランの変更を強いられる可能性さえあります。

では、手取り額はどのように計算すればいいのでしょうか。一般的に、手取り額の目安は額面の8割と言われています。例えば、転職時に提示された給与の額面金額が500万円だった場合、手取りはその8割である400万円前後と考えれば、毎月の収支計画やライフプランも立てやすくなるでしょう。

手取り額に違いが生じることも

AさんとBさんが同時に入社し、提示された額面が同じであっても、手取り額には違いが生じることがあります。これは、扶養家族の有無や前年の所得額などによって、差し引かれる金額が変わってくるためです。Aさんの前年の年収が400万円、Bさんが2,000万円だったとしたら、Bさんの所得税率のほうが高いため差し引かれる金額も多くなるでしょう。このように、手取り金額には別の変動要素もあることを覚えておきましょう。