「キャリアアップのために資格が欲しい」「資格を取れば昇進できるから、とにかく試験に受かりたい」――。

こう思っているビジネスパーソンは多いのではないだろうか。勉強は有効かつ効率的な自己投資で、生涯年収にも関わる。昇進や昇給のかかった資格試験の勉強となるとなおさらだ。

どのように勉強したら働きながら資格を取得できるのか。筆者が資格スクールの講師として多くの社会人受験生と接するなかで見えてきた「働きながら資格を取るためのコツ」を紹介する。

スケジュールを「固定化」する

働きながら資格を取るためのコツはいくつかあるが、もっとも大切なのは「スケジューリング」だ。仕事をしながら資格を取得できる人は、忙しくとも勉強時間を一日のなかでしっかりと確保して机に向かう。空いた時間に片手間で勉強するのではなく、勉強の時間をあらかじめ用意するのだ。

気になるスケジューリングのコツは、学習スケジュールをとにかく「固定化」することだ。毎日ほぼ同じ時間帯に、同じだけの時間を勉強に割くことが大切になるのだ。

スケジュールの固定化が必要なのは、学習の絶対量をクリアするため。合格のためには、通勤時間のようなスキマ時間だけでなく、机に向かって集中して勉強する時間を確保しなければいけない。ビジネスパーソンは仕事があるし、付き合いや家族サービスだってある。このような状況でまとまった学習時間を日々確保できるようにするのが、学習スケジュールの固定化なのだ。

具体的には1日の学習スケジュールをあらかじめ決めてしまう。たとえば朝6時に起きて、90分の勉強をこなしてから出勤する。お昼休みは30分勉強してから残りの時間でランチを簡単に済ませる。仕事から帰宅した後は夜10時から60分ほど机に向かってから就寝する……。このように学習のパターンを決め、日々同じように過ごすのだ。

スケジュールは詰め込みすぎない

学習スケジュールは、「完璧にしすぎない」ことも大切だ。詰め込み過ぎると勉強が続かなくなることがあるからだ。

考えてみて欲しい。「朝の90分と夜の60分は何が何でも勉強する」と決めたとしても、ビジネスパーソンなら急な残業だってあるだろうし、付き合いだってある。

このように勉強のペースが乱れる日が続けば、スケジュールをこなすことができなくなる。不思議なことに予定通りに勉強が進まないことでモチベーションは下がり、結局は机に向かうことがおっくうなるのだ……。

だからスケジュールは詰め込み過ぎず、「遊び」を用意する。スケジュールの「遊び」とは調整可能時間のことで、仕事と勉強のつじつまを合わせるものだ。

たとえば夜60分の時間を学習にあてるとしても、金曜日の夜60分だけは学習スケジュールから外しておく。お付き合いが入りそうなタイミングが金曜日だとしたら、余裕を持ってお付き合いに参加できるように、金曜の夜は勉強の予定をもともと空けておくのだ。

この金曜の夜は「調整可能時間」だから、お付き合いが水曜や木曜に入ったって問題はない。水曜の夜に仕事のお付き合いが入ったなら、水曜の夜にしなければいけない勉強は金曜の夜にまわして机に向かう。このように仕事と勉強の両立を可能にする仕組みを用意するのだ。